55 / 228
名探偵は身を隠す
しおりを挟む
どれほど完璧な犯罪でも、その名探偵の前ではあっさり謎がとけてしまうという。
だから、その事件もすぐ解決されると思われた。だが、探偵は真犯人に拘束された。
「あんたが死ねば、この事件は迷宮入りだ」
真犯人がしてやったと自慢げに笑う。
「何と愚かな。この私を探してもう警察が動いているはずだ」
「ふん、警察に尻尾をつかまれると思うか。俺は天才なんだ。あんたさえいなければ、警察を出し抜くくらいなんでもないさ」
「おやおや、私が本物の名探偵だと思っているのかい。おめでたい犯人だ」
「なに?」
「名探偵の命を狙う犯人は、今までに何人もいてね、そこで、この私が影武者を演じていてね。本物の名探偵は、ほら、あんたの後ろに」
「なっ?」
「遅い、眠ってろ」
麻酔針で真犯人を眠らせると本物の名探偵は影武者役のおっさんを解放した。
「名探偵を囮に真犯人をおびき出す。うまくいきましたな」
解放されたおっさんが、未成年の本物の名探偵に笑い掛ける。
「ああ・・・、今回の事件、物証が乏しかったから、これで、こいつも言い逃れできないだろう」
「私に手を出さなければ、事件は本当に迷宮入りだったのに。バカな奴でしたな」
「完璧主義者なんだろ、不安な材料は確実に消しておきたい。だから、名探偵には退場してもらいたかったと。結果として自滅したわけだ」
こうして、今日も、名探偵は、難事件を解決した。
だから、その事件もすぐ解決されると思われた。だが、探偵は真犯人に拘束された。
「あんたが死ねば、この事件は迷宮入りだ」
真犯人がしてやったと自慢げに笑う。
「何と愚かな。この私を探してもう警察が動いているはずだ」
「ふん、警察に尻尾をつかまれると思うか。俺は天才なんだ。あんたさえいなければ、警察を出し抜くくらいなんでもないさ」
「おやおや、私が本物の名探偵だと思っているのかい。おめでたい犯人だ」
「なに?」
「名探偵の命を狙う犯人は、今までに何人もいてね、そこで、この私が影武者を演じていてね。本物の名探偵は、ほら、あんたの後ろに」
「なっ?」
「遅い、眠ってろ」
麻酔針で真犯人を眠らせると本物の名探偵は影武者役のおっさんを解放した。
「名探偵を囮に真犯人をおびき出す。うまくいきましたな」
解放されたおっさんが、未成年の本物の名探偵に笑い掛ける。
「ああ・・・、今回の事件、物証が乏しかったから、これで、こいつも言い逃れできないだろう」
「私に手を出さなければ、事件は本当に迷宮入りだったのに。バカな奴でしたな」
「完璧主義者なんだろ、不安な材料は確実に消しておきたい。だから、名探偵には退場してもらいたかったと。結果として自滅したわけだ」
こうして、今日も、名探偵は、難事件を解決した。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる