【R18】師の教えと狼少年〈前章〉〜《本編》

仙 岳美

文字の大きさ
上 下
27 / 33

24 逢い引きの巻

しおりを挟む
24 逢い引きの巻

 今日、先生の襟には青い紫陽花のブローチが付けられていた、先生と僕で取り決めた合図だ……

 卒業式も来月に迫る週末の放課後、家に帰らず、ある神社跡地で先生が来るのを待つ……話だと昔、此処には静香神社と呼ばれる神社があったみたいだけど今は無く、敷地の半分が蓮子池の境内だけが残っている。今、僕の目の前には七色の蓮子が見えている、その蓮子をしゃがみ込み鑑賞していたら水面に丸い波状が見え始めた、雨がパラ付いて来た……『困ったなー』と思ったその時、
「わ!」と、両肩にふいに手を置かれ、後ろから声を掛けられた、
すぐに誰だかは、わかった、担任の先生だ、そして……
僕だけの先生だ。
「仙身君、待った」
「うん少し、でも逢えるのが楽しみで待つのも楽しいので、余り長くは、感じなかったです」
「楽しみにしてくれてたんだ」
「当たり前です」
「ありがとう」と僕に先生は微笑み掛けてくれた、先生は頭から服まで、びしょ濡れだった……
「こっちはまだ雨ましだね、先生はこんなに濡れちゃいました」
濡れた先生もキラキラしていつもより綺麗に見えた、なんか大人だけど大人っぽっく見えた。
先生は目を瞑り僕の手を掴み、
「顔、雨で冷えちゃった」
自分の頬に当てた……
「手、暖かいね、癒されるわ~」
(先生のほっぺった柔らか~)
僕は黙ってされるがままだった……
けど我慢できず、
「先生そそろそろホテル……」
「う、うん」
先生は周りを見渡し……
「あー あれ見て、アソコー」と指を差した、その先には、茎が木の様に太く、先っぽが大きい葉状の植物が群生し茂っていた。
「あれ傘になるよ、ホテルまであれ差して行こうよ」
先生はたまに無邪気な子供みたいになる、そんな先生も好きだった。

 先生とその葉の大きい草の茂みに近づいた時、先生はつまづき、その背の高い草との間に吸い込まれる様に倒れ込んで行ってしまった、先生が倒れ込んだそこはその背の高い草に囲まれた、人二人が寝転がれるくらいの広さの、刈った草が意図的に地に敷き詰められた円形の敷地だった、端に先端に円刃が取り付けられた草刈り機が捨てる様に置いてあった、他に苔が湧いた赤い小さいラジオとスキットル(小さい水筒)が転がっている。この空間は、今は使われていない、誰かの秘密の休憩場だったようだ……そこに倒れた先生は両手で上半身を起こし、その上半身だけ僕の方に捻る体勢で両足は僕の足元に投げ出された様な感じだった……先生のスカートは、はだけていた……先生は子犬の様な眼差しで僕の事を見上げ、見つめている……

「……」

「仙身君、ホテル行こうか……」

僕は衝動的に先生に追い被さった。

「きゃ! え! 此処で! 先生外でした事ないよ!」
「だから今からやるんです! 髪濡らして色っぽくしている先生が悪いんです!」
「えー そんなー」
キスより最初に先生の、はだけた股ぐらに顔を埋めた、
「え、いきなりそこ!」
「もうたまらないです、その濡れた太もも」
「あー 大人になったわね、最初はいつもオッパイだったのにー」
小雨の中、濡れながら絡み合った……
終わった時に雨は上がっていた……
先生も僕も雨とお互い出し合った精液でグシャグシャだった……周囲には雨で湧き上がって来た土壌や草の湿っぽい土青臭い匂いと、先生の香水、僕と先生の体液による淫行臭らの匂いが混ざり合い複合的な匂いが立ち込めていた、それは何か性的に興奮してくる匂いだった、現に今日はいつもより長く先生を抱いていた気がする、まだイケそうだ……
僕は胡座をかき、草に囲まれた円形の空を見上げた……
先生も身体を起こし、胡座を描いて座る僕の後ろから、しがみ付くように抱き付き、頬を僕の背に押し付けながら呟いた……
「卒業しても先生とはこのままでね」「はい、いつまでも」先生とは一緒だけど……高校生活はもう終わるんだと実感が急に湧いた……

僕は再び先生の身体を手繰り寄せた……

月が出る迄そこにいた……

25へ続く。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

乙男女じぇねれーしょん

ムラハチ
青春
 見知らぬ街でセーラー服を着るはめになったほぼニートのおじさんが、『乙男女《おつとめ》じぇねれーしょん』というアイドルグループに加入し、神戸を舞台に事件に巻き込まれながらトップアイドルを目指す青春群像劇! 怪しいおじさん達の周りで巻き起こる少女誘拐事件、そして消えた3億円の行方は……。 小説家になろうは現在休止中。

榛名の園

ひかり企画
青春
荒れた14歳から17歳位までの、女子少年院経験記など、あたしの自伝小説を書いて見ました。

GIVEN〜与えられた者〜

菅田刈乃
青春
囲碁棋士になった女の子が『どこでもドア』を作るまでの話。

切り札の男

古野ジョン
青春
野球への未練から、毎日のようにバッティングセンターに通う高校一年生の久保雄大。 ある日、野球部のマネージャーだという滝川まなに野球部に入るよう頼まれる。 理由を聞くと、「三年の兄をプロ野球選手にするため、少しでも大会で勝ち上がりたい」のだという。 そんな簡単にプロ野球に入れるわけがない。そう思った久保は、つい彼女と口論してしまう。 その結果、「兄の球を打ってみろ」とけしかけられてしまった。 彼はその挑発に乗ってしまうが…… 小説家になろう・カクヨム・ハーメルンにも掲載しています。

百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話

釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。 文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。 そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。 工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。 むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。 “特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。 工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。 兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。 工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。 スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。 二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。 零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。 かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。 ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

処理中です...