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 息も絶え絶えで、されるがままだった。
 ローランは手加減なんて言葉を知らないかのように、快楽で震える私に追い打ちをかけてきた。
 アナの上にある小さく主張する芽を容赦なく口で扱かれた。
 何度謝っても許されなくて、何度首を振っても快楽は逃げなくて、何度嫌と叫んでも止めてもらえなくて。
 やっとローランの責め苦が終わった頃にはもう全身から力が抜けて四肢を放り出しながら、絵の描かれてる天井を見つめていた。

「まんこから本気汁溢れさせてベッド汚して。買い換えなくちゃならないだろうな。このベッド、すごい高いのに。ララの本気汁染み付いたせいで」
「う、ぁ……ごめ、なしゃ……」
「俺の顔もララの潮とまん汁でベトベト。別にいいけど」
「ぁ、うゔ……」

 私が悪いように言われて反射的に謝る。
 ごめんなさい、ごめんなさい。もうやだ。気持ちいいのはもう無理。
 ローランは私の謝罪を笑顔で頷いて受け止めて、ポロポロと涙を流す私の身体をひっくり返したカエルのような体勢にさせた。

「今から俺のちんぽがララのまんこに入るよ」

 そう言って私の股の間を陣取って笑うローランにはあまり余裕がないように思う。
 いつのまにかローランは全裸で、股の間をぺちぺちとなにかが叩く。そのなにかは火傷しそうなくらい熱くて、ローランによって舐め尽くされて真っ赤に充血した場所を何度も往復してる。
 くちゅ、ぬちゅ、と響く音に血の気が引いた。

「え、あ……?」

 まさか。でも、まさか。
 だって、熱い鉄の杭のようなものだ。こんなものが、私の想像するようなものと同じなわけがない。
 怖くて下を見れない。確認できない。だって、中心を往復するソレはどう考えても太過ぎて、長過ぎて。こんなもの、凶器でしかない。
 ローランは恐怖でガクガクと震える私の頭を優しく撫でながら、秘部へと熱い塊を押し付ける。
 逃げ出したいのに身体は全然力が入らなくて、ぐぐっと押し込まれるそれを首を振って拒否しながらも、身体は受け入れるしかない。

「っ、こんだけ濡れてんのにキツすぎ……っ!」
「ゃ、あ……」
「ララ、一気に行くから」
「──────!」

 言葉にならない悲鳴が私の喉を震わせた。
 ローランは宣言通り、一気に私のナカに挿入ってくる。痛みは一瞬。思ったほどの痛みは襲ってこなくて、それどころか快楽に忠実になった身体は異物感と小さな痛みの中、確実に快楽を拾う。

「っ、軽くイッたな」
「ゔ、ぁ……、なん、でぇ……?」
「は、ぁっ……、ララ、あんまり締め付け過ぎると出るから」

 そんなことを言われても困る。
 身体をコントロールできないから、私は今ここにいる。快楽に流されない私の身体だったら、こんなところにはいないはずなのに。もっとしっかりしていれば、ハーレムから逃げて自由に人生を謳歌できたはずなのに。
 どうしてこんなことになってるんだろう。どうしてローランはこんなことをしてるんだろう。

 私はローランにとって替えの効くハーレムの女。
 ローランの手の中には選り取り見取りの女たちが、ローランのお手つきは今か今かと待っているのだから。

「ふ、うっ、ひっく……」
「その涙は俺とセックスできて最高幸せって涙じゃないな」
「も、やめてよぉ、ろーりゃん……」

 動かずに、私の涙を指で拭い取るローランに対して懇願をする。何度もしては何度も却下された懇願を。
 もう私はボロボロだ。身体には快楽を刻まれて、きっともうこの快楽を忘れられない。きっといつまでだって私を蝕むのだろう。
 それでいいじゃないか。もうそれで私をハーレムの外に捨て置いてくれて。
 ハーレム男は無理なのだから。

「ララ」

 ローランが私の名前を呼んで、優しく私の唇に口付ける。
 蕩けそうな甘い声。聴く人が聴けば、きっとなんでも許してもらえると思うそんな極上の声だった。

「ろー、りゃ、んン゛ッ!?」

 けど、許してはもらえなかった。

「まだ、そんなこと言ってるんじゃ、その涙、快楽に変えてあげる……ッ!」

 ローランは私の両手首を鷲掴みにする。そして私の身体を少し浮かせながら、激しく腰を振り始めた。私の両手首を取手にするようにローランの腰が引いて、抉るように打ち込まれる。お腹の奥が壊れるんじゃないかってくらいの衝撃。優しさなんて一つもない、ただ私を壊そうとするような狂気を感じた。
 それなのに私の身体は勝手に気持ち良くなってる。気持ち良くなんてなりたくないのに。

「ひっ、ん゛ぃっ、や゛~~~~~~~~~ッ!」
「はっ、あいしてるよ、ララッ」
「やらやらやらあああッ!」

 聞きたくない。わずかに残る理性がローランの手慰みのような愛の言葉を拒否する。

「ララ、ほら、口開けて」
「んっ! むい、むりぃっ……」

 ローランが腰を丸めて私の唇を舐めた。キスするつもりだとわかって、口を真一文字に結んで閉ざす。
 だって、こんなに気持ちいいのにその上キスなんて絶対無理だ。私が死んでしまう。
 揺すられながらもローランの唇から逃げるように顔を背ける。何度も何度もそれを繰り返して逃げていたら、低い声が上から降ってきた。

「口を、開きなさい」

 顔をローランの両手で押さえつけられて、泣く泣く口を開く。すぐにローランの舌が私の口内を這いずり回った。
 息が出来なくて、でも気持ち良くて、生理的な涙が溢れる。ローランは舌で口内だけじゃなくて私の顔中を犬みたいに舐め回して、私の涙や汗までその舌で舐めとった。
 キスしてる間はゆったりとした時間が流れていて、ローランの腰もゆっくりと、けれど確実に私のいいところを狙って動く。それでも、さっきみたいにガンガン突かれて頭と身体がバラバラになるような感覚よりはよっぽどよかった。

「ふっ、んっ……ちゅ、ぁ……ろー、りゃん……」
「ララ、……くっ、キスするとまたキツ……ッ!」
「は、んンッ、ぁ゛ッ、ふ、ぁあんっ!」

 頭の中がとろんとして、ぼーっとしてくる。
 キスが終わるとローランは私を抱き締めて、また腰を振り始めた。ぐちゅぐちゅ、パンパン肌と肌の打ち合う音と粘膜が擦れる音が私の耳を犯す。
 もう痛みは全くなかった。バラバラになりそうな感覚もなかった。甘い快感が私を支配する。

「は、ララ、ナカに出すから……ッ」
「ひゃ、ぅ、ンッ、にゃか、にゃ……? ふぁ、ひぃうっ!」

 ローランが耳元でなにか囁くけど理解はできない。それよりも耳元にかかった吐息にゾクゾクッと身体が震える。
 気持ちいいが頭の中を踊って、自然と手足がローランの身体にしがみついた。

「っ、ララッ、ララッ、ララッッ!」
「んぁ、あっあっあっ、んきゃう……!」
「は、ぁ、イくッ、ララの一番奥に全部出すから……ッ!」
「ん゛ッ、ぁ~~~~~~~~ッ!!」

 ぶるりとローランが震えてお腹の奥のものがひときわ大きくなったと思ったら、火傷しそうなくらい熱いものがビュルビュルッと私のお腹を満たしていく。
 熱い、熱い、熱い。ビクビクと身体は痙攣して、それを発散させるようにローランの肩に回した手の爪を立てた。

「は、あぁ……」

 ローランの気持ち良さそうな吐息。しばらくすると、ローランが脱力した私の唇を奪う。
 ちゅ、ちゅっ、と問答無用で息を止めるほどの口付けをされて、私はどんどん馬鹿になっていく。

「もっとしよっか」
「ん……」

 だから、私はなにも考えずに酩酊としたままローランの言葉に返事をしてしまった。
 散々快楽に流された私は言葉の意味さえわかっていなかったのに。
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