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第2節 拡散
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ー 神奈川県警 署内 ー
14時00分
池畑と溝口は、秋吉に見つからないように石井が一人になるのを待ち、トイレに行った隙に捕まえて、地下の薄暗い倉庫にいた。
急に連れてこられた石井は、状況が呑み込めずに、落ち着かない様子で池畑たちに質問した。
「な、何なんですか?また美晴さんのことで知りたいことがあるんですか?」
石井は落ち着きはないが、千代田の名前を口にするときは、少し笑みを浮かべていた。池畑は、正直気持ちが悪いなと感じながらも、冷静に答えた。
「悪りぃな石井ちゃん、千代田の話じゃないんだ。」
池畑の言葉に、石井の表情から笑みが消えた。池畑が続けた。
「千代田が死んだ日、お前休みだったよな。…どこで何してた。」
「……質問の意図がわかりませ…え?まさか自分、千代田の件で疑われてるんですか?」
「形式的なやつだよ、千代田さんが呪いで殺された可能性がでてきたんだ。周りの同僚だって疑われて当然だろ?」
石井が驚愕していたため、溝口が少しフォローし、そのまま続けた。
「お前、休みの日は、たいてい家にいるって言ってたよな?あの日もか?」
「……えぇ、昼飯を食いに30分、夕飯を食いに一時間くらい外に出ただけです。証明しろって言われると…。あ、あの屋上には防犯カメラが付いていたはずです。それを見れば、その場に俺がいないこともわかると…。」
より一層落ち着きがない様子でアリバイを説明する石井に、池畑はやはり冷静に追い討ちをかけた。
「…呪いかけるのは、あの場所にいなくてもできるだろ?」
池畑のこの言葉に、石井はうまく反論する言葉が出てこず、下を向いた。
「…俺は何もしてませんよ。皆には分からなかったと思いますが、俺………美晴さんが好きだったんですよ!好きな人を殺すわけないでしょ……。」
ついに言ってしまったというような、恥ずかしがる感じで話した石井に、池畑たちはポカーンとしてしまった。
「…石井、それ皆知ってるよ。」
池畑は、秋吉には内緒にするように告げてから一旦石井を解放し、執務室に戻ってきた。
池畑と溝口が自席に着くなり、課長の杉崎が池畑を手招きした。呼ばれていることに気付いた池畑が杉崎の席の前まで行くと、杉崎がゆっくり立ち上がった。
「池畑くん、桐生朱美の事件で何か分かったことがあるか?…こそこそ調べているのは分かっているよ。」
今まで見たことない杉崎の鋭い眼差しに、池畑は悪寒を感じ、ぼそりと答えた。
「…………こそこそだなんて、そんな。」
「秋吉くんを通じて、溝口くんには忠告したはずだが。」
池畑は、意を決して杉崎に質問した。
「……課長はどういう立場なんですか?桐生朱美の事件を調べるなと上からお達しが出てるのは知ってますよ。…でも、もう桐生朱美の事件だけで済んでないじゃないですか。長尾智美の事件、今回の千代田の件も、呪いが関係している。桐生朱美から始まった呪いは、もうどんどん広がりを見せているんですよ。全てを解決するためには、根源の事件を調べることから始まります。違いますか?」
徐々に興奮し、声量が上がってしまい、執務室内の全員の目線が池畑と杉崎に集中してしまった。
「…池畑さん……。」
溝口は自席から、心配そうに見つめていた。
「池畑、落ち着け。私はお前たちの身を案じてだな。…呪いはまだ未知な部分が多い。上もそれを考慮して捜査を打ち切ろうと…。」
杉崎は、池畑を落ち着かせようと、微笑みを見せながら説明したが、池畑は杉崎の言葉に被せるように意見を発した。
「俺は…正直今は、溝口以外の人間は信用していない。あなたもです、課長。刑事ですよね、捜査一課の課長ですよね。……菅野茜の両親から解剖の許可を取ってきてくれた、あの捜査への情熱を持っていたのが、私の中の杉崎雄一郎(ゆういちろう)です。今のあなたはただの組織人、立場だけをお考えのように感じます。…思い出してくださいよ、昔を…。」
「ヒュー、言うねぇ。」
秋吉が自席で呟いた。
「その溝口までも危険に晒すことになるんだぞ。」
杉崎は冷静に言葉を返したが、池畑は首を横に振り、怯むことなく続けた。
「あいつも覚悟の上です。俺たちは今までずっとこうやってきた。真実を探し当てることだけを考えて。………俺たちのやり方が気にくわないなら、どっかの部屋の椅子にでも縛りつけておいてください。」
池畑はそう言うと、杉崎の席から自席に戻ろうとした。
「池畑。………好きにやれ!責任は私がとる。」
杉崎のこの言葉に、池畑は立ち止まり振り返った。杉崎はニヤリと笑みを浮かべながら続けた。
「私がお前の立場なら同じことをしただろうな。…思ってた以上に事件に熱意をもってることがわかったよ。……ただ、呪いは早く払拭しなければならない、それは分かるな?世間には桐生朱美の処刑で、呪いが根絶したように見せなければいけないということだ。南雲由実さんの件も、桐生朱美の犯行ということで発表することが決まった。何らかの方法で刑務所内で犯行に及んだと。これを機に、桐生朱美の拘束を強化するという方針も合わせて発表するようだ。」
また警察の身勝手な行動に、池畑は表情を曇らせた。
「南雲さんの件は桐生朱美は無関係のはず。呪いはもう…。」
「あぁ、分かってるよ。もう桐生朱美以外の人物にまで拡散している。だがな、今、長尾智美の件や千代田くんの件で、呪いというキーワードをメディアが報じてみろ。南雲さんの件に続いて、またも桐生朱美が新たな事件の犯人か?これ以上の失態は警察は認められない。南雲さんの件だけで限界だ。なら、桐生朱美以外の人物によるものと言わざるを得ない。つまりは呪いは根絶できずに、世の中に拡散していることを伝えることになる。…世界は大パニックになるぞ。なんとか世間には、桐生朱美の処刑で呪いは終わったことにさせたいのだ。それだけは理解してくれ。」
「…分かりました。」
池畑はそう言いながら、心の中では、警察組織を糞くらいと思い、憤怒していた。
「北条出版の村上くんとはまだ関わってるのか?彼もメディアの人間だ。」
「…彼は雑誌記者としてじゃない、大切な人を失った悲しい男として、同じ境遇として関わっているだけです。下手したら今は、呪いの事件の中心部にいる人間ですよ、それも私と同じです。…色々失礼な事を申してすみませんでした。」
池畑はそう言うと、杉崎に一礼して自席に戻り、溝口を連れて執務室を出ていった。それを見送ると、秋吉が杉崎に近づき、小さな声で確認した。
「よろしいんですか?あんなこと言ってしまって。」
「…さっきも言ったが、私が彼の立場なら同じことをしたさ。南雲さんの件も彼が捜査している。明らかに真実と違う発表を警察はしようとしてるんだ、怒る理由もわかる。…彼は根っからの刑事だ。……それはそうと、千代田くんの件はまだ何か分からないのか?」
「えぇ、まだです。池畑たちは、石井が怪しいと睨んでいるようですが、やつはそんなことできるたまじゃない。引き続き私も捜査を続けます。」
そう言うと秋吉は、自席へと戻った。
あの場にいることに限界を感じ、無理矢理溝口を誘って執務室を出てきた池畑は、廊下を並んで歩きながら溝口に謝った。
「すまなかったな。お前の評価まで下げちまったかもしれん。」
「何言ってるんですか!格好良かったですよ。自分は最後まで池畑さんに付いていきますから。」
満面の笑みでそう答えた溝口に、池畑の心は、嬉しさと感謝の気持ちで満たされていたが、それを表情に出さぬように努力した。
「じゃあ署内と近隣の防犯カメラの映像を解析しますかね。」
二人は中央監視室へと向かった。
14時00分
池畑と溝口は、秋吉に見つからないように石井が一人になるのを待ち、トイレに行った隙に捕まえて、地下の薄暗い倉庫にいた。
急に連れてこられた石井は、状況が呑み込めずに、落ち着かない様子で池畑たちに質問した。
「な、何なんですか?また美晴さんのことで知りたいことがあるんですか?」
石井は落ち着きはないが、千代田の名前を口にするときは、少し笑みを浮かべていた。池畑は、正直気持ちが悪いなと感じながらも、冷静に答えた。
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池畑の言葉に、石井の表情から笑みが消えた。池畑が続けた。
「千代田が死んだ日、お前休みだったよな。…どこで何してた。」
「……質問の意図がわかりませ…え?まさか自分、千代田の件で疑われてるんですか?」
「形式的なやつだよ、千代田さんが呪いで殺された可能性がでてきたんだ。周りの同僚だって疑われて当然だろ?」
石井が驚愕していたため、溝口が少しフォローし、そのまま続けた。
「お前、休みの日は、たいてい家にいるって言ってたよな?あの日もか?」
「……えぇ、昼飯を食いに30分、夕飯を食いに一時間くらい外に出ただけです。証明しろって言われると…。あ、あの屋上には防犯カメラが付いていたはずです。それを見れば、その場に俺がいないこともわかると…。」
より一層落ち着きがない様子でアリバイを説明する石井に、池畑はやはり冷静に追い討ちをかけた。
「…呪いかけるのは、あの場所にいなくてもできるだろ?」
池畑のこの言葉に、石井はうまく反論する言葉が出てこず、下を向いた。
「…俺は何もしてませんよ。皆には分からなかったと思いますが、俺………美晴さんが好きだったんですよ!好きな人を殺すわけないでしょ……。」
ついに言ってしまったというような、恥ずかしがる感じで話した石井に、池畑たちはポカーンとしてしまった。
「…石井、それ皆知ってるよ。」
池畑は、秋吉には内緒にするように告げてから一旦石井を解放し、執務室に戻ってきた。
池畑と溝口が自席に着くなり、課長の杉崎が池畑を手招きした。呼ばれていることに気付いた池畑が杉崎の席の前まで行くと、杉崎がゆっくり立ち上がった。
「池畑くん、桐生朱美の事件で何か分かったことがあるか?…こそこそ調べているのは分かっているよ。」
今まで見たことない杉崎の鋭い眼差しに、池畑は悪寒を感じ、ぼそりと答えた。
「…………こそこそだなんて、そんな。」
「秋吉くんを通じて、溝口くんには忠告したはずだが。」
池畑は、意を決して杉崎に質問した。
「……課長はどういう立場なんですか?桐生朱美の事件を調べるなと上からお達しが出てるのは知ってますよ。…でも、もう桐生朱美の事件だけで済んでないじゃないですか。長尾智美の事件、今回の千代田の件も、呪いが関係している。桐生朱美から始まった呪いは、もうどんどん広がりを見せているんですよ。全てを解決するためには、根源の事件を調べることから始まります。違いますか?」
徐々に興奮し、声量が上がってしまい、執務室内の全員の目線が池畑と杉崎に集中してしまった。
「…池畑さん……。」
溝口は自席から、心配そうに見つめていた。
「池畑、落ち着け。私はお前たちの身を案じてだな。…呪いはまだ未知な部分が多い。上もそれを考慮して捜査を打ち切ろうと…。」
杉崎は、池畑を落ち着かせようと、微笑みを見せながら説明したが、池畑は杉崎の言葉に被せるように意見を発した。
「俺は…正直今は、溝口以外の人間は信用していない。あなたもです、課長。刑事ですよね、捜査一課の課長ですよね。……菅野茜の両親から解剖の許可を取ってきてくれた、あの捜査への情熱を持っていたのが、私の中の杉崎雄一郎(ゆういちろう)です。今のあなたはただの組織人、立場だけをお考えのように感じます。…思い出してくださいよ、昔を…。」
「ヒュー、言うねぇ。」
秋吉が自席で呟いた。
「その溝口までも危険に晒すことになるんだぞ。」
杉崎は冷静に言葉を返したが、池畑は首を横に振り、怯むことなく続けた。
「あいつも覚悟の上です。俺たちは今までずっとこうやってきた。真実を探し当てることだけを考えて。………俺たちのやり方が気にくわないなら、どっかの部屋の椅子にでも縛りつけておいてください。」
池畑はそう言うと、杉崎の席から自席に戻ろうとした。
「池畑。………好きにやれ!責任は私がとる。」
杉崎のこの言葉に、池畑は立ち止まり振り返った。杉崎はニヤリと笑みを浮かべながら続けた。
「私がお前の立場なら同じことをしただろうな。…思ってた以上に事件に熱意をもってることがわかったよ。……ただ、呪いは早く払拭しなければならない、それは分かるな?世間には桐生朱美の処刑で、呪いが根絶したように見せなければいけないということだ。南雲由実さんの件も、桐生朱美の犯行ということで発表することが決まった。何らかの方法で刑務所内で犯行に及んだと。これを機に、桐生朱美の拘束を強化するという方針も合わせて発表するようだ。」
また警察の身勝手な行動に、池畑は表情を曇らせた。
「南雲さんの件は桐生朱美は無関係のはず。呪いはもう…。」
「あぁ、分かってるよ。もう桐生朱美以外の人物にまで拡散している。だがな、今、長尾智美の件や千代田くんの件で、呪いというキーワードをメディアが報じてみろ。南雲さんの件に続いて、またも桐生朱美が新たな事件の犯人か?これ以上の失態は警察は認められない。南雲さんの件だけで限界だ。なら、桐生朱美以外の人物によるものと言わざるを得ない。つまりは呪いは根絶できずに、世の中に拡散していることを伝えることになる。…世界は大パニックになるぞ。なんとか世間には、桐生朱美の処刑で呪いは終わったことにさせたいのだ。それだけは理解してくれ。」
「…分かりました。」
池畑はそう言いながら、心の中では、警察組織を糞くらいと思い、憤怒していた。
「北条出版の村上くんとはまだ関わってるのか?彼もメディアの人間だ。」
「…彼は雑誌記者としてじゃない、大切な人を失った悲しい男として、同じ境遇として関わっているだけです。下手したら今は、呪いの事件の中心部にいる人間ですよ、それも私と同じです。…色々失礼な事を申してすみませんでした。」
池畑はそう言うと、杉崎に一礼して自席に戻り、溝口を連れて執務室を出ていった。それを見送ると、秋吉が杉崎に近づき、小さな声で確認した。
「よろしいんですか?あんなこと言ってしまって。」
「…さっきも言ったが、私が彼の立場なら同じことをしたさ。南雲さんの件も彼が捜査している。明らかに真実と違う発表を警察はしようとしてるんだ、怒る理由もわかる。…彼は根っからの刑事だ。……それはそうと、千代田くんの件はまだ何か分からないのか?」
「えぇ、まだです。池畑たちは、石井が怪しいと睨んでいるようですが、やつはそんなことできるたまじゃない。引き続き私も捜査を続けます。」
そう言うと秋吉は、自席へと戻った。
あの場にいることに限界を感じ、無理矢理溝口を誘って執務室を出てきた池畑は、廊下を並んで歩きながら溝口に謝った。
「すまなかったな。お前の評価まで下げちまったかもしれん。」
「何言ってるんですか!格好良かったですよ。自分は最後まで池畑さんに付いていきますから。」
満面の笑みでそう答えた溝口に、池畑の心は、嬉しさと感謝の気持ちで満たされていたが、それを表情に出さぬように努力した。
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