めがさめたら、田舎にいた。

あそびあいて④

全身ずぶ濡れの私は
着替えに家に戻った。


というかあの河原はお婆ちゃん家のすぐそばだった。
（家から行けばあんなに歩かなくてすんだのに…）


水浸しのサンダルを脱ぎ、家に入る。
お婆ちゃんは食堂に行っており、いなかった。




（あっそうだ…）


冷蔵庫の中に昼食のおにぎりがあるのだ。
それとついでに、朝食の残りのアレも持って、
川に再び戻った。





✴　✴　✴



「わぁ～～～きゅうりの漬物、
僕食べていいんですか～～～？」


「はい。お婆ちゃんのお手製です！」


蛙さんは案の上、
嬉しそうにきゅうりをもきゅもきゅと頬張りだす。



（可愛らしい…！
ぬめぬめしていなかったら抱きしめていた…！）



「ほらほら、見てください
蛙さんはちゃーんと伝説通りきゅうり食べてますよ！
稲荷様も油揚げ食べれるようにならないと」


「嫌いなのではない。
　百年も同じもの供えられたら飽きるだろ。」








木陰の下、３人で昼食をとった。


狐の神と川の神……
神様にサンドイッチされてご飯を食べるのは生まれて初めてだ。


お婆ちゃんのおにぎりの具は
梅干し、それと唐揚げだったので
あの怠惰狐とじゃんけんをした。負けた。


けど稲荷様は「暑い中ご苦労だったしな、」と言って唐揚げをくれた。


感動してると「川魚はとれんかったが。」と言われた。

（一言余計な狐だな…）





まぁ楽しかったから、いっか。