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⑥息詰まる俺
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⑥
彼女はこの島から北の方角が大陸だと言ってたので俺は剣の柄底にねじ込まれている蓋と兼用の小さい方位磁石を取り出し島の北側に回った……
海は少し荒れていた……
そう言えば昨晩から朝方にかけてこの島まで送ってくれたイルカの事を思いだし、また現れてくれないか期待して見たが都合よくは来てくれない……
そのうち海面に何かの生物のヒレが見えた。
そのヒレはスズキの背びれの様に尖っていた……
そのうち太い蛇の様な胴体が波の間からチラチラ垣間見え、それはシーサーペントと呼ばれる全長が少なくても100メートルは有ると言われている海竜で、とてもじゃないが人間が太刀打ちできる相手ではなく、今海に入るのは無謀に思え、しばらく砂浜に座りボーとしてしまった。
正直に言うと海竜を見て泳ぐ気は無くなってしまった……
彼女に敵討ちに向かったら死ぬだけだ無謀と言ってる様にちっぽけな俺が化け物だらけの海に入る事も無謀に思えた。人は自分の事になると見えなくなる事柄もあるらしい。
しばらく砂浜で砂山を作ったり棒で砂に絵を描いたりしそれに飽きてきたら、左右対称のビーチサンダルを拾いそれを履き、今自分がしている何の当ても無い意味の無い行動から来る発狂しそうな雑念を振り払うかの様に島中央の森の中を歩き回り、そして赤い夕日が現れ、地平線に落ちかけ、周囲は暗くなって行った……
森の中では簡素な目の所だけくり抜いてある、木の面を拾った。
昔ここに住んでいた原住民の物だろうか?
防腐加工されているみたいでまだ使えそうだ……(なにに?)
あと一つこの自我を騙す様な行動にも成果はあった、それは砂浜でとても綺麗な小指位のサイズの翡翠を見つけた。
俺は夕日を見て『はー』とため息を尽き、拾った翡翠をあてにもう一度、彼女に頼み直そうと家に引き返した……
[次回⑦]
彼女はこの島から北の方角が大陸だと言ってたので俺は剣の柄底にねじ込まれている蓋と兼用の小さい方位磁石を取り出し島の北側に回った……
海は少し荒れていた……
そう言えば昨晩から朝方にかけてこの島まで送ってくれたイルカの事を思いだし、また現れてくれないか期待して見たが都合よくは来てくれない……
そのうち海面に何かの生物のヒレが見えた。
そのヒレはスズキの背びれの様に尖っていた……
そのうち太い蛇の様な胴体が波の間からチラチラ垣間見え、それはシーサーペントと呼ばれる全長が少なくても100メートルは有ると言われている海竜で、とてもじゃないが人間が太刀打ちできる相手ではなく、今海に入るのは無謀に思え、しばらく砂浜に座りボーとしてしまった。
正直に言うと海竜を見て泳ぐ気は無くなってしまった……
彼女に敵討ちに向かったら死ぬだけだ無謀と言ってる様にちっぽけな俺が化け物だらけの海に入る事も無謀に思えた。人は自分の事になると見えなくなる事柄もあるらしい。
しばらく砂浜で砂山を作ったり棒で砂に絵を描いたりしそれに飽きてきたら、左右対称のビーチサンダルを拾いそれを履き、今自分がしている何の当ても無い意味の無い行動から来る発狂しそうな雑念を振り払うかの様に島中央の森の中を歩き回り、そして赤い夕日が現れ、地平線に落ちかけ、周囲は暗くなって行った……
森の中では簡素な目の所だけくり抜いてある、木の面を拾った。
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あと一つこの自我を騙す様な行動にも成果はあった、それは砂浜でとても綺麗な小指位のサイズの翡翠を見つけた。
俺は夕日を見て『はー』とため息を尽き、拾った翡翠をあてにもう一度、彼女に頼み直そうと家に引き返した……
[次回⑦]
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