尊い国のアリス

仙 岳美

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アリスとヒヨコ

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 夜明けなのか、それとも夕暮れなのか、時刻がハッキリとしない黄色い色の空をアリスは、左右三羽の鶏と一緒に、V字編隊で空気を水の様に平泳ぎで漕ぎ、空を飛んでいました。

 やがて雲の上にある小さい島を見つけると、そこに降り立ちました。
その島には、テントが一つ建っていました。
中を除くと、大きなヒヨコが寝ていました。
アリスその見るからにフワフワのお腹に顔埋めると、鼻がムズムズしてクシャミをして咳き込んでしまいました。
するとヒヨコが目を覚ましました。
そしてアリスを見て目を丸くし震えました。
「なっ! 何故君が僕の前に来るんだ」
アリスは、意味がわかりませんでした。
「知ってるぞ、君は卵と鳥が大好きな子だろ」
「ええ、卵と鳥さんのお肉は好きね」
「やっぱりそうか、だから僕はズーとヒヨコでいるんだ」
「なんで?」
「食べられない為さ」
「ヒヨコは確かに食べないわね」
アリスが、その後少し沈黙しているとヒヨコは叫ぶ様に言いました。
「さては、わかったぞー 君は卵や鶏、さらに、あの悪魔製造のフォアグラにも飽きて、遂にヒヨコを食べようとしてるんだー この悪食ー」
「ヒヨコなんか食べる所無いわよ」
「本当に、そう思うかい」
「ええ、大きくしてからの方が得じゃない」
「なら、もう帰ってくれ、僕はズーとヒヨコだ、用は無いはずだ」
アリスはテントの外に出て、また飛ぼうと手をバタつかせるとさっきみたいにふわふわと飛べなくなっていました。
アリスは、とりあえず、その島を散歩する事にしました。
でもその広さは、自分の家の庭と同じくらいで、一面芝生でした。
中心には一本の木が生えていました。
アリスは、その木の裏にツルが絡み付いた一本の立てかけられた古い金色のパターを見つけました。
ホールを探すと、その木の根元にボールが一つだけ入っている、穴を見つけました。
アリスは、ボールを取り出すと、適当な場所からゴルフを始めました。

でもすぐに飽きてしまいました。

なので散歩は、すぐに終わってしまいました。
そしてお腹がグーグーと鳴ってしまい。

アリスは、またテントに入り、ヒヨコを揺すり、起こしました。
「なんだい、まだいたのかい、ちみは」
「私、お腹すいちゃった、あなた何か食べ物持ってる?」
「お腹空いたって、それは気のせいだよ」
「気のせいなの」
「そうさ、ここは無の世界だからね!」
「無の世界?」
「実現しない世界!」
「そうなんだ、これは夢ね」
なら、アリスは、飛べないならと、思い切って夢の世界から出る為に島から飛び降りました。
アリスは、両手と両足を広げ落下していきます。
やがて氷の地面が見えて来ました、その時コレは、ヒヨっとしてヒヨコのウソかもと思いました……ヒヨコだけに……

……… ………… ……
そう思うと、アリスは目の前に歪んだ水が見えました。
「冷たい」
それは氷袋でした。
やっぱり夢でした。
アリスは布団から出て一階のリビングに降りました。
「お母さーん」
「あら、アリス、熱、下がった見たいね」
「うん、私しお腹空いたの」

お見舞いのフルーツとプリンでアリスは、お母さんにプリンアラモードを作ってもらいました。

 アリスは、その雲の様なクリームに囲まれたプリンを見て、夢の中の島とあの食べられたくないと言ってたヒヨコの事を思い出しました。

 そしてアリスは、器に片手を添え、そのプリンを、包み込む様に、いつもよりゆっくり大事に味わって食べました。

[END]
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