少し怖いホラー短編集（文字数500以下）

反響スピーカー

ホラーミステリー

序
　その子供は容姿が鬼に似ている事からイジメられ学校にも行かなくなり、捻くれ、そのまま成人に成り、職にも着かず、毎晩、外で当ても無くフラつき歩いていた。
その夜もヒッコ抜いたネコジャラシで見つけた野良猫をじゃらしている。
「へっへへ」


登場人物
　巡査
　　神室楼　二兵　（かむろ　にへい）

　六黒村（むくろむら）、その村の自治会は高齢を理由に崩壊し、そんな村の町内放送を知らせるスピーカーは長い眠りに着いた。
はずだった……が、ある晩……《ガッガ！パーフー！……「もう限界だ！てめら全員今から駆逐してやる！」》
その放送を聞いて村唯一の駐在所の警官は放送の発信施設でもある閉鎖した自治会館に急行する。
「アイツ遂に狂ったか！」

途中、元町内会長の翁の屋敷に寄り、その戸を叩く、が応答は無く、中に光りは無く、留守だった。

「こんな時！」


到着した会館の戸には鍵がかかっていた、とりあえず合鍵で戸を開ける……
電気は着かなかった、ブレーカーは落ちたままだった……
『？』

ギィギィ

二階会館奥の放送室の戸は半分程開いていた。
ホルスターから拳銃を抜き、中に入る。
ゴクリ
……
そこで見た者は、自分自身だった……
相手も拳銃を抜いていた。
「お、お前は！」

パーン！………

「コンナコトガ……アルワケ……」

翌朝、拳銃自殺した巡査が発見された……

巡査はひとりで自治を担っていたその業務は多忙だった……と理由がつけられた。

幕
　部屋の壁に立て掛けられた古い全身鏡は今も不気味気に光っている……

［終］

お題・スピーカー📢