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37 ソーサリー・婦人の正体

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前作36へ、違って今回の37をの内容を投稿していました、読んでくれた方、すみませんでした。🙏ので36 は直しておきました……23・7・4  am9:25

37 ソーサリー・婦人の正体

 棺桶の蓋は少しズレる感じで三角の隙間を作っていた、そこに手を入れる……のは止めて、剣先を入れて蓋を梃子の要領で押し上げズラし床に落とした、中に納められている遺体は鎖で絡み取られグルグル巻にされていた、最初は吸血鬼伯爵だと思ったが違う様だ顔の作りは明らかに女性だった恐らく一緒に封印された伯爵夫人の方だと思われる、顔色は青白かったが特に腐敗やミイラ化している感じは無く、寝ている様だった、口の中、両手の平、心臓である胸部、腹部、股間?、に刺さっていたのは銀の釘では無く、ボーガンの銀仕様の矢だった、それは鎖で動きを封じた後、棺桶に放り込まれ更にボーガンで棺桶の中に打ち付けられた様に思える。その夫人の両足首には穴が空いており、その穴から黒い影らしき物が溢れ、それは部屋の外の階段へと床を這う様に繋がっていた……

冷静に現状を確認したら棺桶を乗せてる木の組み台の下に足から抜いたと思わるれボーガンの銀矢が二本転がっていた……
「マロン、これって?」
「誰かが意図的に矢を抜いたんでしょうね、理由はわかりません、ただの悪戯かも知れませし、それか今銀の値段が上がっていますので銀泥棒の仕業かも、その夫人に巻き付いてる鎖も黒ずんでいるので銀だと思います、推測すると足の矢を抜いた時に泥棒の身に何かあった様です」
「身に?」
「はい、墓守的な何者かとか……」
「……」
「単純にまた刺せばいいのかな」
「はい、その足の穴から伸びる影は伯爵夫人に取り憑いた物だと思います、開いた穴から入り込み取り憑き伯爵夫人の不死身の力を借りている物だと思います」
「じゃあ、この穴を塞げば、あの女は無敵で無くなるのかな?」
「はい、恐らく幻術も使えなくなり元の姿に戻ると思います」
「足元に攻撃が効いたのは何故」
「それは、わかりません……」
とその時、「あっう!」
マロンが不意を突かれ様な声をあげた、首に後ろから何かが巻き付いた、それはあの見覚えのある、光の鞭だった…… 
部屋の入り口にあの女が立っていた。
「何をコソコソやってるの!」
マロンは顔を苦痛で歪めながら釘の方を指差ししている。
俺は慌てて銀の鍵を二本掴み、伯爵夫人の両足に突き刺した!
「あー おのれら!」
マロンの首絞めていた光の鞭は、ほぐれ、離れて消えた。
入り口に立っていた婦人の姿は小さい四足歩行の白獣(剣歯虎)にその姿に変わっていた、ただその獣の尻尾は異常に大きく更に根本から三叉に分かれていた。おそらく、そのを尻尾一つにまとめ、その身に宿した夫人の力を借り、尻尾を幻術で婦人の姿に変えていたと思われる、俺は気づいた、足元への攻撃が効いたのは、単に足元の影だと思っていた獣の本体に弾が当たったからだと理解した、
その小さい獣は震えていたが……許さん!
弾丸はまだ残っている、俺は銃口であるガンブレードの剣先を獣に向けた、
「待って! その子は、まだ子供ですよ、怪我もしてます」
マロンが止めに入った。
「だからどうした悪い奴だ」
「もう戦う気はない様です」
マロンはローブの中をゴソゴソし魔導ロールを取り出した。
「それはアレかソロドバの遺産のロールか?」
「はい、遺産で発見された魔物を[使い魔]にするための契約魔法ロールの本物を元にして複製され市販されているレプリカです、でも弱い悪魔ならレプリカでも充分契約はできます」
「仲間にするの? そんなの」
「はい、マークさんが殺そうとするからです、あと、この子のは私と同じ雷の魔法が得意そうです仲間にすればソウル(魂)が共鳴してお互いの魔力が上昇が期待できます、種はおそらくカーバンクルだと思いますが尻尾が三本ある事から奇形の貴重種です」
「だか! 俺はそいつに殺されそうになった」
「私この子を気に入りました、殺したら私はマークさんとバイバイします」
「……」(別れるって……抜いたね伝家の宝刀、そして俺よりペットを取るんだー)

 マロンはカーバンクルの頭に手を乗せ呪文を唱え始めた、カーバンクルの姿は数秒、光輝いた、その後はマロンの脛に身体を擦り付けている、懐いたようだ……
「契約は成立しました、この子は元は伯爵夫人のペットだったようです、何か訳があるみたいです私達を案内したい場所があるそうです、マークさんにも謝ってますよ」

(伯爵の時代から生きてるなら、そいつは子供じゃないだろ)

「話せるのか?」

「はい、契約した私とは念で話せます、カーバンクルは人間の言葉は理解できるので」

「確かに婦人に化けてる時、俺と普通に会話してたしな、もう喋れないの、そいつ?」

「そいつとか言わないでください! 感じ悪いですね、今はもう夫人の力は借りれないので言葉は喋れないそうです、化ける事も、できないそうです」

「しかしマロンはあまいなー、でもなー、爺さんは多分、いい感じに拷問部屋で死んでるぞ」
と想像して少しニヤけてしまった。
気づいたらマロンが俺の事をジーと見ていた。
「なんだよ」

「今、感じましたけど、マークさんって、少し冷たいですね」
とマロンはカーバングルを持ち上げキスをし、
「意地の悪いお兄さんに虐められて災難でしゅたねー」と赤子に話しかける様な口調で話してかけていた。

……マロンは急に親バカになってしまった。

『そして俺は、何も悪くない! 爺さんとマロンに逢ってから、色んな事に巻き込まれ、ギリギリで常に死にそうになりながら頑張ってるんだ!』

[38へ続く]

開示情報・カーバンクル
 色々と謎の多い吸血生物、ゆっくり成長して300年以上生きると言われている、大人になったら天に登り星になるとも言われている。
容姿が可愛いので昔から愛玩生物とされグループは剣歯虎で上顎犬歯がサーベル状となっては、いるが肉は食べないらしい。
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