ヒーローは楽じゃねぇぞ、畜生！

ヒーローはその人生に後悔する

正義の味方にかっこよく変身して、悪を倒せばもてると思って、ヒーローを引き受けたが、変身すると顔はフルフェイスのメットで誰か全くわからず、ハリウッド映画のように囚われの美女を助けて、その美女と幸せなキスをしてハッピーエンドを迎えることもなく、しかも、奴らが現れるのは、政府の重要施設ではなく、家族連れの多い遊園地だったり、正直、美女のピンチを救うハリウッド的な展開は一度も訪れなくて、苦労してようやく悪の組織を倒してヒーローをやめて、これから平凡に生きようと就職面接を受けると、ヒーローをやっていたこの一年、君は何をしていたんだと無職のニート扱いの面接官の圧迫面接を受けて、「ヒーローやってました」と言い返せずにこれまで、俺は本当になにをやって来たんだろうなと鬱になった。
世界平和のため身を粉にして働いても履歴書に職歴としてヒーローとは書けない。たとえ正直に書いても、面接官に大笑いされニート扱いよりも、ひどい目に遭いそうな気がする。ヒーローを助けられるヒーローなんてこの世にはいなかった。