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差別

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勇者も魔王も、どちらも負けられなかった。勇者は人間の世界を、魔王は魔界の運命を背負って、その負けられない戦いに挑んでいた。
だが、宿敵同士どちらも譲らず、激しく戦い続けたが、一瞬の隙を突かれて魔王は、死んだ。魔王を倒した勇者は、使命を果たしたと喜び勇んで国王の元に帰還した。だが、魔王討伐の功は、勇者を派遣した国王のものと喧伝され、勇者には、生まれた村のある田舎の貧しい領地とわずかな報酬が与えられただけだった。一方、魔王を討ったのを契機に国王は魔界に軍を送って支配し、異形の魔界の住民を卑しい身分の者たちとして差別し、虐待、搾取を行った。
その人間の支配から脱却するため、力のある魔王が魔界に再臨するまでの数百年間、魔界の住民の苦難は続いたが、再臨した魔王が、人間の代表である勇者を打倒して、今度は逆に人間を家畜のように使役し始めた。
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