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彼女から、もらった物
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24.8.18 加筆修正
序
ある夜、仕事に行き詰まり、机で呆然としていたら、急にある物を思い出し、机の引き出しを開き、中を探ってみる、けしてそれは胃薬なのではなく……
そのうちゴロッとした感触が手に伝わり、それを手に取り、眺めると、癒され、子供の時の出来事を思い出した……。
登場人物
是北 魂 十一歳
温下川 従理 十二歳
いつも放課後に僕と遊んでくれる、
少しデッカいクラスメイトの女の子が、
「今日は私の家で遊ぼうよ」と、
「え、なんで」
「トランプやろう」
僕は外がいいと思ったけど、日頃から彼女は僕が何を言っても付き合ってくれるので、その日は彼女の家に行く事にした。
彼女の家は二階建ての一軒家で、僕が案内された彼女の二階の部屋は、本棚から学習机、丸い座卓テーブル、全て白、絨毯だけギリギリ薄い黄色、彼女の机には数個の小さい化石が飾ってあった、珍らしいので見ていたら、「ほしい?」と彼女が聞いて来たので、「ほしいかな」(結構好き)
「一個あげる」
「どれでもいいの?」
「いいよ」
キラキラ光る小さいアンモナイトを僕は選ぶと。
「もう一個いいよ」
と言ってくれたので、三葉虫と言われ太古の蟲の化石も、もらう事ができた。
「従理ちゃんは、化石好きなの?」
「うん、逃げないし、死なないから」
(確かにもう既に死んでるから死ぬ事は無い、逃げる事も)
すぐに彼女は机からトランプを取り出し、テーブルでカードを配り出した、僕はババ抜きしか知らなかったから、ポーカーと八並べを教えてもらった、彼女はゲームの途中、ケーキや、多種なお菓子、コーラ、色々と持って来てくれた、その……なんか怖いくらいの持てなしに、少し違和感は感じたけど嬉しく、彼女との緩やかな時間の流れを感じた、この当たりまでは……
トランプに飽きて来た頃、彼女の部屋の鳩時計が鳴いたので見たら、時刻は五時を過ぎていた、
「もう帰ろうかな」
「もう一回」
と何回も、もう一回をお願いされ……
なんか、なかなか帰してくれない……。
「お腹空いたから帰るよ」
(菓子食べ過ぎで本当は、お腹いっぱい)
「お弁当あるよ」
と彼女に手を引っ張られ、一階の台所に連れて行かれた。
彼女は焦り気味で冷凍庫から冷凍された弁当を取り出し、
「唐揚げ、豚カツ、豚ヤサイ炒め、なんでもあるよ」
と言う、
冷凍庫には綺麗に冷凍食品の弁当が綺麗に詰められていた。
僕は少し疑問に思った事を聞いて見た、
「お母さんは?」
「明後日帰って来るよ」
彼女は急に頬が膨れた不機嫌な顔をした。
彼女の押しに負けて、とりあえず弁当をレンジで温め、彼女とキッチンテーブルで弁当をお腹がキツいが、なんとか食べ終え、そろそろ本当に、なんとかして、帰らないと、と思い。
「電話貸して」
「なんで?」
「家に電話したい」
彼女は黙っている、そのうち目に涙が溜まって来て泣き始めてしまった。それを見て、時が止まった様に感じ、僕は化石の様に固まった……。
僕は焦り、
「な、ならさ、うちに来なよ、僕が頼むからさ」
と言ったら、彼女は急に泣きやみ、首を縦に振った。
親には事情を話したらオッケーしてくれ、時間が遅いので車で迎えに来てもらった、彼女はその日と次の日も僕の家に泊まった。それからの彼女はズーとニコニコで僕も一安心した。
僕も彼女が僕の家に居る夜が楽しかった、その反面、彼女が家に戻り、居なくなった夜は凄く寂しかった、彼女の気持ちを理解する事ができた。
俺は、久しぶりに、その二つの化石を机の上に飾る事にした、アンモナイトは今も変わらずに光り輝いてくれている。
[終]
後書き
このシリーズは、なんとなく懐かしい雰囲気を思い出し、感じて頂ければ良いかなと作者は思っています。
序
ある夜、仕事に行き詰まり、机で呆然としていたら、急にある物を思い出し、机の引き出しを開き、中を探ってみる、けしてそれは胃薬なのではなく……
そのうちゴロッとした感触が手に伝わり、それを手に取り、眺めると、癒され、子供の時の出来事を思い出した……。
登場人物
是北 魂 十一歳
温下川 従理 十二歳
いつも放課後に僕と遊んでくれる、
少しデッカいクラスメイトの女の子が、
「今日は私の家で遊ぼうよ」と、
「え、なんで」
「トランプやろう」
僕は外がいいと思ったけど、日頃から彼女は僕が何を言っても付き合ってくれるので、その日は彼女の家に行く事にした。
彼女の家は二階建ての一軒家で、僕が案内された彼女の二階の部屋は、本棚から学習机、丸い座卓テーブル、全て白、絨毯だけギリギリ薄い黄色、彼女の机には数個の小さい化石が飾ってあった、珍らしいので見ていたら、「ほしい?」と彼女が聞いて来たので、「ほしいかな」(結構好き)
「一個あげる」
「どれでもいいの?」
「いいよ」
キラキラ光る小さいアンモナイトを僕は選ぶと。
「もう一個いいよ」
と言ってくれたので、三葉虫と言われ太古の蟲の化石も、もらう事ができた。
「従理ちゃんは、化石好きなの?」
「うん、逃げないし、死なないから」
(確かにもう既に死んでるから死ぬ事は無い、逃げる事も)
すぐに彼女は机からトランプを取り出し、テーブルでカードを配り出した、僕はババ抜きしか知らなかったから、ポーカーと八並べを教えてもらった、彼女はゲームの途中、ケーキや、多種なお菓子、コーラ、色々と持って来てくれた、その……なんか怖いくらいの持てなしに、少し違和感は感じたけど嬉しく、彼女との緩やかな時間の流れを感じた、この当たりまでは……
トランプに飽きて来た頃、彼女の部屋の鳩時計が鳴いたので見たら、時刻は五時を過ぎていた、
「もう帰ろうかな」
「もう一回」
と何回も、もう一回をお願いされ……
なんか、なかなか帰してくれない……。
「お腹空いたから帰るよ」
(菓子食べ過ぎで本当は、お腹いっぱい)
「お弁当あるよ」
と彼女に手を引っ張られ、一階の台所に連れて行かれた。
彼女は焦り気味で冷凍庫から冷凍された弁当を取り出し、
「唐揚げ、豚カツ、豚ヤサイ炒め、なんでもあるよ」
と言う、
冷凍庫には綺麗に冷凍食品の弁当が綺麗に詰められていた。
僕は少し疑問に思った事を聞いて見た、
「お母さんは?」
「明後日帰って来るよ」
彼女は急に頬が膨れた不機嫌な顔をした。
彼女の押しに負けて、とりあえず弁当をレンジで温め、彼女とキッチンテーブルで弁当をお腹がキツいが、なんとか食べ終え、そろそろ本当に、なんとかして、帰らないと、と思い。
「電話貸して」
「なんで?」
「家に電話したい」
彼女は黙っている、そのうち目に涙が溜まって来て泣き始めてしまった。それを見て、時が止まった様に感じ、僕は化石の様に固まった……。
僕は焦り、
「な、ならさ、うちに来なよ、僕が頼むからさ」
と言ったら、彼女は急に泣きやみ、首を縦に振った。
親には事情を話したらオッケーしてくれ、時間が遅いので車で迎えに来てもらった、彼女はその日と次の日も僕の家に泊まった。それからの彼女はズーとニコニコで僕も一安心した。
僕も彼女が僕の家に居る夜が楽しかった、その反面、彼女が家に戻り、居なくなった夜は凄く寂しかった、彼女の気持ちを理解する事ができた。
俺は、久しぶりに、その二つの化石を机の上に飾る事にした、アンモナイトは今も変わらずに光り輝いてくれている。
[終]
後書き
このシリーズは、なんとなく懐かしい雰囲気を思い出し、感じて頂ければ良いかなと作者は思っています。
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