149 / 164
新人
しおりを挟む
「これからもよろしく」
と、正義の味方であるブルーが敵である新人の俺を見逃してくれた。
春から悪の組織に入り、まだ新卒で平の戦闘員だった。当然、戦闘のスキルは低くて、ヒーローにボコられて、ほとんど動けず、完全に追い詰められていた。だが、俺の上司の怪人がレッドたちにやられる悲鳴がして、俺を追い詰めていたブルーは「これからもよろしく」という言葉を俺に投げかけて撤退した。
ヒーローと戦い続けているうちに俺も気付いた。彼らがヒーローとして子供たちの賞賛を受けるためには、俺たちのような敵が必要なのだ。
だから、いつもヒーローたちは怪人を倒すだけで満足して、こちらを全滅させはしない。もし下手に全滅させて、敵がいなくなったらヒーローの存在意義がなくなると考えて、新人戦闘員の俺を「これからもよろしく」と言って見逃してくれたのだ。
けれど、ヒーローとの戦闘に慣れベテランとなると、総裁に認められて、改造されて怪人に昇格してしまい、怪人としてヒーローと相対した時には、「これからもよろしく」と言われて見逃されることもなくヒーローに全力でボコられて爆散した。やられる直前、ブルーに以前見逃してもらったことの礼を伝えたかったが、それもできずに散った。それから、俺の所属していた組織が、ヒーローたちに壊滅されられるのに一ヶ月もかからなかった。
と、正義の味方であるブルーが敵である新人の俺を見逃してくれた。
春から悪の組織に入り、まだ新卒で平の戦闘員だった。当然、戦闘のスキルは低くて、ヒーローにボコられて、ほとんど動けず、完全に追い詰められていた。だが、俺の上司の怪人がレッドたちにやられる悲鳴がして、俺を追い詰めていたブルーは「これからもよろしく」という言葉を俺に投げかけて撤退した。
ヒーローと戦い続けているうちに俺も気付いた。彼らがヒーローとして子供たちの賞賛を受けるためには、俺たちのような敵が必要なのだ。
だから、いつもヒーローたちは怪人を倒すだけで満足して、こちらを全滅させはしない。もし下手に全滅させて、敵がいなくなったらヒーローの存在意義がなくなると考えて、新人戦闘員の俺を「これからもよろしく」と言って見逃してくれたのだ。
けれど、ヒーローとの戦闘に慣れベテランとなると、総裁に認められて、改造されて怪人に昇格してしまい、怪人としてヒーローと相対した時には、「これからもよろしく」と言われて見逃されることもなくヒーローに全力でボコられて爆散した。やられる直前、ブルーに以前見逃してもらったことの礼を伝えたかったが、それもできずに散った。それから、俺の所属していた組織が、ヒーローたちに壊滅されられるのに一ヶ月もかからなかった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。


のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる