オルゴールと私

仙 岳美

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オルゴールと私

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 窓を開け空気の入れ替えをし、部屋の片付けをしていたら、たまたま何気なく本棚から抜いた一冊の本から一枚の洋封筒が床に落ちた。~✉️
拾い上げた、その封筒に少しの重みを感じた。

 気がつくと部屋の窓縁を、それは額縁の様に魅了してくれていた、色とりどりの木の葉は全て落ち去っていた……🍂
私はその事が引き金となり急にたまらずに淋しくなり、ある物を思い出し、机の引き出しから取り出した。
それは壊れたオルゴール。
その箱の裏にある動力ネジを、私はその時、時間を戻すかの様に願いを込め回し、《ギー、ギー、ギー、ギー》
ある程度回したら、起動させるためその蓋を開く。
…… …… ……
そのオルゴールは、やはり音を奏でてくれなかった。
中に納められた曲は、エリーゼのために……

私はそのポンコツなオルゴールを捨てれなかった、いや、見捨てれなかった……。
翌日修理業者宛に送った。
数日後に送り返されてきた。✉️📼
手紙とテープが添えられていた。
内容は、メーカ不明の為、部品調達不可との事だった。
ようするに直すと言うより、内部の機械を新しい物へ全換え、との提案だった。
サンプルテープから流れて来たメロディは素晴らしかった。
ただこれでは無いと思った……
故にフット苦笑いし、諦めかけた時……🎶
聞こえた。
確かに聞こえていた。🎶
しかしすぐに足元にうつ伏せに倒れた自分の姿を見た……。
ポンコツは私もだった……
その最後の時迄気づかなかった……
いや、多分……なんとなくは、気づいていたのかも知れない……
だから、このオルゴールを直す事に執着依存していたのだ。
こうして私は希望したメロディと共に天に上がって逝った。
今は、こうしてペンなどを握り、そのオルゴールと共に楽しく暮らしていると思う……楽園で……

                   the enq


「……」
読み終えた手紙を封筒に戻し、その机の引き出しを開けようとしたら鍵がかかっていた、『あっ』と思い、封筒の中を確認したら一枚の鍵が中にテープで貼り付けてあった。🔑
案の定その鍵で引き出しは解除できた。
中を確認したら奥に百合の花が蓋に彫られた木製の茶色いオルゴールを私は見つけた。
試しにネジを回して蓋を開けるとエリーゼのためにが普通に流れ、私は『アレ直ってる』と思ったら、オルゴールの中に一枚の折りたたまれた黄ばんだ紙を見つけた。
その紙を開いたら……!
こう書かれていた。

[終]全てフィクションです。


題材・執着
 それは近い未来を察した、心の警告なのやも知れない。

題材・遺書
 それの内容は基本的に決まってはいない。
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