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戦闘員はストーカー
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ヒーローに敗れたというのに、その戦闘員一人だけがニヤニヤ笑っていた。
「また、ピンクちゃんにボコられちゃいましたよ」
「殴られて喜ぶなんて、お前も相当だな」
同僚の戦闘員たちが苦笑する。その戦闘員が敵である戦隊のピンクに好意を抱いていて、戦闘の度に自分からピンクにボコられるよう突っ込んでいくのを仲間の戦闘員はみな知っていて呆れていた。
「いいじゃないですか、ちゃんとヒーローと戦ってるんですから、総統だって文句は・・・」
「ン? その総統からお前に呼び出しが掛かってるぞ、早く来いってさ」
「え? 俺だけですか」
今日の敗因は俺のせいじゃないはずと首を傾げながら総統の元へ急ぐ。
「実は、貴様が敵のアジトを知っているという噂があっての。しかも、敵の一人に好意を寄せ、その行動を逐一監視しているそうだが、事実か」
「そ、それは・・・」
事実だった。ピンクに好意を寄せるあまり、彼女の後を尾行して、俺はストーカー行為をしていたのだ。そのため、彼女の住んでいる場所などを把握していたのだ。
悪の組織である以上、下手な言い訳をすれば抹殺もあり得るので、正直に認めた。
「は、はい、事実です、総統」
「よし、ならば、敵がひとりのとき、確実に始末できるよう手配しろ。必要なら怪人も用意しよう」
「こ、この私にピンク暗殺の手引きをせよと?」
「そういうことだ、やれるな?」
「は、はい・・・」
総統には逆らえずにその場はうなずいたが、戦闘員は土壇場で味方を裏切り、ピンクを逃がす代償として、怪人に半殺しの目にあった。
気が付くと、ベットに拘束されていた。そこは悪の組織の科学者の研究室であり、いかにもマッドサイエンティスト風の男が、彼をのぞき込んでいた。
「我々を裏切り、敵を逃がすとは、なんと愚かなことを。だが、総統の恩情で命は助けてやる。その代わり、記憶は消して我々に従順な怪人に改造させてもらうからな」
そうして改造怪人になった彼は、ヒーローたちと戦い、ピンクの目の前で怪人として見事に爆散した。
「また、ピンクちゃんにボコられちゃいましたよ」
「殴られて喜ぶなんて、お前も相当だな」
同僚の戦闘員たちが苦笑する。その戦闘員が敵である戦隊のピンクに好意を抱いていて、戦闘の度に自分からピンクにボコられるよう突っ込んでいくのを仲間の戦闘員はみな知っていて呆れていた。
「いいじゃないですか、ちゃんとヒーローと戦ってるんですから、総統だって文句は・・・」
「ン? その総統からお前に呼び出しが掛かってるぞ、早く来いってさ」
「え? 俺だけですか」
今日の敗因は俺のせいじゃないはずと首を傾げながら総統の元へ急ぐ。
「実は、貴様が敵のアジトを知っているという噂があっての。しかも、敵の一人に好意を寄せ、その行動を逐一監視しているそうだが、事実か」
「そ、それは・・・」
事実だった。ピンクに好意を寄せるあまり、彼女の後を尾行して、俺はストーカー行為をしていたのだ。そのため、彼女の住んでいる場所などを把握していたのだ。
悪の組織である以上、下手な言い訳をすれば抹殺もあり得るので、正直に認めた。
「は、はい、事実です、総統」
「よし、ならば、敵がひとりのとき、確実に始末できるよう手配しろ。必要なら怪人も用意しよう」
「こ、この私にピンク暗殺の手引きをせよと?」
「そういうことだ、やれるな?」
「は、はい・・・」
総統には逆らえずにその場はうなずいたが、戦闘員は土壇場で味方を裏切り、ピンクを逃がす代償として、怪人に半殺しの目にあった。
気が付くと、ベットに拘束されていた。そこは悪の組織の科学者の研究室であり、いかにもマッドサイエンティスト風の男が、彼をのぞき込んでいた。
「我々を裏切り、敵を逃がすとは、なんと愚かなことを。だが、総統の恩情で命は助けてやる。その代わり、記憶は消して我々に従順な怪人に改造させてもらうからな」
そうして改造怪人になった彼は、ヒーローたちと戦い、ピンクの目の前で怪人として見事に爆散した。
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