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忍の目的
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私と時読みが知り合いで、私が彼女を頼ると見込んで、盗賊をこの近くに連れて来て、彼女を頼る私への嫌がらせがにしたかったのだろうか。
だが、そんなことをしたら、本気の二人の魔女を相手にするとは思わなかったのか。
なんにしても、これが灰色の仕業なら、普通の人たちと穏便に暮らしている時読みの怒りに触れると考えたら愚策だと感じる。彼女の屋敷に槍使いのメイドと一緒に戻ると、やはり、彼女は不機嫌そうな顔をして私を出迎えた。
「盗賊と一緒にいたとかいう怪しい魔法使いを取り逃がしたようね」
先の見通せる時読みが口惜しそうに言った。言われた私自身も逃したことを悔やんでいたから苦笑を返した。
「わざとじゃないわ。向こうの方が、カンが良かったみたい。それぐらい、分かってるでしょ」
「そいつ、灰色が化けてたと思う?」
「さぁ? 使っていた幻惑魔法は稚拙だったから、灰色本人が出張って来たとは思えないわね。王都の騒ぎもそうだけど、この王国の治安を悪くさせようと頑張っている誰かがいて、それに灰色が絡んでいて灰色以外にも大物の敵がいると考えた方が筋が通っているかもね」
何となく、灰色単独ではなく、組織的な集団が動いているように私は感じていた。王族や盗賊を使ったり、なんとなく回りくどく、私への嫌がらせだけではないように思える。
「おい、その魔法使いだけど、正体が分かったぜ」
ドロンと急に佐助が現れた。
「あら、今の盗み聞きしてたの?」
「いや、調べてちょうど戻ってきたら、その話が耳に入ったからさ」
忍者は地獄耳であり、それを悪びれずに笑っていた。
「ああ、なんか気になることがあるとか言って、あんたここに帰る途中で別れたわね。で、本当に何か掴んだの?」
「俺の国じゃ、森で人を化かすのは狐か狸さ。で、あの盗賊のねぐらを調べてみたら、案の定、この獣の毛を見つけた。たぶん、これは狐だ」
そう言いながら一摘みの獣の毛を私たちに見せた。
「よく分かったわね」
「まぁ、大陸のこっちにまで流れてきた忍者は、ほとんど、九尾の狐って言う大妖怪を探しててね。そいつは絶世の美女に化けて、俺たちの国で将軍様をたぶらかした傾国の美女ってやつで、しかも部下の狐たちを使い国中に戦乱を巻き起こして、流派を問わずすべての忍総出でキツネ狩りをして、なんとか九尾の狐たちを国から追い出したんだが、仕留めきれなかったから、俺たち忍の一部が、こうして海を渡って追って来てるんだ。九尾の首を今の将軍様に献上すれば、かなりの見返りが期待できるからな」
「つまり、元々あんたは、その九尾の狐ってのを追ってこの国に流れ着いたってこと?」
「ああ、そうさ。でも、大陸は広くて、ほとんど諦めかけて生活費のために冒険者をやってたら、あんたに拾われたってわけだ」
「あの、くノ一もそうなの?」
「ああ、同じ身の上だろう。向こうは王妃に拾われた、で、その九尾を狩ったら、俺たち忍は生まれた国に引き上げるぜ。米の飯が食いたいからな」
こちらの主食はパンであり、白米やみそ汁を、佐助はもう何年も口にしていなかった。故郷の田んぼの光景が恋しい。
「そのあんたの国から来た狐たちは人をたぶらかすのが得意で、その一匹が、盗賊を操っていたと?」
「たぶんな。狐ってやつは、人を騙すのが大得意なのさ。その結果、多くの人間が死んでも、所詮、獣だ。義理も人情も、良心も後悔もない。きっとキツネたちの頭の九尾はこの国に大混乱を起こしてこの国に付け入ろうってことを考えているんじゃないか」
「まさか、この国の乗っ取り?」
「そういうことを面白そうだからって考えるのが九尾ってバケモンよ」
「たとえば、王妃を亡き者にしてその座に居座るとか?」
「それも、あり得るな」
佐助の返答に私は顔をしかめた。
「だとしたら、普通の人々と平和に暮らしたい私のような魔女は、そいつらにとっては目障りでしょうね」
そこに急にポンとくノ一が現れた。
「失礼、急用を思い出したので、お暇をいただきたい」
私はくノ一の急用を察した。
「ああ、どうぞ、本来の主の元へ急いで帰りなさい」
「では、失礼」
ここに来るまで苦楽を共にしてきたが、くノ一は、その言葉であっさり私の前から去った。行く先は王都の王妃の元だろう。
「ねぇ、あの子だけで、対応できると思う?」
「大丈夫だろ、あれでも立派な忍だぜ」
「で、私も、落とし前としてそのキツネ狩りがしたいんだけど、手伝ってくれる?」
「もちろん、狩った親玉の九尾の首を俺にくれたら、なお、ありがたいが」
「獣の首なんて興味ないわ。やられたらやり返す。それが魔女、それができたら首なんていらないわ」
そう、大事なのは、やられっぱなしではいけないということだ。
彼は、師匠の後をついて回っているが、自分がまったく師匠の役に立っていないことに落ち込んでいた。
弟子になったばかりで、未熟だからと言って、役に立たなすぎだと自覚していた。
弟くんは、そんな感じで自分に与えられた部屋で自己嫌悪に落ちていた。
弟子とは言っても、師匠の後をついて行くだけのお荷物だ。助けてもらった恩を少しも返していない。女装の似合う男の子がそばにいるだけで、充分私への恩返しになっているのだが、彼は男らしく私にしっかりと何か返したいようだったが、彼がそんなことを気にしていると私は察せずに、代わりに偽のお姉さんが心配して彼の部屋を訪れていた。
「ちょっと薬作りを手伝ってほしいんだけど」
私は優秀なお姉さんに、その頃、媚薬づくりなどを全面的に任せていた。媚薬香として王都にばらまいた彼女の媚薬は、私から見ると、粗悪品だったが、私のレベルに達していないというだけで、腕は悪くない。今は私のレシピで良質な媚薬を量産中だった。
ひょいと部屋を覗き、何か暗そうな顔をしている弟くんと目が合った。
「なに、どうしたの?」
「いや、その、僕、全然師匠の役に立ってないなと・・・」
「ああ、そういうこと、しょうがないじゃない、あなた、魔女の弟子になって、まだ一年未満なんでしょ。私が灰色の魔女の弟子になって、今のレベルになるまで、何年苦労したと思ってるの? まだまだあなたはド素人。魔女の役に立とうだなんて、図々しいわよ」
お姉さんはやさしく笑いながら彼に近付き、そっと抱きしめた。
彼女の豊満な肉体が密着して、弟くんを刺激する。いい臭いもした。
「え、ちょっ・・・」
「いいのよ、なにか不安があるならその不安、お姉さんが解消してあげる。本当に血のつながった姉弟ならダメでしょうけどね、いいことして、すっきりしたら元気になるわよ」
彼はハッとして、お姉さんを突き飛ばすように離れて、慌てて部屋を飛び出した。
媚薬だった。媚薬の混ざった香水を、彼女は身体にたっぷりと吹き掛けていたのだが、その効果から逃げるため、弟くんは咄嗟に部屋を飛び出し、屋敷の中庭まで逃げていた。
「ふ~・・・」
思わず、大きく外の空気を吸う。
あの狭い部屋の中で二人きりでいたら、媚薬入りの香水の香りでどうなっていたか、分からない。
媚薬を嗅がせて、励めますために弟くんと行けないお遊びをするつもりだった。
私が、彼を気にいっているように、偽姉も弟くんをかなり気にいっていた。
だから、落ち込んでいると感じた彼を元気づける為もあって、わざと媚薬入りの香水を嗅がせようとしたのだが、弟くんに逃げられてしまったお姉さんは、媚薬を使ったのに自分には魅力がないのかと彼の去った部屋で落ち込んでいた。
弟くんに興味を持たれないほど、自分に色気が足りないのかと偽姉は思った。とりあえず、弟くんを追いかけようと部屋を出たとき、九尾のことを考えていた佐助とばったり会った。
彼は長年追っていた九尾への手掛かりが見つかり、そのことで頭が一杯で、ちょっとだけぼーっとしていた。
その次の瞬間には、偽姉は佐助の腕を掴んでぐいと、手近な部屋に連れ込んでいた。幸い、時読みの屋敷はとても広くそこは誰も使っていない空き部屋だった。
そして、弟くんを落とせなかった憂さ晴らしとして、彼女は佐助に抱きつき、自分の香水をたっぷりと嗅がせた。
彼も、やばいとすぐに気づいたが、弟くんほどはっきり抵抗できず、媚薬の効果のままに彼は彼女の肉体をむさぼった。しばらく、その部屋から嬌声が漏れ、ロリビッチで慣れている屋敷の使用人たちは、それを一切邪魔しなかった。
陽が沈み、夕飯時に、精を出し切って憔悴した佐助と、すっきりした顔をしたお姉さんがその部屋から出てきた。
一方、媚薬を逃れた弟くんは、そこで待っていたかのような時読みと会っていた。
「あ、あの・・・」
「なかなかいい精神力ね。あれの役に立ちたいみたいだけでど、大丈夫よ、あなたにも出番はくるわ」
すべてを見透かすように時読みは笑っていた。
「今のままでいなさい。無理に強くなろうとしなくても、いいわよ。今のまま、媚薬の誘惑に負けない精神力が大事」
「は、はぁ・・・」
「ま、そんなに気になるなら、薬作り以外の魔女の秘術を多少は私が教えてあげるから、この屋敷にいる間は、単純に己を鍛えることだけに集中しなさい」
「は、はい、お願いします」
そうして彼は、時読みの魔女とも縁を持つことになった。
だが、そんなことをしたら、本気の二人の魔女を相手にするとは思わなかったのか。
なんにしても、これが灰色の仕業なら、普通の人たちと穏便に暮らしている時読みの怒りに触れると考えたら愚策だと感じる。彼女の屋敷に槍使いのメイドと一緒に戻ると、やはり、彼女は不機嫌そうな顔をして私を出迎えた。
「盗賊と一緒にいたとかいう怪しい魔法使いを取り逃がしたようね」
先の見通せる時読みが口惜しそうに言った。言われた私自身も逃したことを悔やんでいたから苦笑を返した。
「わざとじゃないわ。向こうの方が、カンが良かったみたい。それぐらい、分かってるでしょ」
「そいつ、灰色が化けてたと思う?」
「さぁ? 使っていた幻惑魔法は稚拙だったから、灰色本人が出張って来たとは思えないわね。王都の騒ぎもそうだけど、この王国の治安を悪くさせようと頑張っている誰かがいて、それに灰色が絡んでいて灰色以外にも大物の敵がいると考えた方が筋が通っているかもね」
何となく、灰色単独ではなく、組織的な集団が動いているように私は感じていた。王族や盗賊を使ったり、なんとなく回りくどく、私への嫌がらせだけではないように思える。
「おい、その魔法使いだけど、正体が分かったぜ」
ドロンと急に佐助が現れた。
「あら、今の盗み聞きしてたの?」
「いや、調べてちょうど戻ってきたら、その話が耳に入ったからさ」
忍者は地獄耳であり、それを悪びれずに笑っていた。
「ああ、なんか気になることがあるとか言って、あんたここに帰る途中で別れたわね。で、本当に何か掴んだの?」
「俺の国じゃ、森で人を化かすのは狐か狸さ。で、あの盗賊のねぐらを調べてみたら、案の定、この獣の毛を見つけた。たぶん、これは狐だ」
そう言いながら一摘みの獣の毛を私たちに見せた。
「よく分かったわね」
「まぁ、大陸のこっちにまで流れてきた忍者は、ほとんど、九尾の狐って言う大妖怪を探しててね。そいつは絶世の美女に化けて、俺たちの国で将軍様をたぶらかした傾国の美女ってやつで、しかも部下の狐たちを使い国中に戦乱を巻き起こして、流派を問わずすべての忍総出でキツネ狩りをして、なんとか九尾の狐たちを国から追い出したんだが、仕留めきれなかったから、俺たち忍の一部が、こうして海を渡って追って来てるんだ。九尾の首を今の将軍様に献上すれば、かなりの見返りが期待できるからな」
「つまり、元々あんたは、その九尾の狐ってのを追ってこの国に流れ着いたってこと?」
「ああ、そうさ。でも、大陸は広くて、ほとんど諦めかけて生活費のために冒険者をやってたら、あんたに拾われたってわけだ」
「あの、くノ一もそうなの?」
「ああ、同じ身の上だろう。向こうは王妃に拾われた、で、その九尾を狩ったら、俺たち忍は生まれた国に引き上げるぜ。米の飯が食いたいからな」
こちらの主食はパンであり、白米やみそ汁を、佐助はもう何年も口にしていなかった。故郷の田んぼの光景が恋しい。
「そのあんたの国から来た狐たちは人をたぶらかすのが得意で、その一匹が、盗賊を操っていたと?」
「たぶんな。狐ってやつは、人を騙すのが大得意なのさ。その結果、多くの人間が死んでも、所詮、獣だ。義理も人情も、良心も後悔もない。きっとキツネたちの頭の九尾はこの国に大混乱を起こしてこの国に付け入ろうってことを考えているんじゃないか」
「まさか、この国の乗っ取り?」
「そういうことを面白そうだからって考えるのが九尾ってバケモンよ」
「たとえば、王妃を亡き者にしてその座に居座るとか?」
「それも、あり得るな」
佐助の返答に私は顔をしかめた。
「だとしたら、普通の人々と平和に暮らしたい私のような魔女は、そいつらにとっては目障りでしょうね」
そこに急にポンとくノ一が現れた。
「失礼、急用を思い出したので、お暇をいただきたい」
私はくノ一の急用を察した。
「ああ、どうぞ、本来の主の元へ急いで帰りなさい」
「では、失礼」
ここに来るまで苦楽を共にしてきたが、くノ一は、その言葉であっさり私の前から去った。行く先は王都の王妃の元だろう。
「ねぇ、あの子だけで、対応できると思う?」
「大丈夫だろ、あれでも立派な忍だぜ」
「で、私も、落とし前としてそのキツネ狩りがしたいんだけど、手伝ってくれる?」
「もちろん、狩った親玉の九尾の首を俺にくれたら、なお、ありがたいが」
「獣の首なんて興味ないわ。やられたらやり返す。それが魔女、それができたら首なんていらないわ」
そう、大事なのは、やられっぱなしではいけないということだ。
彼は、師匠の後をついて回っているが、自分がまったく師匠の役に立っていないことに落ち込んでいた。
弟子になったばかりで、未熟だからと言って、役に立たなすぎだと自覚していた。
弟くんは、そんな感じで自分に与えられた部屋で自己嫌悪に落ちていた。
弟子とは言っても、師匠の後をついて行くだけのお荷物だ。助けてもらった恩を少しも返していない。女装の似合う男の子がそばにいるだけで、充分私への恩返しになっているのだが、彼は男らしく私にしっかりと何か返したいようだったが、彼がそんなことを気にしていると私は察せずに、代わりに偽のお姉さんが心配して彼の部屋を訪れていた。
「ちょっと薬作りを手伝ってほしいんだけど」
私は優秀なお姉さんに、その頃、媚薬づくりなどを全面的に任せていた。媚薬香として王都にばらまいた彼女の媚薬は、私から見ると、粗悪品だったが、私のレベルに達していないというだけで、腕は悪くない。今は私のレシピで良質な媚薬を量産中だった。
ひょいと部屋を覗き、何か暗そうな顔をしている弟くんと目が合った。
「なに、どうしたの?」
「いや、その、僕、全然師匠の役に立ってないなと・・・」
「ああ、そういうこと、しょうがないじゃない、あなた、魔女の弟子になって、まだ一年未満なんでしょ。私が灰色の魔女の弟子になって、今のレベルになるまで、何年苦労したと思ってるの? まだまだあなたはド素人。魔女の役に立とうだなんて、図々しいわよ」
お姉さんはやさしく笑いながら彼に近付き、そっと抱きしめた。
彼女の豊満な肉体が密着して、弟くんを刺激する。いい臭いもした。
「え、ちょっ・・・」
「いいのよ、なにか不安があるならその不安、お姉さんが解消してあげる。本当に血のつながった姉弟ならダメでしょうけどね、いいことして、すっきりしたら元気になるわよ」
彼はハッとして、お姉さんを突き飛ばすように離れて、慌てて部屋を飛び出した。
媚薬だった。媚薬の混ざった香水を、彼女は身体にたっぷりと吹き掛けていたのだが、その効果から逃げるため、弟くんは咄嗟に部屋を飛び出し、屋敷の中庭まで逃げていた。
「ふ~・・・」
思わず、大きく外の空気を吸う。
あの狭い部屋の中で二人きりでいたら、媚薬入りの香水の香りでどうなっていたか、分からない。
媚薬を嗅がせて、励めますために弟くんと行けないお遊びをするつもりだった。
私が、彼を気にいっているように、偽姉も弟くんをかなり気にいっていた。
だから、落ち込んでいると感じた彼を元気づける為もあって、わざと媚薬入りの香水を嗅がせようとしたのだが、弟くんに逃げられてしまったお姉さんは、媚薬を使ったのに自分には魅力がないのかと彼の去った部屋で落ち込んでいた。
弟くんに興味を持たれないほど、自分に色気が足りないのかと偽姉は思った。とりあえず、弟くんを追いかけようと部屋を出たとき、九尾のことを考えていた佐助とばったり会った。
彼は長年追っていた九尾への手掛かりが見つかり、そのことで頭が一杯で、ちょっとだけぼーっとしていた。
その次の瞬間には、偽姉は佐助の腕を掴んでぐいと、手近な部屋に連れ込んでいた。幸い、時読みの屋敷はとても広くそこは誰も使っていない空き部屋だった。
そして、弟くんを落とせなかった憂さ晴らしとして、彼女は佐助に抱きつき、自分の香水をたっぷりと嗅がせた。
彼も、やばいとすぐに気づいたが、弟くんほどはっきり抵抗できず、媚薬の効果のままに彼は彼女の肉体をむさぼった。しばらく、その部屋から嬌声が漏れ、ロリビッチで慣れている屋敷の使用人たちは、それを一切邪魔しなかった。
陽が沈み、夕飯時に、精を出し切って憔悴した佐助と、すっきりした顔をしたお姉さんがその部屋から出てきた。
一方、媚薬を逃れた弟くんは、そこで待っていたかのような時読みと会っていた。
「あ、あの・・・」
「なかなかいい精神力ね。あれの役に立ちたいみたいだけでど、大丈夫よ、あなたにも出番はくるわ」
すべてを見透かすように時読みは笑っていた。
「今のままでいなさい。無理に強くなろうとしなくても、いいわよ。今のまま、媚薬の誘惑に負けない精神力が大事」
「は、はぁ・・・」
「ま、そんなに気になるなら、薬作り以外の魔女の秘術を多少は私が教えてあげるから、この屋敷にいる間は、単純に己を鍛えることだけに集中しなさい」
「は、はい、お願いします」
そうして彼は、時読みの魔女とも縁を持つことになった。
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