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ヒーローが悪い

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正義のヒーローの名をかたり、現職総理大臣を脅迫する奴が現れた。今の総理には疑惑がある、与党の独裁政権だと、憶測だらけの政治的主張を並べて、悪である総理を倒すと脅迫してきたのだ。
もちろん、悪の怪人退治で忙しいヒーローに、政権批判をしている暇も余裕もなかった。
その脅迫はだんだんエスカレートし、明確な殺害予告までし始め、警察も仕方なく、ヒーローを容疑者として捜査を始めた。ヒーローの名を騙る奴の犯行だということはみな、だいたい推測していたが、素性の分からない人物を無実だと断定するのは難しく、また、テレビのコメンテーターの中にも、今の総理の批判を口にして、正義の味方であるヒーローが、総理打倒を言い出してもおかしくないとコメントしたり、野党議員の中からも、本当に正義の味方ならば、いまの与党独裁政権を倒すべきだとわめく政治家まで出てきて、警察としても、ヒーローの無実を証明するために、どうしてもヒーローを確保したがった。そうなるとヒーロー活動はやりにくくなり、怪人退治より、ヒーローの名をかたる脅迫犯を、怪人退治をしつつヒーローも追うことになった。
で、ヒーロー自身が追い詰め、ヒーローの名を騙っていたのは、どこぞの野党支持の党員で、ヒーローがそいつを捕まえたとき、少しも悪びれることなく、逆に、今の総理を野放しにしているヒーローの方が悪だとギャーギャー騒いだ。
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