ソーサリー・魔法使いの少女

仙 岳美

文字の大きさ
上 下
13 / 26

13 反撃する俺達

しおりを挟む
13 

 俺はあの島の悪夢を思い出した!
「ブレス来るー!」
と叫んだ。
声に反応し彼女は絨毯が急上昇させた←気づくと真下は火の雲海になっていた危機一発でかわすこと事ができた、俺は迷わず「遊びは終わりだ、マロンも傷追ってるし、逃げよう、これ以上やると死ぬ」
「……はい、逃げましょ」
彼女は一瞬間を開けて理解してくれた。
今、見えている火の雲海は彼女を説得させるには十分過ぎる光景だった。
「しっかり私に掴まってフルスピード出します」
絨毯がドーンと爆走しギュンギュン凄い勢いで加速していった。身体だけその場に置いて行かれそうだった。
「ダメです付いて来ますね」
俺は後を振り向いたら確かにドラは付いて来ていた。
出せる最高スピードは同じくらいに思うが時たま奴は火の玉を飛ばしてくる。
彼女は後ろに目が付いてるかの様に絨毯を上下左右に巧みに操作してかわしている。俺は火の玉が横をすり抜ける時の顔に感じる熱さに堪らず首からぶら下げるているあの拾った面をインナー下から取り出し顔に装着した……視界が狭く暗く感じたが何か精神が落ち着いて冷静に客観的に状況判断できる気がしてきた……何かこの面には魔力が付与されてるのかな?
《あのドラゴン遊んでやがる……急に思えた、このままではどの道、奴が飽きて本気出してきたらヤラれると思った》
奴が油断しているうちに決着を付けるのが最善で唯一のチャンスだと頭の中で閃いた。
「マロン! 少し説明する聞いてくれ!」
「はい、なんですかって…ぎゃー!」
彼女は振り向いて俺の面を見て奇声を声を上げた。
「なんですか? 私の事をヤラシク覗いた時に使用したその変な面まだ持ってたんですか? その面は私にはトラウマです! こんな時にふざけないで下さい!」
「……まあ聞いてくれ、俺を奴の首の辺りに落とせるか? 奴の首の根本に穴を開けて下の動脈を切ってやる」
「切れるんですか? ドラゴンの鱗は硬いですよ」
「俺の剣は元々は竜系のウラコを切り裂くために開発された両刃刀だ、片方の刃はノコギリ状になっている、さらに両手で肢の中央から左右対称に強く絞ると柄の中に仕込んであるモーターが起動しギサミ刃が高速で上下に動く、それで鱗を切り裂さいたらその下にある奴の動脈に余っている炸裂弾四発全てぶち込んでやるよ!」
(二本ある首を両方切る事ができれば理想だがそれはまず不可能と判断した。狙うは両首の繋がる所だその下に生物なら必ず心臓に繋がる太い動脈があるはずだ)
彼女は俺の説明を聞いて。
「わかりました、あのドラゴンは、再生した片方の翼をまだ上手く動かせないみたいなので少しトロいです、イケると思います、ただ無理だと感じたら、迷わず中止して飛び降りて下さい、上手く拾いますので」
と彼女はニッコリした。
素直に良い子だと思った、最悪な結果の場合、俺が彼女を見れるのは、これで見納めになるかもしれないと思い、改めて上から下まで目に焼き付ける様に見たら、ある事に気づいた。
「あれ?」
先程ガーゴイルの腹に刺さったまま共に下に落ちていった、蛇槍を彼女は胡座の下に押さえ込んでいた。
「その槍?」
「あ、この槍は私から一定の距離を離れた自動帰巣する様に魔法をかけてあるんですよ」

『魔法とは便利な物で……』



 「マークさん、作戦に移る前に頼みごとがあります」
「ん、なんだ」
「さっき切られた私の傷口に……止血用の軟膏塗ってくれませんか、私は見ての通り火の玉避けないといけないので手が塞がってるので」
「『♡』いいけど軟膏はどこに?」
「ローブの内ポッケットの中に丸い缶が入ってます、それを右の脇の辺りにタップリベットリとお願いします、まだ少し血が流れてる様ですし」
「えーと……取っていいの?」
「しょうがないです、ローブを捲っていいです……」
……俺はそれを聞いて欲望のままに速行でローブを捲り、頭に被り、中に入った。
中は彼女の甘い匂いと血の匂いが充満していた。
彼女の下着、ようはブラジャーは、右のサイド側は切断され血で赤く染まり下にたれていた、その光景は見てて少し胸が痛く感じた。
「左下に、ポケットあります」
俺は微妙に荒くなる息を抑え、ローブの内ポケット探りると……《ガリ》
『イッテ!』
何かに噛まれた、それはハムスターだった……
『ペットか?』
もう一回……
ようやく手に丸く冷たい缶の感触を感じた。
よし! 軟膏だ。
俺はその缶の中に右手の親指以外の指を全部突っ込みタップリと手の内側に軟膏を掻き取り出した。
そして彼女の右脇腹の辺りを塗り塗りした。
ついでに手の感触で傷の状態も確認してみた「うっうん」彼女は軽く疼いた。
「傷の深さは、触った感じだと浅いよ」
「そんですか、よかった、痛いので、もうあまり傷口を必要以上に弄らないで下さい…」

「……」

彼女は静かにしている。

揺れる中、なんとか塗り終えた。
「終ったよ」
「ありがとうございます、なんか予想より長かったですね……では作戦に移りましょう」
「どういたしまして♩」
(へっへへ楽しかった、今から特攻仕掛けるんだからこのくらいは、いいよな! 神様)
[14に続く]
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

心の癒し手メイブ

ユズキ
ファンタジー
ある日、お使い帰りのメイブは、”癒しの魔女”が住む『癒しの森』の奥で運命の出会いを果たす。倒れていたのは、平和を象徴する東の大国メルボーン王国の近衛騎士、レオンだった。彼が抱える使命とは、”曲解の魔女”によって突如もたらされたチェルシー王女を苦しめる『魔女の呪い』を解くこと――ただそれのみ。 “癒しの魔女”ロッティと、その使い魔であるヒヨコのメイブは、彼の願いに共感し、勇敢なる冒険へと旅立つ。 魔女の使う禁忌『魔女の呪い』は、生命力を吸い取り苦しみを与え死に至らしめる強力なもの。唯一解呪することができるロッティの魔法効力を底上げ出来る『フェニックスの羽根』を求め、使い魔メイブ、”癒しの魔女”ロッティ、”霊剣の魔女”モンクリーフ、近衛騎士団長レオン、騎士フィンリーは旅に出る。 世界の南ルーチェ地方に位置する『癒しの森』を拠点に、数々の困難な試練と不思議な出会い、魔女や人々、そして仲間たちとの織りなす絆を描くこの物語は、信じる心と愛情の物語でもある。 怒り心頭の”曲解の魔女”が語った愛するペットが被った悪戯の真相、人語が話せないことで苦悩するメイブ、心に秘めた思いと使命の板挟みに葛藤するロッティ、自分の行動に対し無責任だったモンクリーフの心の成長、人間でありながらメイブの言葉が判ってしまうフィンリーの秘密とメイブへの恋、忠誠心故に焦るレオンの誠実な想い。ロッティとレオン、メイブとフィンリーの異種族間の恋愛模様や、みんなの心の成長を経て王女の解呪に挑むとき、ロッティとメイブに立ち塞がる最後の試練は!? きらめく冒険と温もりに満ちたファンタジーが、今ここに始まる。 中世欧州風の、人間と魔女が共存する世界アルスキールスキンを舞台に、小さなヒヨコの使い魔メイブと、魔女や人間たちとのほのぼの王道ハートウォーミング冒険ファンタジー。

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

フローズン・シャドウホールの狂気

バナナチップボーイ
ファンタジー
札幌game勝手に振興会のYouTubeの企画「昔小説家になりたかったオッサンが今さらChatGptを利用して面白い小説を書けるかどうか試してみることにした。」において書き上げた小説になります。 世代的にオッサンなので古めかしく重い感じのファンタジー作品となっております。同世代や濃厚なファンタジーが好きな人にはいいかもしれません。 内容:冒険者アリアが仲間二人と共にフローズンシャドウホールというダンジョンの探索を行うという内容です。その場所に秘められた謎とは果たしてなんなのか?? それは作者にも分からない。なぜならば、これはChatGptを駆使して書かれた作品だから。何が飛び出すのかは分からない。最後までご覧あれ。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

処理中です...