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埠頭へ
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登場人物
主役・氷川 光(ひかわ ひかる 二十三歳)
友人・山下 公太郎(やました こうたろう 二十四歳)
日曜日の夕方、僕は家で遊びに来た友人とテレビをボー観ていた。
「休みも終わりだな~、俺たち今日も何もなかったな~」と友人が嘆いた。
友人の『何もなかったな』の意味は何となくわかるが、めんどくさいのでとりあえず「そうだな~」と返した……そのうち適当に合わしていたチャンネルから釣り番組の放送が始まった、釣りは家から少し歩けば埠頭や防波堤があるのにした事はなかった、近いと以外にやらない者である。(多分)
その釣り番組も終わり。
「飯食ってくか」
「いいのか」
「下から親がもうお前の分も用意してる音がしてるよ」
とその夜は母親と友人と三人でご飯を食べ、玄関で別れ際に靴を履きながら友人は「釣りか~」と一言つぶやいた。その時はそれだけだったが、その翌週の日曜日、いつものように暇つぶし来た友人と夕方、先週と同じ様にゲームにも飽き、またダラダラとテレビを流し観していたら、また偶然チャンネルが合っていた事から先週に見た釣り番組が始り、先週と同じ様に何となく見終わった後に友人は言った「今から釣り行かないか?」
「今から?」
「うん、今テレビでも夜釣りしてたし」
道具持ってないよ。
「行きに買おうぜ」
僕は財布を取り出し、中を覗いたら5千円入っていたが道具を一から全部揃えるには少し心元無い気もする。
友人に財布を開いて見せ、
「足りるか?」
「俺、一万もってるからいけるっしょ!、足りない分だけ出してくれれば良いよ」
と友人が気前の良い事を言うので断る理由もなくなり、晩飯を早食いし、物置からせめてもと、バケツだけ持ち出し、おかんの「きおつけなよ」と言う声を背に受け、友人とチャリで埠頭近くの釣具屋に向かった、途中友人は「あ、そうだ、おれんちよって」と言うので寄ったら友人はビーニル袋を一つ手にぶら下げて出て来た、
「なにそれ?」
「キャンプ用の調理器具だ、釣ったらその場で揚げて食べてみようぜ!」
「気の早いな~、釣れないかもよ」
「最悪一匹くらいは、釣れるだろ」
その言葉に前向きだなーと思いつつも友人のこの調子に俺も心が乗って来て、やる気が湧き、ひしぶりに胸の中に何か熱い物を感じ、釣具屋へ向かった。
夜空は満天の星空だった。《続》
主役・氷川 光(ひかわ ひかる 二十三歳)
友人・山下 公太郎(やました こうたろう 二十四歳)
日曜日の夕方、僕は家で遊びに来た友人とテレビをボー観ていた。
「休みも終わりだな~、俺たち今日も何もなかったな~」と友人が嘆いた。
友人の『何もなかったな』の意味は何となくわかるが、めんどくさいのでとりあえず「そうだな~」と返した……そのうち適当に合わしていたチャンネルから釣り番組の放送が始まった、釣りは家から少し歩けば埠頭や防波堤があるのにした事はなかった、近いと以外にやらない者である。(多分)
その釣り番組も終わり。
「飯食ってくか」
「いいのか」
「下から親がもうお前の分も用意してる音がしてるよ」
とその夜は母親と友人と三人でご飯を食べ、玄関で別れ際に靴を履きながら友人は「釣りか~」と一言つぶやいた。その時はそれだけだったが、その翌週の日曜日、いつものように暇つぶし来た友人と夕方、先週と同じ様にゲームにも飽き、またダラダラとテレビを流し観していたら、また偶然チャンネルが合っていた事から先週に見た釣り番組が始り、先週と同じ様に何となく見終わった後に友人は言った「今から釣り行かないか?」
「今から?」
「うん、今テレビでも夜釣りしてたし」
道具持ってないよ。
「行きに買おうぜ」
僕は財布を取り出し、中を覗いたら5千円入っていたが道具を一から全部揃えるには少し心元無い気もする。
友人に財布を開いて見せ、
「足りるか?」
「俺、一万もってるからいけるっしょ!、足りない分だけ出してくれれば良いよ」
と友人が気前の良い事を言うので断る理由もなくなり、晩飯を早食いし、物置からせめてもと、バケツだけ持ち出し、おかんの「きおつけなよ」と言う声を背に受け、友人とチャリで埠頭近くの釣具屋に向かった、途中友人は「あ、そうだ、おれんちよって」と言うので寄ったら友人はビーニル袋を一つ手にぶら下げて出て来た、
「なにそれ?」
「キャンプ用の調理器具だ、釣ったらその場で揚げて食べてみようぜ!」
「気の早いな~、釣れないかもよ」
「最悪一匹くらいは、釣れるだろ」
その言葉に前向きだなーと思いつつも友人のこの調子に俺も心が乗って来て、やる気が湧き、ひしぶりに胸の中に何か熱い物を感じ、釣具屋へ向かった。
夜空は満天の星空だった。《続》
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