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15.罰という名の凌辱

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(※無理やり表現を含みます。
 苦手な方はご注意下さい。)


結果的にこんな事態を招いたのは他でもない私だ。

「音声も映像も転送されてしまう高性能な発信機を付けたその服のまま、させてもよかったんだぞ」

またグッと頭を押さえ付けられ無理に喉奥まで到達させられると、苦しさに身体の奥底から吐き気が込み上げてきて、思わずうっと嗚咽を漏らした。

屋敷の部屋に連れ戻されるなり強烈な平手打ちを食らわせられ、まるでおもちゃのように部屋の床に転がると、冷たい畳の上で下唇を噛み締めて涙を堪えた。
痛みや恐怖からではなく、ただただ自分の無力さが惨めで仕方なかった。
腕を掴まれ引き摺られるように立たされてから、胸ぐらを掴まれ喉元にナイフを突き付けられた。
さすがに一瞬息を呑んだが、ナイフはそのまま下へと静かに下ろされ、着ていた服を無惨にも引き裂いていった。
そのまま布切れになった服も、着けていた下着もろとも剥ぎ取られ、ぐいと頭を掴まれながらまた床に投げられた。

「これで、外に着て逃げる服も失ったな」

清丸がスーツのベルトを緩め、床に呆ける私の髪を鷲掴みにしてからベッドに腰掛け、その脚の間に私の顔を押し付けた。
まだ反応しきれていないそれを咥えろと顎で促され、拒否する勇気もなく恐る恐る口に含んだ。
生々しいその感触に身震いさえ覚えていると、みるみるその質量が増して呼吸さえままなくなる。

それから、もうどれ程この拷問が続いているのか分からない。

本当ならば、他の奴らにもその醜態を晒して私への戒めにでもしたいところなのだと思う。
でも敢えてそれをしないのは、せめてもの情けだと彼は言いたいのかもしれない。

吐き気に堪えきれず、ずるりと熱く昂ったものを口から引き抜いて、顔を反らせた。
ベッドに腰掛けている清丸に、すかさずその顎をグイと掴み上げられてから、冷たく低い声が私に吐き捨てられる。

「誰がやめていいと言った?」

きつく閉じられた口に、またグッと押し充てられ徐々に開いた口内へと硬く昂ったそれがまた押し込まれてくる。
そのまま無理に奥まで押し入れられたかと思うと、グッと髪を掴まれ強制的に出し入れを繰り返された。
何度目かでとうとう耐えきれずにまた口を離すと、
滴る唾液と一緒にうっとまた一度えずいてから、ゴホゴホと咳込んでしまう。

「口を離すなと言ったろ」

この男の怒りを煽ろうなどとしたつもりは微塵もない。
ただこの状況からのがれられるのであれば、すぐ様実行に移したかっただけなのだ。

「お前は余程俺を怒らせるのが好きなようだな」

そう言って清丸はまた容赦なく私の口内に太くゴツい指を忍ばせ、存分に舌を弄んでから無理やり口を開かせる。
ずるりと指を抜いて、そのまま私の顎を持ち上げると、また自身を口内へと捩じ込ませた。
苦痛に顔を歪ませながらぎゅっと目を瞑ると、閉じられた瞳から生理的に涙が溢れてはこぼれ落ちる。

「ほら、もっと舌遣って上手く咥えてみろ」

ここにきてようやく、身体が恐怖に震え出していることに気が付いた。
彼の怒りが怖いのではない。
力では到底敵うことのない男というものに、捩じ伏せられ逃げることも許されずに、ただひたすら蹂躙される恐ろしさというものを、初めてこの身に感じたからだと思う。

「使えないな」

冷たく罵るその目は、昨夜まで私に向けられていたものとは明らかにどこか違う。
その漆黒の瞳の奥に微かに見え隠れしていた、昨日までの一欠片の優しさが今はまるでない。

当たり前だ。
外部へ出て万が一情報を漏らすようなことでもあれば、お前を消すとまで言われていたのだ。
殺されなかっただけマシなのかもしれない。
私がしたことはこの五条院家にとっては、それだけ重大な問題だった。

でも…
もし脱走が上手くいかなかったら、こういう目に遭うことは分かっていたはずなのに、アンジーの忠告さえも無視してそれでも強行したのは、どうしてもこのままじゃ嫌なのだとせめて楯突きたかったからだ。
それが私のせめてもの抵抗。
生まれてからずっと、周りに用意された道に素直に従うしかなかった私の人生なんて、もう終わりにしたかった。

「そんなんでイケるわけないだろ」

そう言って清丸が、掴み上げていた髪ごとグイと口を自分自身から離し、私の身体を畳の上へと投げ出した。
両手をついて目の前の冷たい畳を見つめながら、はぁはぁと肩で息を吐く。
吐かれる息と一緒に下唇の端から自らの唾液が、ぱたぱたと畳に滴れ落ちると同時に、乱暴に掴まれて乱れていた長い髪がぱさりと肩から落ちた。

何度も何度も無理やり目一杯口を開かれ押し込まれたもののせいで、閉じることが許されなかった顎が痛い。

「おい、もう一回口開けろ」

唇を噛み締め、俯きかげんで首を左右に振った。

「あれ程忠告してやったのに、脱走なんて馬鹿な真似しやがって。虐めて欲しかったんだろう?」

また首を横に振る。
屈辱なのか恐怖なのか涙が勝手に溢れてしまう。

悔しいが男の力に抵抗する術は、頑なに首を横に振り拒否し続けることぐらいしかもうない。

清丸がはぁと些か気分を害したように溜め息をついて立ち上がると、床に座り込んだままの私の前にしゃがみ込み顔を覗き込んだ。
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