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コタツ怪人VS戦隊
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「コタツを素材にした怪人だと?」
狼顔の将軍がふっと鼻で笑う。
「そんなヤツが強いのか?」
「どうやら将軍は、コタツの魅力というものをご存じないようだが、コタツに入ると、ダラダラしたくなるのが、この星の人間の特徴ですぞ」
怪人製造担当の魔軍師が、総統や将軍たち幹部に熱心に説明する。
そうして、次の出撃は、コタツ怪人と決まった。
将軍たちが退出するとき、外の廊下で控えていたストーブ怪人が直属の上司の狼顔の将軍に問う。
「お疲れ様です、閣下。いよいよ、私の出番ですか」
「いや、次の出撃はコタツ怪人に決まった」
「え、で、ですが、この時期は、いよいよお前の出番だと・・・」
「済まんな。ま、心配せんでも、すぐにお前の出番が来る」
「は、はぁ・・・」
ストーブ怪人は残念そうに吐息を漏らした。
そうして出撃したコタツ怪人は、見事、正義の戦隊のブルー、イエロー、グリーン、ピンクを自分のコタツに引き込んで戦意を喪失させ、レッド一人を孤立させて、戦闘員たち総がかりでレッドを追い詰めていた。普段、皆で分担しているから楽勝のザコ戦闘員でも、レッド一人だけでは数的に圧倒的に不利だった。
「お、おい、みんな、コタツから出て手伝え」
「いやだ、面倒くさい」
「そうそう、コタツから出たくないから、リーダー頑張れ」
「お、お前ら」
レッドが睨むが、仲間はコタツでゴロゴロするだけだった。
「あれ? なんかコタツの中冷たくない?」
ピンクが異変に気付き、コタツの中を覗くと赤くなっているはずがコタツの中が消えて暗くなっていた。
「あ、コタツ、点いてない」
「ん、確かに寒い、あれ? なんで俺たちコタツに入ってるんだ」
正気を取り戻した仲間たちがレッドのピンチに気づきコタツを出る。
「悪い、リーダー。俺たち、敵の罠に・・・」
「ああ、いいから、反撃するぞ」
「分かった」
戦隊ヒーローたちは反撃に出てコタツ怪人を倒した。
「悪く思うなよ。おまえの仇は俺がとってやるからな」
コタツ怪人のコンセントをこっそりと抜いた犯人であるストーブ怪人が、そう内心で決意する。
だが、その次の戦い、ただ周囲を温かくするだけのストーブ怪人は戦隊ヒーローたちにあっさりとやられた。
狼顔の将軍がふっと鼻で笑う。
「そんなヤツが強いのか?」
「どうやら将軍は、コタツの魅力というものをご存じないようだが、コタツに入ると、ダラダラしたくなるのが、この星の人間の特徴ですぞ」
怪人製造担当の魔軍師が、総統や将軍たち幹部に熱心に説明する。
そうして、次の出撃は、コタツ怪人と決まった。
将軍たちが退出するとき、外の廊下で控えていたストーブ怪人が直属の上司の狼顔の将軍に問う。
「お疲れ様です、閣下。いよいよ、私の出番ですか」
「いや、次の出撃はコタツ怪人に決まった」
「え、で、ですが、この時期は、いよいよお前の出番だと・・・」
「済まんな。ま、心配せんでも、すぐにお前の出番が来る」
「は、はぁ・・・」
ストーブ怪人は残念そうに吐息を漏らした。
そうして出撃したコタツ怪人は、見事、正義の戦隊のブルー、イエロー、グリーン、ピンクを自分のコタツに引き込んで戦意を喪失させ、レッド一人を孤立させて、戦闘員たち総がかりでレッドを追い詰めていた。普段、皆で分担しているから楽勝のザコ戦闘員でも、レッド一人だけでは数的に圧倒的に不利だった。
「お、おい、みんな、コタツから出て手伝え」
「いやだ、面倒くさい」
「そうそう、コタツから出たくないから、リーダー頑張れ」
「お、お前ら」
レッドが睨むが、仲間はコタツでゴロゴロするだけだった。
「あれ? なんかコタツの中冷たくない?」
ピンクが異変に気付き、コタツの中を覗くと赤くなっているはずがコタツの中が消えて暗くなっていた。
「あ、コタツ、点いてない」
「ん、確かに寒い、あれ? なんで俺たちコタツに入ってるんだ」
正気を取り戻した仲間たちがレッドのピンチに気づきコタツを出る。
「悪い、リーダー。俺たち、敵の罠に・・・」
「ああ、いいから、反撃するぞ」
「分かった」
戦隊ヒーローたちは反撃に出てコタツ怪人を倒した。
「悪く思うなよ。おまえの仇は俺がとってやるからな」
コタツ怪人のコンセントをこっそりと抜いた犯人であるストーブ怪人が、そう内心で決意する。
だが、その次の戦い、ただ周囲を温かくするだけのストーブ怪人は戦隊ヒーローたちにあっさりとやられた。
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