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うん。自覚はある。
今や国で一番に栄えるオブライエン領。
そこに縁付きたい人はたくさんいるわけで・・・
今、お父様の方に私の縁談がわんさかきてるらしい。
全部お断りするように頼んであるんだけど、直接来たんだよね、このひと。
てか、なんで薬師として派遣されてんだよ。
いや、説明受けたよ?
薬草が大好きだから王位継承権放棄して薬師団として派遣されたって。
当時黒死病の進行を遅らせる薬と特効薬のレシピをお父様に託して隣国に行ってもらったから、
それを材料に取引ができるように。
それに食いついてきて、釣れたのがシェレンベルク王子だったってね。
うまく釣れすぎて逆にビビったけど、あの時は確かに助かったよ。
第二弾の派遣で来たとも手紙でもらっていたさ。
だけどさ。
もう第二弾の薬師さんたち、帰国したって聞いてたんだけど・・・。
なんでいるの?
一緒に帰ったと思ってたよ。
てか、このひと、気づいているよね。
表に出ないようにしていたけど、
オブライエン領の発展にかなりの貢献したのが私だって。
ある程度情報を集めていけば、勘のいい人なら気づく程度だっていうのはわかってるんだけど。
あと、鑑定結果に薬草狂いって出てるんだよね。
なので、私と一緒にいると思う存分薬草を研究できると思っているとこはあるよね。
うん。
間違ってないけどね。
「実際問題として、
きっちりと王家とは話を終わらせないと、
縁談は受け入れられないことは最初にお話ししたはずですよ」
「うん。それも聞いてるよ。
でも、僕は別にオブライエン辺境伯のご令嬢に結婚してほしいわけじゃないんだ。
ネージュ嬢だからこそ、こうやって求婚しているわけで。
まぁ、悪い気はしていないと思っているけどね、
こうやって、お茶をしてくれる程度には」
お茶を飲み干すと立ち上がり、
椅子に掛けていた白衣を手に持つ。
本来ならマナー的にはアウトだが、
別に堅苦しいお茶会でもないので何も言うことはない。
最初から研究の途中、
息抜きにきたと話も聞いているので、
何が付着してるかわからない白衣はとりあえず脱がせた。
「今はこれで満足しておかなきゃいけないんだろうけどね。
落ち着いたら僕に時間を与えてほしいかな。
なんだか少し誤解があるようだから、それも話しておきたいし」
「そうですね。
今は何を言われても、私も動けないので。
自由になってからどうするか、話を聞かせていただいて、考えたいと思いますわ
シェレンベルク王子のことも、そのほかの方のことも、ですが」
「ネージュお嬢様、失礼いたします」
執事が背後から声をかける
「ジルコン王子がこちらに到着いたしました。
ご主人様からネージュお嬢様をお呼びするように仰せつかりました」
「おや、気になるところだね。
僕も同席しても?」
「お父様に確認してからかしら。
確認をよろしく。
私はひとまず着替えてきますわ
では、失礼いたします」
「かしこまりました。
シェレンベルク王子はいかがされますか?」
さて、気合を入れて準備しましょうかね。
たぶん国王あたりからせっつかれてきたのでしょうけど、
いったい何を言い出すつもりなのかしらねぇ。
この5年間、大した付き合いはしていなかったけど、
人の顔を見れば暴言ばかりだったから、
何を言い出すか、予想は着くのだけど・・・・
今や国で一番に栄えるオブライエン領。
そこに縁付きたい人はたくさんいるわけで・・・
今、お父様の方に私の縁談がわんさかきてるらしい。
全部お断りするように頼んであるんだけど、直接来たんだよね、このひと。
てか、なんで薬師として派遣されてんだよ。
いや、説明受けたよ?
薬草が大好きだから王位継承権放棄して薬師団として派遣されたって。
当時黒死病の進行を遅らせる薬と特効薬のレシピをお父様に託して隣国に行ってもらったから、
それを材料に取引ができるように。
それに食いついてきて、釣れたのがシェレンベルク王子だったってね。
うまく釣れすぎて逆にビビったけど、あの時は確かに助かったよ。
第二弾の派遣で来たとも手紙でもらっていたさ。
だけどさ。
もう第二弾の薬師さんたち、帰国したって聞いてたんだけど・・・。
なんでいるの?
一緒に帰ったと思ってたよ。
てか、このひと、気づいているよね。
表に出ないようにしていたけど、
オブライエン領の発展にかなりの貢献したのが私だって。
ある程度情報を集めていけば、勘のいい人なら気づく程度だっていうのはわかってるんだけど。
あと、鑑定結果に薬草狂いって出てるんだよね。
なので、私と一緒にいると思う存分薬草を研究できると思っているとこはあるよね。
うん。
間違ってないけどね。
「実際問題として、
きっちりと王家とは話を終わらせないと、
縁談は受け入れられないことは最初にお話ししたはずですよ」
「うん。それも聞いてるよ。
でも、僕は別にオブライエン辺境伯のご令嬢に結婚してほしいわけじゃないんだ。
ネージュ嬢だからこそ、こうやって求婚しているわけで。
まぁ、悪い気はしていないと思っているけどね、
こうやって、お茶をしてくれる程度には」
お茶を飲み干すと立ち上がり、
椅子に掛けていた白衣を手に持つ。
本来ならマナー的にはアウトだが、
別に堅苦しいお茶会でもないので何も言うことはない。
最初から研究の途中、
息抜きにきたと話も聞いているので、
何が付着してるかわからない白衣はとりあえず脱がせた。
「今はこれで満足しておかなきゃいけないんだろうけどね。
落ち着いたら僕に時間を与えてほしいかな。
なんだか少し誤解があるようだから、それも話しておきたいし」
「そうですね。
今は何を言われても、私も動けないので。
自由になってからどうするか、話を聞かせていただいて、考えたいと思いますわ
シェレンベルク王子のことも、そのほかの方のことも、ですが」
「ネージュお嬢様、失礼いたします」
執事が背後から声をかける
「ジルコン王子がこちらに到着いたしました。
ご主人様からネージュお嬢様をお呼びするように仰せつかりました」
「おや、気になるところだね。
僕も同席しても?」
「お父様に確認してからかしら。
確認をよろしく。
私はひとまず着替えてきますわ
では、失礼いたします」
「かしこまりました。
シェレンベルク王子はいかがされますか?」
さて、気合を入れて準備しましょうかね。
たぶん国王あたりからせっつかれてきたのでしょうけど、
いったい何を言い出すつもりなのかしらねぇ。
この5年間、大した付き合いはしていなかったけど、
人の顔を見れば暴言ばかりだったから、
何を言い出すか、予想は着くのだけど・・・・
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