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「ベル、ベル? ……ルビリア?」
「は、はいっ!」
あ、声を出してしまった。
六龍様方がやってくる人々に「加護を与える」と言って、赤青緑黄白黒とそれぞれの光が丸い球となったものを授ける姿に見惚れてしまっていた。
だって、とても綺麗なんだもの。光球はどうなっているのかやってきた人々の身体に吸い込まれていって、なんだかとても幻想的で素敵。うっとりと惚けてしまう。
「どうした。なにかあったか?」
「えっと、その……」
あまり声を出しちゃまずいよね。
そう思ってカムイ様の耳元に唇を寄せようとすると、カムイ様が慌てた様子で仰け反った。
「ほ、ほっぺにキスはあとで……」
「……内緒話がしたかったのですが……」
「んむ。そ、そうか。してもらえるのかと思った……」
まだカムイ様の前にカムイ様の加護を授かろうと待ってる人がいるのに、ほっぺにちゅーなんてしないのだわ、さすがに。
しょんぼりとしているカムイ様に少しだけその通りキスしたい気持ちが湧くけど、人前でそんなことできない。
それに今待ってる人の次に待っているのは私がいた国の第一王子とその妻。つまり王太子と王太子妃になる。
そういえば私の誕生日パーティーには大事な式典が他国で行われるため欠席するとおっしゃっていった。
大事な式典ってこれのことだったんだ。
……あら、思い返すとエドガー様はアリーゼ様が未来の王妃だなんて言ってたけど、第二王子であるエドガー様の妻が王妃だなんてなれるわけないのでは?
少しそんなことを思ったけど、今はカムイ様の美しさに酔いしれる。
だって、カムイ様の美しさったら。とても幻想的。この方は人の姿をしていても人ではないのだと無理矢理にでも理解させられる美しさ。
「で、どうした?」
「ふふ、あの、カムイ様とってもかっこよくて綺麗で、素敵だなぁって……」
思っ、て……。
「ふはははは! 我は気分が良い! 皆に祝福を与える! これでしまいだ! 用意されたものを食すが良い!」
「きゃあぁあっ!」
白い光球が辺り一面に咲くように広がったと思うと、突然龍のお姿になったカムイ様の前脚にガッチリと掴まれて空へと昇る。地面がどんどん遠くなっていくのがしっかりとわかってしまう。こわい、こわすぎます!
その上せっかくのヴェールが落ちてしまった。これでは顔が丸見えになってしまう。どうしよう、どうしよう。そう考える間に、涙は溢れ始めて。溢れて落ちていく。
カムイ様は気分が高揚してしまっているのか、私を抱いたままぐるぐると空を回っていて、私の声なんて届きそうにない。
あ、あ、と口を開閉していると、同じく龍のお姿になった黒龍様がお空に昇ってきた。
「リュウセン」
「んむ? なんだおまえがそっちの姿とは珍しいの」
「女、死にそうだがいいのか?」
黒龍様がそうおっしゃったところで、カムイ様と目が合った。
「かむいしゃまぁ……」
噛んでしまった。
でもでも、寒いし、ドレスの中身も下にいる人に見られてると思うと恥ずかしくて情けないし、カムイ様と顔を見せない約束も破ってしまったし、どうしたらいいのだろう。
「る、る、るび、べ、べ、リュウケツッ! そなたどうして今まで止めなかった!」
「止めたら怒る。仕方ない」
「おのれ、リュウケツッ」
カムイ様がそっと屋根の上に降り立つ。屋根の上も怖いけど、人混みの中の方が怖いから仕方ない。……仕方ないんですの、これ?
人の姿になってくれたカムイ様に安心して寄りかかるけど、怖かった。本当に怖かった。
「すまぬ、すまぬな。ルビリア、怖い思いをさせてすまなかった」
「……ッ!」
大丈夫です、と言おうとして声が出なかった。そしてそのかわりだとでもいうように、涙がボロボロと溢れてきた。
「ああっ! 本当にすまなかった!」
「ご、ごめ、なさっ、すこし、おど、おどろいて……っ!」
泣きたいわけじゃないのに涙が止まらない。突然のことで相当私は驚いていたらしい。
それでもカムイ様が嫌なわけじゃない。
慣れていないだけで、慣れたらきっと楽しく思える。はず。
だって、だって。そうじゃないと嫌われてしまうかもしれない。カムイ様に嫌われてしまうなんてダメ、想像だけで死んでしまいそう。
言葉に、驚いただけだと、しっかり言葉にしなければ。
「っ、んっ、ぁ、お、おど、」
「ルビリア……っ、すまぬ、すまぬ、我を嫌わないでくれ……」
涙を流す私をカムイ様が抱き締める。痛いほどに私を抱き締める両腕は震えていて、どうしようもない震えが私を襲う。
この震えは恐ろしいとか、そういうことじゃない。はっきりとわかる。この震えは喜びだ。
この世界で一番強いこの人が私のような矮小な人間に嫌われることを恐れている。それがとてつもなく嬉しくて、私は打ち震えている。
「カムイさま……」
声が出た。でも、私はそのまま恐ろしかったことを言葉には出さずに、カムイ様の腕の中から顔を上げてつま先で立つ。つま先で立っても顔には届かないから、カムイ様の服を掴んで無理やり下を向かせて。
そしてそのままカムイ様に口付けた。
「すき……カムイさまをお嫌いになるなんてありえません……」
「ルビリア……」
驚いたように目を丸くするカムイ様にまたキスをする。
このキスが私の気持ちを伝えてくれるものだと願って、何度も何度もキスをする。
痛いほどに私を抱きしめていたカムイ様の力が緩んだから、両手でカムイ様の頬を包んで、好きの言葉とキスを繰り返す。
「……ルビリア、」
「んっ……なんですか?」
「我は、そなたに試されてるのか……?」
どうして、と首を傾げてお腹辺りに硬いものが当たってることに気が付いてしまった。
ギュッと一つになりそうなほどくっついているから余計に。
「あ、あの……」
「わかっておる。そなたは素直に気持ちを伝えてくれただけ。我が不純なのだ、我が。ルビリアの気持ちは痛いほど伝わった。我もそなたを愛している。この気持ちをそなたにぶつけてしまいたいと願うほど」
クッ、とカムイ様は悔しそうに唸る。
「何度我は我慢せねばならぬのか……。今我は猛烈に籠りたい」
「ご、ごめんなさい」
「いいや、興奮してしまった我が悪い。大事ない。すぐに元に戻るであろう」
カムイ様は大きなため息を落として、どうにか気分を落ち着けようとしている。
でも、あの、男性のことはよくわからないけど、私を抱きしめたままって意味がないんじゃ……? ぴったりくっついてるし、あとカムイ様の手がなんだか私のお尻を撫でてる気がする……?
「……リュウセン」
「なんだ、リュウケツ」
カムイ様の行動に恥ずかしく思いつつも触れてもらえることが嬉しくてそのままでいると、黒龍様がカムイ様に話しかける。
「番のヴェール取れてる。いいの?」
「……ダメだ」
「あと、その番を見て驚いてる人間たちがいるけどいいの?」
「……あとで話を聞かねばならぬ」
「帰らなくていいの?」
「我も帰って籠りたい」
私を隠すようにして腕の中で抱き締めながら、うんうんとカムイ様が頷く。
たぶん帰ってはいけないと思う。というか、そう。そうだ。
見られていたんだった……!
また周りを忘れてカムイ様に甘えてしまったことに後悔する。恥ずかしい。けれど、だけど、カムイ様は私のものだと見せつけられたことが嬉しいという気持ちもある。
ダメ、私。こんな醜い気持ち。ダメなのに。
ギュッとカムイ様の身体を抱き締める。カムイ様から「うっ」という呻き声が聞こえた。
「かわいすぎて我の我慢が効かなそうなんだが? 聖世祭など我がいなくともできるであろうに、何故我は番との生活を我慢せねばならぬのか……苦行か」
「リュウセンは偉い」
「んむ?」
「ぼくだったらすぐ帰る」
うんうんと頷く黒龍様。少し黒龍様は幼い感じがする。
カムイ様は黒龍様の言葉に少しだけ考えてそれから口を開く。
「帰ろう」
「いやいやいやいやいや、まてまてまてまて!」
カムイ様の決心に満ちた言葉を止めたのはいつのまにか来ていたリュウザン様だった。
「は、はいっ!」
あ、声を出してしまった。
六龍様方がやってくる人々に「加護を与える」と言って、赤青緑黄白黒とそれぞれの光が丸い球となったものを授ける姿に見惚れてしまっていた。
だって、とても綺麗なんだもの。光球はどうなっているのかやってきた人々の身体に吸い込まれていって、なんだかとても幻想的で素敵。うっとりと惚けてしまう。
「どうした。なにかあったか?」
「えっと、その……」
あまり声を出しちゃまずいよね。
そう思ってカムイ様の耳元に唇を寄せようとすると、カムイ様が慌てた様子で仰け反った。
「ほ、ほっぺにキスはあとで……」
「……内緒話がしたかったのですが……」
「んむ。そ、そうか。してもらえるのかと思った……」
まだカムイ様の前にカムイ様の加護を授かろうと待ってる人がいるのに、ほっぺにちゅーなんてしないのだわ、さすがに。
しょんぼりとしているカムイ様に少しだけその通りキスしたい気持ちが湧くけど、人前でそんなことできない。
それに今待ってる人の次に待っているのは私がいた国の第一王子とその妻。つまり王太子と王太子妃になる。
そういえば私の誕生日パーティーには大事な式典が他国で行われるため欠席するとおっしゃっていった。
大事な式典ってこれのことだったんだ。
……あら、思い返すとエドガー様はアリーゼ様が未来の王妃だなんて言ってたけど、第二王子であるエドガー様の妻が王妃だなんてなれるわけないのでは?
少しそんなことを思ったけど、今はカムイ様の美しさに酔いしれる。
だって、カムイ様の美しさったら。とても幻想的。この方は人の姿をしていても人ではないのだと無理矢理にでも理解させられる美しさ。
「で、どうした?」
「ふふ、あの、カムイ様とってもかっこよくて綺麗で、素敵だなぁって……」
思っ、て……。
「ふはははは! 我は気分が良い! 皆に祝福を与える! これでしまいだ! 用意されたものを食すが良い!」
「きゃあぁあっ!」
白い光球が辺り一面に咲くように広がったと思うと、突然龍のお姿になったカムイ様の前脚にガッチリと掴まれて空へと昇る。地面がどんどん遠くなっていくのがしっかりとわかってしまう。こわい、こわすぎます!
その上せっかくのヴェールが落ちてしまった。これでは顔が丸見えになってしまう。どうしよう、どうしよう。そう考える間に、涙は溢れ始めて。溢れて落ちていく。
カムイ様は気分が高揚してしまっているのか、私を抱いたままぐるぐると空を回っていて、私の声なんて届きそうにない。
あ、あ、と口を開閉していると、同じく龍のお姿になった黒龍様がお空に昇ってきた。
「リュウセン」
「んむ? なんだおまえがそっちの姿とは珍しいの」
「女、死にそうだがいいのか?」
黒龍様がそうおっしゃったところで、カムイ様と目が合った。
「かむいしゃまぁ……」
噛んでしまった。
でもでも、寒いし、ドレスの中身も下にいる人に見られてると思うと恥ずかしくて情けないし、カムイ様と顔を見せない約束も破ってしまったし、どうしたらいいのだろう。
「る、る、るび、べ、べ、リュウケツッ! そなたどうして今まで止めなかった!」
「止めたら怒る。仕方ない」
「おのれ、リュウケツッ」
カムイ様がそっと屋根の上に降り立つ。屋根の上も怖いけど、人混みの中の方が怖いから仕方ない。……仕方ないんですの、これ?
人の姿になってくれたカムイ様に安心して寄りかかるけど、怖かった。本当に怖かった。
「すまぬ、すまぬな。ルビリア、怖い思いをさせてすまなかった」
「……ッ!」
大丈夫です、と言おうとして声が出なかった。そしてそのかわりだとでもいうように、涙がボロボロと溢れてきた。
「ああっ! 本当にすまなかった!」
「ご、ごめ、なさっ、すこし、おど、おどろいて……っ!」
泣きたいわけじゃないのに涙が止まらない。突然のことで相当私は驚いていたらしい。
それでもカムイ様が嫌なわけじゃない。
慣れていないだけで、慣れたらきっと楽しく思える。はず。
だって、だって。そうじゃないと嫌われてしまうかもしれない。カムイ様に嫌われてしまうなんてダメ、想像だけで死んでしまいそう。
言葉に、驚いただけだと、しっかり言葉にしなければ。
「っ、んっ、ぁ、お、おど、」
「ルビリア……っ、すまぬ、すまぬ、我を嫌わないでくれ……」
涙を流す私をカムイ様が抱き締める。痛いほどに私を抱き締める両腕は震えていて、どうしようもない震えが私を襲う。
この震えは恐ろしいとか、そういうことじゃない。はっきりとわかる。この震えは喜びだ。
この世界で一番強いこの人が私のような矮小な人間に嫌われることを恐れている。それがとてつもなく嬉しくて、私は打ち震えている。
「カムイさま……」
声が出た。でも、私はそのまま恐ろしかったことを言葉には出さずに、カムイ様の腕の中から顔を上げてつま先で立つ。つま先で立っても顔には届かないから、カムイ様の服を掴んで無理やり下を向かせて。
そしてそのままカムイ様に口付けた。
「すき……カムイさまをお嫌いになるなんてありえません……」
「ルビリア……」
驚いたように目を丸くするカムイ様にまたキスをする。
このキスが私の気持ちを伝えてくれるものだと願って、何度も何度もキスをする。
痛いほどに私を抱きしめていたカムイ様の力が緩んだから、両手でカムイ様の頬を包んで、好きの言葉とキスを繰り返す。
「……ルビリア、」
「んっ……なんですか?」
「我は、そなたに試されてるのか……?」
どうして、と首を傾げてお腹辺りに硬いものが当たってることに気が付いてしまった。
ギュッと一つになりそうなほどくっついているから余計に。
「あ、あの……」
「わかっておる。そなたは素直に気持ちを伝えてくれただけ。我が不純なのだ、我が。ルビリアの気持ちは痛いほど伝わった。我もそなたを愛している。この気持ちをそなたにぶつけてしまいたいと願うほど」
クッ、とカムイ様は悔しそうに唸る。
「何度我は我慢せねばならぬのか……。今我は猛烈に籠りたい」
「ご、ごめんなさい」
「いいや、興奮してしまった我が悪い。大事ない。すぐに元に戻るであろう」
カムイ様は大きなため息を落として、どうにか気分を落ち着けようとしている。
でも、あの、男性のことはよくわからないけど、私を抱きしめたままって意味がないんじゃ……? ぴったりくっついてるし、あとカムイ様の手がなんだか私のお尻を撫でてる気がする……?
「……リュウセン」
「なんだ、リュウケツ」
カムイ様の行動に恥ずかしく思いつつも触れてもらえることが嬉しくてそのままでいると、黒龍様がカムイ様に話しかける。
「番のヴェール取れてる。いいの?」
「……ダメだ」
「あと、その番を見て驚いてる人間たちがいるけどいいの?」
「……あとで話を聞かねばならぬ」
「帰らなくていいの?」
「我も帰って籠りたい」
私を隠すようにして腕の中で抱き締めながら、うんうんとカムイ様が頷く。
たぶん帰ってはいけないと思う。というか、そう。そうだ。
見られていたんだった……!
また周りを忘れてカムイ様に甘えてしまったことに後悔する。恥ずかしい。けれど、だけど、カムイ様は私のものだと見せつけられたことが嬉しいという気持ちもある。
ダメ、私。こんな醜い気持ち。ダメなのに。
ギュッとカムイ様の身体を抱き締める。カムイ様から「うっ」という呻き声が聞こえた。
「かわいすぎて我の我慢が効かなそうなんだが? 聖世祭など我がいなくともできるであろうに、何故我は番との生活を我慢せねばならぬのか……苦行か」
「リュウセンは偉い」
「んむ?」
「ぼくだったらすぐ帰る」
うんうんと頷く黒龍様。少し黒龍様は幼い感じがする。
カムイ様は黒龍様の言葉に少しだけ考えてそれから口を開く。
「帰ろう」
「いやいやいやいやいや、まてまてまてまて!」
カムイ様の決心に満ちた言葉を止めたのはいつのまにか来ていたリュウザン様だった。
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