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前章②走りだした青春の巻
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全章②走り出した青春の巻
高校生活が始まり二週間が経ち、最初はビビってたけど所詮は学生で慣れてしまうと中学と余り変わらない気がする。できた友達は二ノ丸君。副学を頼んだその絡みで仲良くなり、休憩時間は彼が良い話し相手になってくれるので暇はしない。
学級委員長である、僕の役割を先生に聞いたら解りやすく言うと号令とクラス内の平和維持で最初は大変な事を押し付けられたと思ったけど、ざっと見てもクラス内で特に揉め事も無く、クラスガッチャは当たりかなと思う。ただ一つ不満を言うとクラスに女子が4人しかいない、大半の人数は何故かAクラスに割り当てられている、その貴重な4人も『うーんあまり』って感じです。
そんなある日、昼休み校庭の隅に生えている古大樹を日陰にし、その二ノ丸君と雑談をしていた。
「二ノ丸君、うちのクラスの女子ってさ、余り可愛く無いね」
「まぁな、だけどな容姿は生まれて持っての物だから本人達に罪はないし、特に女子で容姿が悪いのは同情すらするな俺は」
「でも性格は努力でなんとか、なるよね」
「性格も心が満たされてないと悪くなってくるもんよ、女は容姿に対しては必死だからなー がっははははははは」
『二ノ丸君、少しはしゃぎ過ぎ……』
僕は自分で振ったこの会話が誰かに聞かれてないか心配になった、彼は声デカいし。
その時、空を向いて大笑いしている彼の笑いが急に止まった。
「どうしたの? 二ノ丸君」
彼は空を指で差した、
その方向を見ると僕達が背にしている大樹の枝上に1人の女生徒が器用に仰向けに寝転がり、文庫本を片手に読んでいた!
その女生徒は、
「ヨッと!」
掛け声をあげ、起き上がり本を口に咥え、木の上から飛び降り、俺達の前に降り立った。
その姿というか容姿ハッキリ言って見事で、長身で肩幅は広く、目は一重の切れ長、睫毛眉毛も形良く、鼻は高く唇も綺麗な形に整っていた、黒髪は艶々しており、肌は餅の様に白かった、腰のくびれも細く胸も……。それにうちの赤と黒のツートンカラーの襟の大きい軍服の様なブレザーの制服がとても似合っていて更に彼女が独自のセンスで追加した胸に付けた金百合のブローチもいい感じに制服にマッチし光っていた。ちなみにうちの女子の制服は大半の女子生徒は制服負けして似合わない事から、やり過ぎデザインと評判は悪かったが、やはり服がその魅力を発揮するのは着る人間次第なんだろうと彼女を見て思った。
彼女は口を開いた、
「聞いたわよ、今の会話」
「!」
「!」
二ノ丸君は焦って弁解した。
「今の会話は勢いが付いた、ただの流れだ本心では無い! 忘れてくれ」
「うーん どうしようかな」
彼女は僕の方を見て、
「君は私の姉が担当する生徒ね、よく姉が話しているわよ君の事、良くも悪くもね」
どうやらこの子は先生の噂の妹さんらしい僕達とは同い年でクラスは隣のC組。恐らく姉が担任じゃアレなんで学校側の配慮もあるのだろう、先生は僕と同じこの島国の出身だと聞いた、当然、先生の妹である彼女も島民だろう、でも僕は今まで彼女は街中でも見た事はなかった、こんな綺麗な子がこの島国にいたんだと思った、ハッキリ言って先生の容姿を底上げした様なその容姿からして目立つはずだけど? この島には、北と南に中学がある、彼女が通っていた中学は僕とは違う、北側の方だったのだろう……。
人との縁はこんな物なのかな~と思った。
まあ、その事はいいとして僕は先生にどう思われてるのか興味が湧き、聞いて見た、
「僕の事をなんて言ってるの先生は?」
「聞きたい」
「そう言われると怖いな」
「じゃやめときなよ」
「少し教えて」
「頼りなさそうだから強調性持たせるためにあえて学級委員長やらしたってさ」
「頼りなさそう」
「そう」
それを聞いて二ノ丸君が口を開いた、
「確かになんかハッキリしないよな、でもよく言えば慎重であると俺は思ってるぜ」
二ノ丸君と彼女を通して今聞いた先生の僕に対しての評価は素直に当たっていると思った。
物事なんでも決めつけない方がいいのだ常に修正が効く様に曖昧にしておき、自分に精神的ゆとりを持たせておくのが僕のやり方だ、これからもこの生き方は変える気はない、それが僕には色んな意味で合っている。
「ふーん、わかったよ」
と僕は受け答えた。
彼女はニヤリとして、
「後、可愛いとも言ってたわよ」
「……」
「あ、思い出した、初日の受け付けの時に胸元覗かれたって言ってたかな~」
「え!」
僕は焦った!
「でも気にして無い見たいだから、大丈夫だと思うよ」
「……」
(じゃ最初から言うなよ)
僕は恥ずかしくなって黙った。
二ノ丸君は彼女に再度口止めの釘を打った。
「なあ、さっきの話しはくれぐれも他の奴には言わんでくれよ、揉めると面倒くさいから」
「言わないわよ、当たってる事だし、私もあの子達は気に入らないし」
「そっか、それ聞いて安心した」
「ただ一つ、お願いがあるわ」
「おっ、なんだそれは?」
「あなた達、私と絡んでよ、私のクラス私し入れて女子二人しかいないのよね、もう一人の子なんか私の事、怖がっていて馴染めそうにないのよね、男子は面白そうなのいないし」
『確かに僕も美人は少し怖い感じはする……』
「なんだそんな事か、いいぞ俺達で良ければ、なっ! 仙身!」
「うん……」
と返事したけど僕は何となく彼女の容姿が良すぎる事と、話すうちにだんだん彼女の性格に底無しの強さを感じ、それが不安に変わり気が乗らなかった。様は毎日顔を合わせるには重たい感じがする。けど来る人を拒む理由も無いし、二ノ丸君は気に入った見たいだし、何より先生の妹なのでその事もあり僕はオッケーしといた……
その時、昼休憩の終わりを知らせるチャイムが鳴った。
「じゃ教室戻るか! 俺は二ノ丸、お前は?」
「私は大神麻美」
「麻美か、よろしくな」
麻美はニッコリし、
「校舎まで走って帰りましょ」といきなり唐突な事を言い出したが二ノ丸君も
「走ってか! 面白い! 青春だな!」
と話しに乗ってしまい走り出した!
「負けた方が帰りおごりねー」
と麻美は叫んだ!
『えっ!』と思い、僕も続けて頑張って走ったが背が高く足が長い、さらに青春真っ只中の熱い二人には追いつけず、結局は帰りによろず屋で僕は、その熱い熱を冷ますかのようにアイスをおごらされた。(後で『すまんかったな』とニノ君はお金はくれた、やはり副学級委員に選んだ僕の目に狂いはなかった。麻美には……あのオッパイでいつか払ってもらうかな)
は~ しかし青春だからって別に意味なく走らなくてもいいよ、夕日もまだ出てないし……
これが後に一時は恋心を寄せ、二年後には僕を悩ませ、物事は曖昧にしないでハッキリさせるところはする。と考えを変えさせた麻美との最初の出合いだった……前章③へ
高校生活が始まり二週間が経ち、最初はビビってたけど所詮は学生で慣れてしまうと中学と余り変わらない気がする。できた友達は二ノ丸君。副学を頼んだその絡みで仲良くなり、休憩時間は彼が良い話し相手になってくれるので暇はしない。
学級委員長である、僕の役割を先生に聞いたら解りやすく言うと号令とクラス内の平和維持で最初は大変な事を押し付けられたと思ったけど、ざっと見てもクラス内で特に揉め事も無く、クラスガッチャは当たりかなと思う。ただ一つ不満を言うとクラスに女子が4人しかいない、大半の人数は何故かAクラスに割り当てられている、その貴重な4人も『うーんあまり』って感じです。
そんなある日、昼休み校庭の隅に生えている古大樹を日陰にし、その二ノ丸君と雑談をしていた。
「二ノ丸君、うちのクラスの女子ってさ、余り可愛く無いね」
「まぁな、だけどな容姿は生まれて持っての物だから本人達に罪はないし、特に女子で容姿が悪いのは同情すらするな俺は」
「でも性格は努力でなんとか、なるよね」
「性格も心が満たされてないと悪くなってくるもんよ、女は容姿に対しては必死だからなー がっははははははは」
『二ノ丸君、少しはしゃぎ過ぎ……』
僕は自分で振ったこの会話が誰かに聞かれてないか心配になった、彼は声デカいし。
その時、空を向いて大笑いしている彼の笑いが急に止まった。
「どうしたの? 二ノ丸君」
彼は空を指で差した、
その方向を見ると僕達が背にしている大樹の枝上に1人の女生徒が器用に仰向けに寝転がり、文庫本を片手に読んでいた!
その女生徒は、
「ヨッと!」
掛け声をあげ、起き上がり本を口に咥え、木の上から飛び降り、俺達の前に降り立った。
その姿というか容姿ハッキリ言って見事で、長身で肩幅は広く、目は一重の切れ長、睫毛眉毛も形良く、鼻は高く唇も綺麗な形に整っていた、黒髪は艶々しており、肌は餅の様に白かった、腰のくびれも細く胸も……。それにうちの赤と黒のツートンカラーの襟の大きい軍服の様なブレザーの制服がとても似合っていて更に彼女が独自のセンスで追加した胸に付けた金百合のブローチもいい感じに制服にマッチし光っていた。ちなみにうちの女子の制服は大半の女子生徒は制服負けして似合わない事から、やり過ぎデザインと評判は悪かったが、やはり服がその魅力を発揮するのは着る人間次第なんだろうと彼女を見て思った。
彼女は口を開いた、
「聞いたわよ、今の会話」
「!」
「!」
二ノ丸君は焦って弁解した。
「今の会話は勢いが付いた、ただの流れだ本心では無い! 忘れてくれ」
「うーん どうしようかな」
彼女は僕の方を見て、
「君は私の姉が担当する生徒ね、よく姉が話しているわよ君の事、良くも悪くもね」
どうやらこの子は先生の噂の妹さんらしい僕達とは同い年でクラスは隣のC組。恐らく姉が担任じゃアレなんで学校側の配慮もあるのだろう、先生は僕と同じこの島国の出身だと聞いた、当然、先生の妹である彼女も島民だろう、でも僕は今まで彼女は街中でも見た事はなかった、こんな綺麗な子がこの島国にいたんだと思った、ハッキリ言って先生の容姿を底上げした様なその容姿からして目立つはずだけど? この島には、北と南に中学がある、彼女が通っていた中学は僕とは違う、北側の方だったのだろう……。
人との縁はこんな物なのかな~と思った。
まあ、その事はいいとして僕は先生にどう思われてるのか興味が湧き、聞いて見た、
「僕の事をなんて言ってるの先生は?」
「聞きたい」
「そう言われると怖いな」
「じゃやめときなよ」
「少し教えて」
「頼りなさそうだから強調性持たせるためにあえて学級委員長やらしたってさ」
「頼りなさそう」
「そう」
それを聞いて二ノ丸君が口を開いた、
「確かになんかハッキリしないよな、でもよく言えば慎重であると俺は思ってるぜ」
二ノ丸君と彼女を通して今聞いた先生の僕に対しての評価は素直に当たっていると思った。
物事なんでも決めつけない方がいいのだ常に修正が効く様に曖昧にしておき、自分に精神的ゆとりを持たせておくのが僕のやり方だ、これからもこの生き方は変える気はない、それが僕には色んな意味で合っている。
「ふーん、わかったよ」
と僕は受け答えた。
彼女はニヤリとして、
「後、可愛いとも言ってたわよ」
「……」
「あ、思い出した、初日の受け付けの時に胸元覗かれたって言ってたかな~」
「え!」
僕は焦った!
「でも気にして無い見たいだから、大丈夫だと思うよ」
「……」
(じゃ最初から言うなよ)
僕は恥ずかしくなって黙った。
二ノ丸君は彼女に再度口止めの釘を打った。
「なあ、さっきの話しはくれぐれも他の奴には言わんでくれよ、揉めると面倒くさいから」
「言わないわよ、当たってる事だし、私もあの子達は気に入らないし」
「そっか、それ聞いて安心した」
「ただ一つ、お願いがあるわ」
「おっ、なんだそれは?」
「あなた達、私と絡んでよ、私のクラス私し入れて女子二人しかいないのよね、もう一人の子なんか私の事、怖がっていて馴染めそうにないのよね、男子は面白そうなのいないし」
『確かに僕も美人は少し怖い感じはする……』
「なんだそんな事か、いいぞ俺達で良ければ、なっ! 仙身!」
「うん……」
と返事したけど僕は何となく彼女の容姿が良すぎる事と、話すうちにだんだん彼女の性格に底無しの強さを感じ、それが不安に変わり気が乗らなかった。様は毎日顔を合わせるには重たい感じがする。けど来る人を拒む理由も無いし、二ノ丸君は気に入った見たいだし、何より先生の妹なのでその事もあり僕はオッケーしといた……
その時、昼休憩の終わりを知らせるチャイムが鳴った。
「じゃ教室戻るか! 俺は二ノ丸、お前は?」
「私は大神麻美」
「麻美か、よろしくな」
麻美はニッコリし、
「校舎まで走って帰りましょ」といきなり唐突な事を言い出したが二ノ丸君も
「走ってか! 面白い! 青春だな!」
と話しに乗ってしまい走り出した!
「負けた方が帰りおごりねー」
と麻美は叫んだ!
『えっ!』と思い、僕も続けて頑張って走ったが背が高く足が長い、さらに青春真っ只中の熱い二人には追いつけず、結局は帰りによろず屋で僕は、その熱い熱を冷ますかのようにアイスをおごらされた。(後で『すまんかったな』とニノ君はお金はくれた、やはり副学級委員に選んだ僕の目に狂いはなかった。麻美には……あのオッパイでいつか払ってもらうかな)
は~ しかし青春だからって別に意味なく走らなくてもいいよ、夕日もまだ出てないし……
これが後に一時は恋心を寄せ、二年後には僕を悩ませ、物事は曖昧にしないでハッキリさせるところはする。と考えを変えさせた麻美との最初の出合いだった……前章③へ
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