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怪人、はじめました

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憧れのヒーローの元に、たくさんの子供たちが集まり、ヒーローを規範として正義の名のもとに自警団のような集団となって街中を歩き回り、路上喫煙や、ポイ捨て、 ながらスマホなどを注意しはじめた。
まるで、独裁国家の秘密警察のように子供たちは大人たちの行動を監視し、たとえ親でも厳しく注意した。相手が子供なので、注意された大人たちも反抗できず大人しく従ったが、子供は単純で純粋だから加減が分からず、それがだんだん厳しくなり、学校で、先生が子供たちをしかれないほどに子供たちは結束して大人の行動を厳しく見張るようになった。すべて正義、正しいことだと子供たちは信じながら、交通量の少ない道路で信号を無視して渡るような大人や、駅のホームで無理な駆け込み乗車をしたり、電車の優先席に悠然と座るどう見ても若くて健康そうな乗客など、社会的なマナーが少しでも悪い大人は容赦なく子供たちの粛清の対象になった。あまりにも厳しいので、それに対抗するため俺は怪人となり、世の中厳しくしたら反発があるんだぞと教えるため、怪人として子供たちを脅した。が、正義の権化であるヒーローがすぐに出て来て、俺を怪人として退治し、子供たちは正義の名のもとに大人たちの粛清をどんどん続けた。
大人が減るということは、養ってくれる者が減るということで、それに比例して子供たちの人口も減って、自然、ヒーローの元に子供は集まらなくなった。

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