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疾風の魔導師ヒューリクリ・ネイ

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由緒ある古い神殿のため天井が高く、俺が姿を隠し移動するのには好都合だった。まずは確保した賢者を触手で吊り上げながら天井を移動し、勇者たちが、最初の方で探査し終えた入り口に近い部屋に入り、その肉体に触手を突っ込んだままで床に下す。抵抗はない。ぐったりと倒れるように床に横になり、俺が触手を体内から引き抜くと、解放されて安堵するどころか、もっと触手でいたぶられたそうなもの欲しそうな卑猥な目をしていた。体を触手で串刺しにされるという異常な辱めを受けたのに、何かに目覚めたと言わんばかりの熱い眼差しだった。頭が良すぎて、これまで全く知らなかった未知の快感に興味津々なのだろうか。だが、堕としたのは、まだひとり。
「いいか、ここでおとなしくしていろ。騒がず、ジッとしていれば、命は取らない。もっと気持ちいいことだってしてやる。分かるな?」
「ですが、誰を相手にしているのか分かっているのですか、あなた一匹でどうにかできると?」
天上を這う触手だらけの俺を恐れることなく、彼女は冷静に魔物姿の俺を諭す。俺より勇者の実力に詳しい賢者の言葉だ。はったりとか駆け引きとかいうものではなく、純粋に俺への忠告のようだ。
「分かってる。この世界で最強の人間を相手にしている自覚はあるが、俺のこの触手の感触はどうだった、正攻法の戦いなら無謀かもしれないが、この俺様の触手を使った卑怯な絡め手なら、どうだ?」
その触手での快感を体感した賢者も、俺の考えを否定しない、むしろ、目の前の魔物ならあるいはという顔をする。
「とにかく、ここでおとなしくしていてくれ、頼む。俺としては狙いは勇者だけなんだ分かるだろ」
「はい・・・」
これは仲間への裏切りではないかという賢者の複雑な感情が表情から読み取れる。
だが、ふと先ほどの触手の快感を思い出したのか、それ以上、俺を引き留めない。
「別に俺は勇者たちを皆殺しにする気はない。その辺は分かっておいてくれ」
あの勇者が、どうあっても俺の召喚主たる魔界の王女を殺すというのなら、エロゲー的鬼畜外道な快楽責めでメス奴隷にしてその考えを改めてもらうのもありだろうとは思う。エロゲーの神様としては、この世界にそういう展開を望んで、この俺にこんな肉体を与えたのだろうから。
「ま、この俺が殺戮大好きな魔物だとは思わないだろ」
「はい、はい、その、スケベが大好きそうですね」
肌の上を這いずった触手の感触を思い出して賢者の少女が身震いしながら言い当てる。
「おやおや、さすが賢そうな顔してると思ったが、いい想像だ。その通り、正直、俺にとっては、人間と魔物の戦いは重要視していない。俺が楽しめるかどうかだけだ」
俺は、正直にぶっちゃけた。この異世界に来たばかりで、この世界がどうなろうとそんなの俺には関係ない。勇者を凌辱したらさぞ楽しいだろうなというのが、いまの俺の最大の目的である。
「そ、そうですか・・・で、私はあなたの楽しみのためになぶられたと?」
「ああ、そうさ。でも、最高だったろ、俺が死や血を望む性格でないことは、その身で感じたろ?」
「次の狙いは魔法使いですか?」
「ん? よくわかったな」
「勇者を狙わず、まず私を襲ったというのは。そういうことでしょう?」
「一番最初に襲われて、不満か?」
「いえ、確かに私は一番弱いですから、狙われたのは当然。でも、次の魔法使いの彼女は強敵ですよ」
「その忠告、真摯に受け止めておくよ。とにかく、ここでおとなしく待っていてくれ。じゃあな」
俺は無数の足である触手で再び天井を這って、その部屋から去った。
たぶん、賢者の少女は本当にしばらくおとなしくしているだろう。
勇者と合流して、俺の情報を伝える可能性もあったが、そういうことをしそうな感じはなかった。
さて、次の獲物はと。
天井を蜘蛛のごとく素早く這い、勇者一行を追いかける。ちょうど追いついたとき、魔法使いが後ろを振り返ろうとしていたので、さっと触手で吊り上げ、口をふさぐ。呪文を詠唱させないように触手を口内に。遠目で見たが、魔物を倒すとき、彼女が何か叫んでいるのを見ていた。だから、真っ先に口を塞いだ。さらに、無数の触手で手にしていた魔法の杖を取り上げる。
「うっ、ぅぅぅ、うっ、ひっ・・・」
魔法の詠唱ができない魔法使いは、無力だった。彼女は風魔法で、敵を一瞬で切り刻むのを得意としていたが、無詠唱では魔法は使えなかった。だから、なにもできず、ただ口に押し込まれた触手から滲み出す粘液を一方的に飲まされるだけだった。歯を立てて、何とか触手を噛み千切ろうと頑張ったりもしたが、だんだん頭がクラクラしてきて、噛む力もなくなって来る。
「く、この、うぶ、ぅ、ぅぅ・・・」
何とか触手を吐きだそうと奮戦するが、上で抵抗するなら下からと、俺は触手を彼女の肛門に潜り込ませようとした。賢者とは逆で、下の肛門から突っ込んで、上の口から出してやろうというわけだ。
俺の触手の意図に気づいてもがくが、無駄な抵抗で、触手を肛門から直腸、大腸,小腸へと登らせた。
口に突っ込んでいた触手を引き抜くと、代わりに口の奥から触手がぬるっと出てきた。
自分の口から出てきた触手を見て、絶望するように抵抗をやめた。だが、内臓を傷つけないように遡った触手が、体内でうねうね動くと、我慢できなくなったのか、ビクンビクンと陸に打ち上げられた魚のように跳ねた。
苦痛とは真逆の快感が全身を突き抜け、魔法使いの抵抗の意思は完全に消失した。
よく頑張ったとは思うが、俺の強敵ではなかった。魔法使いには相性が悪かったのかもしれない。いきなり口を塞がれるというのは、今まで食らったことがないのだろう。
俺の方が一枚上手だったということだ。






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