【R18】師の教えと狼少年〈前章〉〜《本編》

仙 岳美

文字の大きさ
上 下
17 / 33

12 強襲教室の巻

しおりを挟む
12強襲教室の巻

12巻は全巻11と時間の重なるお話し。
この巻の主役である副学級委員長・二ノ丸 守君から見た視点での物語。

🇯🇵登場人物
 
 🐺先生(担任 狂乱中)


🎌生徒布陣一覧

☠️この巻の主人公兼語り
 🪖二ノ丸 守(にのまる・まもる 副学級委員長🎖️
        大柄な生徒 高3)

 🪖仙身 一馬(せみ・かずま 学級委員長)🎖️

 🪖近衛 将一(このえ・しょういち 生徒会書記 
        IQ120)🎓

 ⛑若草 光 (わかくさ・ひかる 小柄な美少年
        先生の遠縁で更にオキニ)💋

 🪖江口 希望(えぐち・きぼう 志願兵)🫡

 🪖師命 帯斗(しめい おびと)

 🪖鴇間 一騎(ときはざま かずき)

 🪖穴笠 光太(あながさ こうた)

 🪖月海 晶 (げつかい あきら)

 🪖穴田 真司(あなだ しんじ)

 🪖村上 藍将(むらかみ あいすけ)

 🪖北  拓也(きた たくや)

 🪖甲斐 力也(かい りきや)
 
 🪖目黒  礼(めぐろ れい)
 
 🥀高島 真矢(たかしま まや 女生徒)

他・男子生徒二名・女性生徒三名(名前非公開)

=私立聖斗天草高等学校でのお話=

 俺が今いる所は……授業中の教室……いや狂室と言う方か適切な表現なのかも知れない。
女生徒4人を除いた男子生徒は俺を含め全員ビビっていた!
何故かと言うと、
今、教卓の横に立ち、指示棒を振るう担任は、生理なのか? 男に振られたのか?
どちらかは解らんが、すこぶる機嫌が悪いからだ!
男を目の仇にしている感じの、陰気を放っている。
目は燃えている!
指され答えられなければ、キツーイ言葉で責められ、魂は削られ、その日の人生は終わる。
もう3人ヤレタ!
その3人は〆られた魚のようにグッタリして机に伏せている…… 

元々担任である先生の授業は厳しかったが、最近リミッターが外れた様に、更に暴走加速している!

今日に限って、秀才で我らが守護神である、近衛君が最近流行り出した、たちの悪い風邪にかかり、ダウンして休みだった。

昨日、集中的に指された学級委員長の仙身は、流石に精神に限界がきたのか、今日は学校を休んでいる……

飛車と角を失った我々は今、非常に厳しい劣勢な状況に追い込まれ、さらされている。

先生は目を細めて全員を見渡している。
「では、コレ答えられる人……誰も手上げないのねー じゃ~先生が指しちゃおうかなー はい! そこの君」
周りに緊張が走ったー
(誰だ?)
「君、君、お前!」
俺だった……
答えられなかった……
ゴゴゴ……先生はニヤリとした。
「なんで答えられないの昨日、言ったよね! 明日此処誰かに答えて貰うから考えておくようにって! 確かに言ったよね、先生」(ひっえー)
先生の目は真丸になり、俺を見つめてきた(こっえー)
「あー わかたったー 先生の事、女だからと思って甘く見てるのかな? 君は」
「……」
「しょうがないわね、解るところ迄でいいから訳して」
「すみません、漢文は良く解らなくって全部……」
「そう思ったから、前日に問題まで教えてあげたんでしょ? なのに少しも答えられないって事は、何もしないで今日、指されない事を運に任せて、サボってただけでしょ、違うかな?」(ヤバい俺の場合はネチネチ言葉責めモードだ)
「まぁいいわ、このくらいにして置いてあげる」
ホッとしたのもつかの間。
「さっさとお尻こっち向けて」 
「え!」
「早くー」
「バッシン!」
「ぐっわしー」
「嘘よ、口で言っただけよ、当てて無いわよ」
指示棒でお仕置きされたかと思った。
恐怖でかなり精神が揺さぶられ、気持ちが麻痺してる気がする……
そんな俺を見て、皆んなも俺が叩かれたと勘違いした様で、自分ごとの様に顔が引きっつていた……
先生は指示棒の先を摘んで、クリクリと転がしながら生徒の間を次の獲物を狙う様にゆっくり見渡しながら歩いている。

同じ問題で次ぎ指されたのは、華奢で色白の若草君だった、奴も答えられなかったが、先生は……
「うんうん、ちょっと難しかったかな、今度先生と補習しようね、座って良し」
(ななななっな! 露骨に目の前でえこひいきすっか!)
こうして教室は荒波に飲まれて漂流していく船の様に異様な禍々しい空間に侵食され飲まれて行った……

 しばらくして俺にある問題が発生した、極度の緊張からか腹が痛くなってしまった!
ぎゅるるる腹が鳴る、これは間違いない!
だが知っての通り、トイレに行きたいが言いづらい……
時計を確認した、授業終了まで後30分我慢できるか……いやダメだ確実に漏れる。
決心して手をあげ、お決まりの声を発しようとした時、
「はい、二ノ丸君答えて」
「えっ!」
腹痛に意識を集中し過ぎて授業の内容を全然聞いてなかった!
「あの、その……」
先生が近づいてきた。
「ん、どうしたの? わかるから手あげたんでしよ、早く答えて」
もうダメだ漏れる……
「先生トイレ行って良いですか?」
先生はニヤリとして。
「ダメです」

「え!」ギュルルルル!

「てっ先生が行ったら、君は我慢できるのかなー、『行って良いですかは?』先生に選択権を与えてるよね、君は『先生トイレに行きます』と言うべきです」
(そんな説明いいから! あ! 少し漏れ……)
「良いわよ、行ってきなさい」

「はいーー!」
俺はケツの穴を抑えながら、トイレに駆け込んだ……間に合った~(ハーレルヤハーレルヤハレルヤー♪)聞こえないはずのBGMが聞こえた、天使も見えた、このまま俺を空に連れていってくれ頼む……あータバコ吸った事ないけど手元にあったら吸って見たい心境になった……しかし先生は変わった……ハッキリ言ってプッツンしている、壊れている、恋愛経験無の俺でもアレは男に持て遊ばれたあげく捨てられたか、もしくは何かに裏切られた女の行動だと感じる……TVドラマで得た知識だけでの予想だが……
絶対的安全なトイレ結界で少しゆっくりしてから教室に戻る事にした。

 長い廊下をゆっくり歩き、できるだけ時間を稼ぐ。
教室が近づくにつれて相変わらず誰かがネチネチと、やれている声が聞こえてきた。
少し離れた所から聞く先生の言葉責めは何かヤラシクく聞こえた……

『もしもしー 君の頭は起きてるのかなー 深夜迄教科書じゃない、イケナイ本でも見てたのかな~』

言葉責めを喰らっている江口は涙目になっていった、ハッキリ言って悲惨だ。
ちなみに江口は2年まで担任は違う先生だった……この学校は基本担任は3年間固定のはずだが何故か彼だけ3年になった時にうちのクラスに編入になった、噂では自らうちの担任を希望したそうだ、勇敢な志願兵だ……

教室に戻った俺に先生は、
「随分と遅かったわね、なにか他の事でもしてるのかしらと先生心配しちゃったわ」

「すみません、思ったより溜まってた、みたいで」(ここで他の事とは何か? 聞いてはいけない、俺に絡む為の罠だ)

先生は俺をジーと瞬きせずに見つめている。 
(先生は何を考えてるんだ? 今は相手にしない方が良い、黙ってやり過ごすだ、そう思えた)
「……」

「まぁいいわよ、座って、聞いてない箇所は後で友達に聞くなり、昼休みに職員室まで聞きに来なさい」

職員室までだと!
俺は戦慄し寒気がした、この虎に目を付けられたのか!
一番恐れていた事態だ。
その時、救いの授業終了を知らせる解放のカネが鳴った!
「はい! 今日はここまで! 一同礼!」
我々は一糸乱れぬ感じで先生に礼をした!

 学級委員としてこの状況は悪いと思ってる皆んな耐えてくれ……原因が何かは知らんが、仙身が絡んでいるは確かだ、何故なら、最初はあいつだけが集中攻撃をされていた……いったい先生に何をした?
事故的原因でオッパイでも触ってしまったのか?
もしくはオナラしてる所を偶然見てしまったのか?
仙身がダウンしたら、その矛先が我々に向かった……
近衛と仙身、早く前線に復帰してくれ、俺もたまに自ら手を挙げ、先生の責めを受け持ってるがそろそろ限界だ……
徐々に言葉責めが激しさを増している、そろそろ、先生がいつ大爆発してもおかしくない!
いつまでコレが続くんだが……俺も明日休もうかな。【続】↓

=先生は普通では無い!の巻=(おまけ)

お題・角に沿って制作。(投稿サイト提供)

※語り・先生
 
遂に追い詰めたわ! 
私しは角を見ている。
怯えているように思える、何故皆んなこんな物が怖いの~
さてソロソロトドメ刺しちゃおうかな♡
「えい! っと」
角に追いやられたGは死んだ。(〆)

※此処から語り人、二ノ丸 守

先生は、なんと!
笑顔でGを素手で掴み、メッシャっとし、ゴミ箱に投げた。
それを見て、弁当を食べている、俺達は震えた。
先生は壊れている!
普通では無い!

~追記~
 最近、先生は教室で弁当を食べるようになった……
安息の昼の時間すら俺達を監視する気だ……
先生は角が生えたみたいに、どこまでもやる事がエグい。
それとも先生は寂しいのか?
その心の穴埋めを俺達に期待されても困るんだが……。(汗)【続】13へ続く。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件

遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。 一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた! 宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!? ※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

乙男女じぇねれーしょん

ムラハチ
青春
 見知らぬ街でセーラー服を着るはめになったほぼニートのおじさんが、『乙男女《おつとめ》じぇねれーしょん』というアイドルグループに加入し、神戸を舞台に事件に巻き込まれながらトップアイドルを目指す青春群像劇! 怪しいおじさん達の周りで巻き起こる少女誘拐事件、そして消えた3億円の行方は……。 小説家になろうは現在休止中。

榛名の園

ひかり企画
青春
荒れた14歳から17歳位までの、女子少年院経験記など、あたしの自伝小説を書いて見ました。

GIVEN〜与えられた者〜

菅田刈乃
青春
囲碁棋士になった女の子が『どこでもドア』を作るまでの話。

切り札の男

古野ジョン
青春
野球への未練から、毎日のようにバッティングセンターに通う高校一年生の久保雄大。 ある日、野球部のマネージャーだという滝川まなに野球部に入るよう頼まれる。 理由を聞くと、「三年の兄をプロ野球選手にするため、少しでも大会で勝ち上がりたい」のだという。 そんな簡単にプロ野球に入れるわけがない。そう思った久保は、つい彼女と口論してしまう。 その結果、「兄の球を打ってみろ」とけしかけられてしまった。 彼はその挑発に乗ってしまうが…… 小説家になろう・カクヨム・ハーメルンにも掲載しています。

百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話

釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。 文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。 そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。 工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。 むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。 “特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。 工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。 兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。 工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。 スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。 二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。 零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。 かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。 ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...