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49 ソーサリー・激突

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49 ソーサリー・激突

 部隊の先頭はサボン隊長とその横に途中から合流したザボン隊長に引けを取らない体格の副長、その後ろにマロン、そして俺……なんで俺は部隊の四番手にいるのか? 原因はわかっている、マロンが貴重な魔法剣士なのを知って隊長が目を付け、側に置きたい事からである、マロンの連れの俺は、まあオマケかな。

そんな感じで不安を抱えながらワイバーンの背に揺られ進軍中、俺の前を飛ぶマロンが速度を落とし、俺の横に付きニコリとした、久しぶりに彼女のこんな無邪気な顔を見た気がする。
「どうした?」
「なんかマークさんと話したくなったなので、こう空を飛んでるとあの時を思い出しますね」
「あの時は大変だったよ、助けてもらって感謝してるよ」
「でも楽しかったです」
「今思えばそうも思うけど、あの時はドラゴンに追われ、もうダメかと何回も思ったよ」
とそんな会話していたら空が暗くなってゆき、
目の前にポツポツと黒い点が視界にチラついて見え、隊長が叫んだ!
「鳥兵が来たぞー 全員戦闘体勢ー!」
「マークさん私の後ろにいて下さい無理に敵を倒そうとしないで良いですよ、目立つとそれだけ狙われます」
「おっおう」(周りに悪いとは思うが元から心はそんな感じ、早く帰りたい)

緊張し深呼吸した時、こちらに向け筒状の金色に輝く物体が比較的早い速度で向かって来るのが見えた、
目の前の隊長が、
「全員上空防御体勢!」
と警戒指示を飛ばした直後、突風を受けた、その未確認の物体が上を通り抜けた事が直感的に感じた、その時周辺で叫び声が上がる、振り向いたら目や肩、首、を手で抑えて苦痛の表情を浮かべる者、ワイバーンの首元にもたれグッタリとしてる者、中にはワイバーンから血を吹きながら落下していく味方もいた、何が起きたのか、わからなかった。
副長が近くの俺に向かって「追うぞ! お前付いて来い!」
俺は指名され条件反射の様に付いて行った、その時、マロンを思い出し周辺を見渡したら少し後から俺に付いて来るマロンが見え安心したが、始めての戦場と突然の奇襲に大変混乱し俺の心臓は飛び出そうな程、早く強く脈を打っていた……[50へ続く]

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