ヒーローだって人間です

木全伸治

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ヒーロー排斥暴力的映像撲滅運動

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『暴力的映像は良くない。すべては話し合いで解決すべき』と自衛隊を人殺し集団と言うような連中が、特撮ヒーロー番組を目の敵し、テレビ局やスポンサーに抗議を行い始めて、特撮番組が次々と打ち切りになっていった。さらに地方のご当地ヒーローも、同じ理由で、地方のステージイベントの参加を拒否するように行政に圧力がかけられたり、子供が見たら真似をするからという理由で、全国の遊園地のヒーローショーもどんどん潰されていった。特撮ヒーロー番組を見たからと言ってたくさんの暴力的な子供が育ったというデータは、一切存在しない。存在しなくても、彼らは、子供たちに悪影響が出るだろうという感情的憶測で、ヒーロー番組を目の敵にした。
さらに、世界平和のためには、自ら、武器を捨て、相手に無防備であることをさらして対話することが恒久的な平和には絶対に必要だと、彼らは、特撮ヒーロー番組を潰した次には、その勢いのまま日本の非武装を訴えだした。武器を持っているから攻撃される、武器がなければ、向こうは攻撃してこないはずだという、そんなお花畑的思考の連中が、本気で行動を起こしていた。
だが、特撮ヒーロー番組は、個人製作から企業制作単位までネット配信に移行して、生き残ったように、自衛隊もその世論のうねりに大幅な装備縮小を余儀なくされたが、少数精鋭の防衛戦特化の世界屈指の軍隊になっていた。人員が少ない分一人一人の技量向上、予算が少ない分の効率化高性能化は、必然であった。そうして、特撮ヒーロー番組つぶしから始まった遠大な某国の陰謀は、日本の軍事力を削ぐどころか、逆に精鋭化させて、国境紛争が起きた瞬間、逆に手痛いしっぺ返しを彼らは食らった。
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