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趣味で戦隊モノ
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彼女はパトカーの後部座席に乗せられ白髪の警官に調書を取られていた。
「免許証」
「え?」
「運転免許証を出して」
「いえ、それは・・・」
「なに、あんた、無免許なの?」
「あ、あの、正義の味方には正体が明かせないというお約束がありまして」
「は? 何、言ってるの君? まず、そのおかしなヘルメットを取って顔を見せなさい」
「ええと、こんなことしてる場合じゃなくて、いま地球の危機で、急いで駆けつけないと」
「何か急用があるのかね。ま、違反者の大半はそう言って見逃してくれというけどね、あんな違法な改造バイクを見逃すわけにはね」
ベテランらしきその警官が外に止めてある、派手にゴテゴテした違法バイクをチラッとみる。
「ナンバーはついてないし、どうみても車検通りそうな外見じゃないよね」
「いえ、とにかく、本当に、地球の危機なんですってば」
「あ、その恰好、戦隊モノのコスプレですよね。しかし、バイクをあそこまで改造するなんて随分と本格的な趣味ですね」
運転席にいて、後部座席のやり取りを見守っていた若い警官が口を挟む。
「いえ、これはコスプレではなく本物で、あのバイクも改造車ではなくて、戦隊モノのお約束の乗り物でロボを呼ぶのに必要な一台で、あれがないとロボを呼び出せなくて・・・」
ピンクの戦闘服を着た彼女は、必死に説明していたが、そのとき、敵の怪人が巨大化して、暴れまわり、その瓦礫が跳んできて、彼女のバイクをグシャッと押し潰した。
「あ、ああ・・・」
「うわ、なんだあれ!」
運転席の若い警官が、爆発の中、仁王立ちする巨大な化け物の姿を見る。
「おい、逃げろ!」
白髪の調書を取っていた警官が、運転席に向かって咄嗟に叫ぶ。
「な、何が起きたかわからんが、ここは危険だ」
若い警官も突然のことに困惑しつつハンドルを握る。
「は、はい、逃げます・・・」
「あ、ああ、だめです、このまま逃げたら」
ピンクの戦闘服の彼女は、パトカーに乗せられたまま、現場を去ってしまった。
「免許証」
「え?」
「運転免許証を出して」
「いえ、それは・・・」
「なに、あんた、無免許なの?」
「あ、あの、正義の味方には正体が明かせないというお約束がありまして」
「は? 何、言ってるの君? まず、そのおかしなヘルメットを取って顔を見せなさい」
「ええと、こんなことしてる場合じゃなくて、いま地球の危機で、急いで駆けつけないと」
「何か急用があるのかね。ま、違反者の大半はそう言って見逃してくれというけどね、あんな違法な改造バイクを見逃すわけにはね」
ベテランらしきその警官が外に止めてある、派手にゴテゴテした違法バイクをチラッとみる。
「ナンバーはついてないし、どうみても車検通りそうな外見じゃないよね」
「いえ、とにかく、本当に、地球の危機なんですってば」
「あ、その恰好、戦隊モノのコスプレですよね。しかし、バイクをあそこまで改造するなんて随分と本格的な趣味ですね」
運転席にいて、後部座席のやり取りを見守っていた若い警官が口を挟む。
「いえ、これはコスプレではなく本物で、あのバイクも改造車ではなくて、戦隊モノのお約束の乗り物でロボを呼ぶのに必要な一台で、あれがないとロボを呼び出せなくて・・・」
ピンクの戦闘服を着た彼女は、必死に説明していたが、そのとき、敵の怪人が巨大化して、暴れまわり、その瓦礫が跳んできて、彼女のバイクをグシャッと押し潰した。
「あ、ああ・・・」
「うわ、なんだあれ!」
運転席の若い警官が、爆発の中、仁王立ちする巨大な化け物の姿を見る。
「おい、逃げろ!」
白髪の調書を取っていた警官が、運転席に向かって咄嗟に叫ぶ。
「な、何が起きたかわからんが、ここは危険だ」
若い警官も突然のことに困惑しつつハンドルを握る。
「は、はい、逃げます・・・」
「あ、ああ、だめです、このまま逃げたら」
ピンクの戦闘服の彼女は、パトカーに乗せられたまま、現場を去ってしまった。
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