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夜襲
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「閣下、なぜ我々は、ヒーローに真夜中の奇襲を仕掛けないのですか。いつも真昼ばかりの戦闘では、この連日の暑さ、ヒーローではなく、我ら夏の熱中症にやられてしまいます」
「うむ、もっともな意見だが、やつらのねぐらが分かっていれば、夜襲も良いが、それは卑怯だとは思わんかね。それに夜襲を始めれば、向こうも我らの寝込みを襲ってくるだろう。核攻撃には核の報復と昔のSFによくある、共倒れの構図ができる」
「なるほど。報復合戦で泥沼ですか。ならばせめて、夏用の戦闘服の支給を」
「努力と気合で何とかしろ、先人も、そうやって、夏が来たときも、冬の寒い時も戦ってきたんだ」
「いや、今は昭和ではありません、令和です」
「古い考えだと言いたいのか」
「はい、先人が結果負けてきた道をたどる必要はないかと」
「うむ、では、水分補給等、熱中症対策を貴様に任せる。夜襲については検討してみよう」
「は、ありがとうございます」
物わかりのいい上司だった。悪の組織でも、こういう上司のもとなら、部下もやる気と実力を出せるというもの。そうして、真夏でもフルフェイスのヒーロー連中は夏の長時間の戦闘に耐えられず、我らの前に敗走し、その夏、我ら悪の組織が悲願の勝利をもぎ取った。
「うむ、もっともな意見だが、やつらのねぐらが分かっていれば、夜襲も良いが、それは卑怯だとは思わんかね。それに夜襲を始めれば、向こうも我らの寝込みを襲ってくるだろう。核攻撃には核の報復と昔のSFによくある、共倒れの構図ができる」
「なるほど。報復合戦で泥沼ですか。ならばせめて、夏用の戦闘服の支給を」
「努力と気合で何とかしろ、先人も、そうやって、夏が来たときも、冬の寒い時も戦ってきたんだ」
「いや、今は昭和ではありません、令和です」
「古い考えだと言いたいのか」
「はい、先人が結果負けてきた道をたどる必要はないかと」
「うむ、では、水分補給等、熱中症対策を貴様に任せる。夜襲については検討してみよう」
「は、ありがとうございます」
物わかりのいい上司だった。悪の組織でも、こういう上司のもとなら、部下もやる気と実力を出せるというもの。そうして、真夏でもフルフェイスのヒーロー連中は夏の長時間の戦闘に耐えられず、我らの前に敗走し、その夏、我ら悪の組織が悲願の勝利をもぎ取った。
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