上 下
19 / 26

19 坂道で見た後姿

しおりを挟む
19 

 俺は一晩で異常に色っぽく変貌したマロンに戸惑いを感じ、取り敢えず留守を頼んで逃げる様に朝靄の中、白壁が建ち並ぶ煉瓦坂を朝飯を買いにパン屋へ向かって降っている。
正直、彼女の変わり様にどう対処して良いのかわからず、あれこれ試行錯誤しながら坂を降っていた、一晩、一緒に過ごすと大抵の女性は門が開いた様に馴れ馴れしくなる。マロンもそれも変わらないと思うけどガラッと別人に見たいに雰囲気が変わった、今まで女の子の中でもダントツの変わりようだ。
……一晩中、少しイジメっぽくマロンを責めた……いやだいぶ強目にイジメその身体を痛ぶったマロンは首を激しく振り髪をバラつかせ、泣き叫びながらその裸体をほてり赤く染めていた……途中で隣り部屋に声が漏れるとヤバいと感じたのでパンティーを猿轡代わりに口に詰め込んだりもした、その状態で責められ身体をくねらせてるヤラシイ姿を思い出しては少し股間を膨らませたりニヤニヤしながら、(少し俺はSかも、それともドラゴンとの戦闘で興奮し過ぎて俺は壊れた?)そんな事を考えていたらパン屋を通り過ぎてしまった、仕事の予定もないので普通の徒歩速度で戻り、パン屋に入ろうと入り口に差し掛かった時、店からから出てきた人とすれ違った、その人に何かを感じた! 後を振り向いたらその人の後ろ姿は坂の下の方にまだ見えていた。
あのマロンの祖父に背中姿が似ている…
俺はその老人を追いかけた、が……曲がり角を曲がった所でその老人と思われる人の姿はもう見当たらなかった。
『まあ、人違いだろう、あの老人がブレスで焼かれた所は確かに見た……』
そうだ! その遺体を回収しに行った方が良いと思った。
家に戻って、少し近寄り難い雰囲気に変わってしまったマロンとの良い会話ネタができたと思い少し気が楽になった……

家に戻ったらマロンはテーブルに座っていた、戻った俺の事を見て、
「お帰りなさい、寂しかったわ」
「……そう、悪かったね、惣菜パンを適当に買ってきたから食べようか」
「お湯は沸かしときました」とお茶は入れたらマロンは対面に座らず、俺の真横に座り身体を擦り寄せてきた、しばらくその状態でパンを食べていたが俺は堪らず、
「あの~ 少し変わったよね、雰囲気」
彼女は俺を見つめ、
「あれだけの事をされれば変わるわよ誰でも」
「勝手な話しなんだけど、少し、その~ 初めてあった頃の雰囲気に戻れるかな? 少し子供っぽい感じの」
「そっちの方が良いの?」
「俺は気が楽かな、マロンが良ければだけど」
「……わかりました、貴方の言う事なら聞くわ」
と彼女は数回瞬きをしたら、あの妖艶な瞳が急に幼い目に変わった!
口元も少し緩んだ様に思える(俺はビックリした、それどうやんの? 奥義? 特殊能力?)
その後、彼女の声質も前の様にドンドン幼くなっていった……
どっちが本当のマロンなの?
何が真実なの? 
少し怖く感じた、パンの味もよくわからなくなった……

マロンは祖父の遺体を取りに行く事には当然であるが問題なく承知してくれた。[20へと続く]
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性癖の館

正妻キドリ
ファンタジー
高校生の姉『美桜』と、小学生の妹『沙羅』は性癖の館へと迷い込んだ。そこは、ありとあらゆる性癖を持った者達が集う、変態達の集会所であった。露出狂、SMの女王様と奴隷、ケモナー、ネクロフィリア、ヴォラレフィリア…。色々な変態達が襲ってくるこの館から、姉妹は無事脱出できるのか!?

心の癒し手メイブ

ユズキ
ファンタジー
ある日、お使い帰りのメイブは、”癒しの魔女”が住む『癒しの森』の奥で運命の出会いを果たす。倒れていたのは、平和を象徴する東の大国メルボーン王国の近衛騎士、レオンだった。彼が抱える使命とは、”曲解の魔女”によって突如もたらされたチェルシー王女を苦しめる『魔女の呪い』を解くこと――ただそれのみ。 “癒しの魔女”ロッティと、その使い魔であるヒヨコのメイブは、彼の願いに共感し、勇敢なる冒険へと旅立つ。 魔女の使う禁忌『魔女の呪い』は、生命力を吸い取り苦しみを与え死に至らしめる強力なもの。唯一解呪することができるロッティの魔法効力を底上げ出来る『フェニックスの羽根』を求め、使い魔メイブ、”癒しの魔女”ロッティ、”霊剣の魔女”モンクリーフ、近衛騎士団長レオン、騎士フィンリーは旅に出る。 世界の南ルーチェ地方に位置する『癒しの森』を拠点に、数々の困難な試練と不思議な出会い、魔女や人々、そして仲間たちとの織りなす絆を描くこの物語は、信じる心と愛情の物語でもある。 怒り心頭の”曲解の魔女”が語った愛するペットが被った悪戯の真相、人語が話せないことで苦悩するメイブ、心に秘めた思いと使命の板挟みに葛藤するロッティ、自分の行動に対し無責任だったモンクリーフの心の成長、人間でありながらメイブの言葉が判ってしまうフィンリーの秘密とメイブへの恋、忠誠心故に焦るレオンの誠実な想い。ロッティとレオン、メイブとフィンリーの異種族間の恋愛模様や、みんなの心の成長を経て王女の解呪に挑むとき、ロッティとメイブに立ち塞がる最後の試練は!? きらめく冒険と温もりに満ちたファンタジーが、今ここに始まる。 中世欧州風の、人間と魔女が共存する世界アルスキールスキンを舞台に、小さなヒヨコの使い魔メイブと、魔女や人間たちとのほのぼの王道ハートウォーミング冒険ファンタジー。

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

潜魔窟物語

STEEL-npl
ファンタジー
深き深き洞窟の奥底に住まう魔王。 その洞窟の名は『潜魔窟』と呼ばれている。 幾度となく英雄達に滅ぼされても、魔王もまた復活を繰り返す。

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

処理中です...