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09 おねえちゃん 01
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あれ、って思った。
いつも終わった後は御岳くんが隣にいて、疲れた私に気遣うように優しく頭を撫でながらおはようって言ってくれる。
「みたけくん……?」
声を出して、御岳くんの名前を呼んでみて驚いた。まるでおばあちゃんみたいなガラガラ声。
そういえばじんわりと喉は痛む。
不思議に思いながら、辺りを見渡す。いつもと同じ、御岳くんの寝室と変わらない間取り。だけどどこかおかしい。
だけどそれがなんなのかわからなくて、涙が滲んでくる。
「あら、依ちゃん起きた?」
「……せんせ?」
「無理して話さなくてもいいわ。喉痛いでしょ? はい、お水」
みたけくん、とまた名前を呟くと、何故か保健室の先生が来た。
なんで? そう思ったけど、目の前に水を置かれて、そういえば喉が乾いたなと思ってそれで喉を潤す。
落ち着いてくると、ぼんやりとなにをされたのか思い出してきた。
「ど、しよ、あかちゃん、せんせ、あかちゃんできちゃうっ!」
そうだ、そうだ。御岳くんが、いつもはしてくれる避妊をしてくれなかった。
このままじゃ赤ちゃんができちゃう。
違うのに、そうじゃないのに、御岳くんにとって私はそういうのじゃないのに。御岳くんにとって、私はただのオモチャで女の一人なのに、めいわくかけちゃう。
「やだ、やだよおっ、」
「依ちゃん、大丈夫よ。ちょっと落ち着いて」
「こわいっ、やだっ、たすけて、まひろぉ……」
こわいの。やだ。
「依ちゃん、落ち着いて」
「せんせえ……」
「うんうん、よしよし。いい子ね。大丈夫よ」
「ふっ、うぇえぇんっ!」
先生が私を抱き締める。あったかい腕の中。ホッとする。
でも違う。いつもとは違う。
御岳くんがいい、御岳くんがいいっ。
それでもそれを言葉にしちゃいけないことは分かって、声を上げて子どもみたいに泣き叫ぶ。
喉が痛いのに、そんなの気にならないくらい悲しくて、苦しくて、頭が変になりそう。
先生の胸に顔を埋めて数時間。
やっと落ち着いてきた。
「せん、せ、ごめんなしゃ、」
「いいのよ~。悪いのは依ちゃんじゃなくてあいつだもの」
「……?」
あいつ?
「あー、真紘から聞いてなかったのね。あたし、真紘の姉なの」
「……おねえちゃん?」
「あんっ、かわいっ! そうそう。朝から真紘がアフターピルくれなんて言ってくるんだもん。びっくりしたわ」
あふたー、ぴる。
それに、朝?
外を見るともう夕陽が出てる。
あさ? あれ、今日って何日?
「わたし、わたし……えっと、えぇっと、」
「今日は23日よ。依ちゃんの家には一応あたしが電話しておいた。お兄さんが出たから大丈夫だとは思うけど。お泊まりの許可は貰ったから安心してね。依ちゃんはとにかく身体を休めなさい」
ぽんぽんと頭を撫でられて、そのままベッドに横にさせられる。
そういえば身体の節々が痛い気がする。
そっか、そうだよね。あんなに激しくされたら身体も痛くなるよね。
「みたけくんは……」
「あいつは反省中。依ちゃんは気にしないで寝なさい」
でも、会いたい。
それを言葉にできずに私は促されるまま眠りについた。
すぅすぅと可愛らしい寝息を立てる依ちゃんにきゅんきゅんする。頭を撫でるとその手に擦り寄ってくる依ちゃんには悶えた。
それにしても、とため息を吐く。
まさか真紘が自分の気持ちに気づいてないとは思わなかった。
最初は確かに気づかないのも仕方ないと思ってた。
だけどあたしが首を突っ込む話でもないし、放っておいた。そしたら依ちゃんと真紘はほぼ毎日一緒にいたし、真紘は会うたびに「依ちゃんかわいい」しか言わないし、休日には二人で出掛けてたりもしてたから、すっかり付き合ってるもんかと思った。
そしたら付き合ってないときた。しかも恋心の自覚がないときた。
確かに真紘は物心ついたときには父の狂愛とも呼べる愛を間近で見ていた。実の母が死んで、父に引き取られてからは義母に性的な虐待を受けていた。
それのせいである種の女嫌いになり、愛だの恋だのとは無縁の身体だけの生活を送ってきた。
でも、まさか真紘が恋愛感情すらわからないとは思ってなかった。
だって、あんなに「依ちゃんかわいい」「依ちゃんかわいくて死ぬ」「依ちゃんは俺のもの」などなど盛大に惚気てきた真紘だ。
最近はクリスマスが近いからか、「依ちゃんのプレゼントなにがいいかなー」とか言いながら有名ブランドのネックレスのカタログを見ていた。
それなのに。まさか自分の感情が分かっていなかったとは…….。
逆に依ちゃんはわかりづらい。
真紘のことを好きなのかわからなかった。
今日、初めて真紘に対する依ちゃんを見たけど、嫌いではないような感じだった。
だけど、どうなのだろう。
依ちゃんのそれはストックホルム症候群だと思う。被害者が加害者を好きになる心理。
依ちゃんが真紘の名前を呼ぶ姿を思い出す。
真紘に助けを呼んでたけど、それは真紘に調教されたから。
もしも依ちゃんが真紘のこと好きなら、それは素敵なことだと思う。
きっと依ちゃんといる限り真紘は幸せだろう。実際、真紘は依ちゃんといるときには仄暗い、危うい表情は見せなかった。
だけど、もしも依ちゃんの恋心がストックホルム症候群から来てるならそれは危うい。
真紘は父にそっくりだ。顔も、性格も。
それでも真紘は父の愛の重さに潰れた彼女を見ている。父とは違って自制は効くと思う。
依ちゃんの想いが本気なら、真紘と一緒になっても問題ない。
だけどそれが身体だけの、一時的な感情なら、悪いけど真紘には近付かないで欲しい。
確かにあたしは最低な姉だけど、真紘には幸せになってほしいのだ。
無理なく、周りから祝福されるような幸せを掴んでほしいのだ。
今でも憶えてる。
母に犯される小さな身体。あたしを見て、助けを求めるような瞳を向けて、だけどあたしはそれを無視した。
あたしが真紘を助けたのは数年後。真紘がある程度大きくなって、犯されるのではなく母を犯す立場になったとき。
まだ高校生のあたしには母の罪を暴露する勇気がなかった。
高校を出てすぐにあたしは家を出たから、あんなおぞましいことがあの家でずっと行われていることに気が付かなかった。
真紘だってもう身体も大きくなったんだから、母を拒否しているだろうと思い込んでいた。
あの日、母の罪が明らかになった日、真紘があたしたちに向ける表情は子どものする表情じゃなかった。
懺悔からあたしと父は真紘にあまり強くは出られない。あたしなんか上手い具合に真紘と付き合ってる自信があるけど、父は特に真紘に弱い。
依ちゃんはかわいくていい子だ。
だからこそ、その二人が不幸せになるような道を歩んで欲しくない。
それならさっさと依ちゃんには真紘から離れてもらわなければ。
依ちゃんを気に入ってるのは本当。
真紘が飽きれば貰おうと思ってたのも本当。
今までの女の子たちは真紘の後にあたしと関係を持ったことで真紘とは後腐れない関係になってくれてる。
だから依ちゃんも貰いたかったんだけど……。
ベッドでぐったりしてる依ちゃん。
顔色が悪すぎて本当に心配になる。
さすがのあたしもこの依ちゃんに女同士の快楽を植え付けようとは思えない。
とにかく真紘は父の経営してる学校に編入させよう。
依ちゃんと離さないといけない。
このまま真紘が暴走する前に。依ちゃんが真紘と接触する前に。
これは二人の幸せのためなのだ。
いつも終わった後は御岳くんが隣にいて、疲れた私に気遣うように優しく頭を撫でながらおはようって言ってくれる。
「みたけくん……?」
声を出して、御岳くんの名前を呼んでみて驚いた。まるでおばあちゃんみたいなガラガラ声。
そういえばじんわりと喉は痛む。
不思議に思いながら、辺りを見渡す。いつもと同じ、御岳くんの寝室と変わらない間取り。だけどどこかおかしい。
だけどそれがなんなのかわからなくて、涙が滲んでくる。
「あら、依ちゃん起きた?」
「……せんせ?」
「無理して話さなくてもいいわ。喉痛いでしょ? はい、お水」
みたけくん、とまた名前を呟くと、何故か保健室の先生が来た。
なんで? そう思ったけど、目の前に水を置かれて、そういえば喉が乾いたなと思ってそれで喉を潤す。
落ち着いてくると、ぼんやりとなにをされたのか思い出してきた。
「ど、しよ、あかちゃん、せんせ、あかちゃんできちゃうっ!」
そうだ、そうだ。御岳くんが、いつもはしてくれる避妊をしてくれなかった。
このままじゃ赤ちゃんができちゃう。
違うのに、そうじゃないのに、御岳くんにとって私はそういうのじゃないのに。御岳くんにとって、私はただのオモチャで女の一人なのに、めいわくかけちゃう。
「やだ、やだよおっ、」
「依ちゃん、大丈夫よ。ちょっと落ち着いて」
「こわいっ、やだっ、たすけて、まひろぉ……」
こわいの。やだ。
「依ちゃん、落ち着いて」
「せんせえ……」
「うんうん、よしよし。いい子ね。大丈夫よ」
「ふっ、うぇえぇんっ!」
先生が私を抱き締める。あったかい腕の中。ホッとする。
でも違う。いつもとは違う。
御岳くんがいい、御岳くんがいいっ。
それでもそれを言葉にしちゃいけないことは分かって、声を上げて子どもみたいに泣き叫ぶ。
喉が痛いのに、そんなの気にならないくらい悲しくて、苦しくて、頭が変になりそう。
先生の胸に顔を埋めて数時間。
やっと落ち着いてきた。
「せん、せ、ごめんなしゃ、」
「いいのよ~。悪いのは依ちゃんじゃなくてあいつだもの」
「……?」
あいつ?
「あー、真紘から聞いてなかったのね。あたし、真紘の姉なの」
「……おねえちゃん?」
「あんっ、かわいっ! そうそう。朝から真紘がアフターピルくれなんて言ってくるんだもん。びっくりしたわ」
あふたー、ぴる。
それに、朝?
外を見るともう夕陽が出てる。
あさ? あれ、今日って何日?
「わたし、わたし……えっと、えぇっと、」
「今日は23日よ。依ちゃんの家には一応あたしが電話しておいた。お兄さんが出たから大丈夫だとは思うけど。お泊まりの許可は貰ったから安心してね。依ちゃんはとにかく身体を休めなさい」
ぽんぽんと頭を撫でられて、そのままベッドに横にさせられる。
そういえば身体の節々が痛い気がする。
そっか、そうだよね。あんなに激しくされたら身体も痛くなるよね。
「みたけくんは……」
「あいつは反省中。依ちゃんは気にしないで寝なさい」
でも、会いたい。
それを言葉にできずに私は促されるまま眠りについた。
すぅすぅと可愛らしい寝息を立てる依ちゃんにきゅんきゅんする。頭を撫でるとその手に擦り寄ってくる依ちゃんには悶えた。
それにしても、とため息を吐く。
まさか真紘が自分の気持ちに気づいてないとは思わなかった。
最初は確かに気づかないのも仕方ないと思ってた。
だけどあたしが首を突っ込む話でもないし、放っておいた。そしたら依ちゃんと真紘はほぼ毎日一緒にいたし、真紘は会うたびに「依ちゃんかわいい」しか言わないし、休日には二人で出掛けてたりもしてたから、すっかり付き合ってるもんかと思った。
そしたら付き合ってないときた。しかも恋心の自覚がないときた。
確かに真紘は物心ついたときには父の狂愛とも呼べる愛を間近で見ていた。実の母が死んで、父に引き取られてからは義母に性的な虐待を受けていた。
それのせいである種の女嫌いになり、愛だの恋だのとは無縁の身体だけの生活を送ってきた。
でも、まさか真紘が恋愛感情すらわからないとは思ってなかった。
だって、あんなに「依ちゃんかわいい」「依ちゃんかわいくて死ぬ」「依ちゃんは俺のもの」などなど盛大に惚気てきた真紘だ。
最近はクリスマスが近いからか、「依ちゃんのプレゼントなにがいいかなー」とか言いながら有名ブランドのネックレスのカタログを見ていた。
それなのに。まさか自分の感情が分かっていなかったとは…….。
逆に依ちゃんはわかりづらい。
真紘のことを好きなのかわからなかった。
今日、初めて真紘に対する依ちゃんを見たけど、嫌いではないような感じだった。
だけど、どうなのだろう。
依ちゃんのそれはストックホルム症候群だと思う。被害者が加害者を好きになる心理。
依ちゃんが真紘の名前を呼ぶ姿を思い出す。
真紘に助けを呼んでたけど、それは真紘に調教されたから。
もしも依ちゃんが真紘のこと好きなら、それは素敵なことだと思う。
きっと依ちゃんといる限り真紘は幸せだろう。実際、真紘は依ちゃんといるときには仄暗い、危うい表情は見せなかった。
だけど、もしも依ちゃんの恋心がストックホルム症候群から来てるならそれは危うい。
真紘は父にそっくりだ。顔も、性格も。
それでも真紘は父の愛の重さに潰れた彼女を見ている。父とは違って自制は効くと思う。
依ちゃんの想いが本気なら、真紘と一緒になっても問題ない。
だけどそれが身体だけの、一時的な感情なら、悪いけど真紘には近付かないで欲しい。
確かにあたしは最低な姉だけど、真紘には幸せになってほしいのだ。
無理なく、周りから祝福されるような幸せを掴んでほしいのだ。
今でも憶えてる。
母に犯される小さな身体。あたしを見て、助けを求めるような瞳を向けて、だけどあたしはそれを無視した。
あたしが真紘を助けたのは数年後。真紘がある程度大きくなって、犯されるのではなく母を犯す立場になったとき。
まだ高校生のあたしには母の罪を暴露する勇気がなかった。
高校を出てすぐにあたしは家を出たから、あんなおぞましいことがあの家でずっと行われていることに気が付かなかった。
真紘だってもう身体も大きくなったんだから、母を拒否しているだろうと思い込んでいた。
あの日、母の罪が明らかになった日、真紘があたしたちに向ける表情は子どものする表情じゃなかった。
懺悔からあたしと父は真紘にあまり強くは出られない。あたしなんか上手い具合に真紘と付き合ってる自信があるけど、父は特に真紘に弱い。
依ちゃんはかわいくていい子だ。
だからこそ、その二人が不幸せになるような道を歩んで欲しくない。
それならさっさと依ちゃんには真紘から離れてもらわなければ。
依ちゃんを気に入ってるのは本当。
真紘が飽きれば貰おうと思ってたのも本当。
今までの女の子たちは真紘の後にあたしと関係を持ったことで真紘とは後腐れない関係になってくれてる。
だから依ちゃんも貰いたかったんだけど……。
ベッドでぐったりしてる依ちゃん。
顔色が悪すぎて本当に心配になる。
さすがのあたしもこの依ちゃんに女同士の快楽を植え付けようとは思えない。
とにかく真紘は父の経営してる学校に編入させよう。
依ちゃんと離さないといけない。
このまま真紘が暴走する前に。依ちゃんが真紘と接触する前に。
これは二人の幸せのためなのだ。
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