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買った地獄《no48狼少年現代録》

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買った地獄《no48狼少年現代録》


小説投稿サイト提供お題・唐辛子に沿って制作。

俺 [主役兼語り]

彼女[たけみちゃん・同居彼女。
   劇中は恥ずかしいのであえて名では呼ばない]

 俺は今ある問題を抱えている、それは遡る事1週間前の昼、リビングで寝転がり空を眺めている俺の鼻腔にピザの焼けるよい匂いが漂ってきた。
「あ、タバスコもう少ないからさ、明日でも買ってきて」
と頼まれた俺は次の日、仕事帰りにデパ地下の食品売り場によった、タバスコが置かれている棚の前に立ち、タバスコの瓶を手に取ろうとしたその時、視線を感じた!その視線はタバスコの瓶から横に少し逸れた棚に詰められた商品からの物だった、それは大きさはタバスコと同じサイズではあったが表装は全然違く髑髏のマークが瓶中央に描かれている、それは毒の瓶の様な商品だった。俺はその危険な臭いがプンブンする禍々しいタバスコの様な商品に非常に惹かれた、値段もタバスコより百円高いくらいで何より瓶にくくりつけられたオマケの髑髏キーホルダーがカッコよかった、先程感じた視線はこのキーホルダーから発生られた物だと感じた、それは俺に買ってくれと訴えている様にも感じた、という事で俺はタバスコは売り切れていたと嘘を言えば良いと思いそのデスソースと言われる物を買って帰った、それを彼女に見せたら一言、
「何これ?」
「一応タバスコ見たいよ、いつものは売り切れてた」
「ふーんそうなんだ……ところで代わりのこれヤバいでしょ、味見したの?」
「味見?いまから……」
と、とりあえず瓶にくくりつけてあるキーホルダーを取ろうとしたら
横から彼女に瓶を取られてしまった!彼女はキーホルダーをつまみ少し眺めてからニヤリとした、
「コレは私がもらうわ、いいでしょ」
「あーそれは」
「このおまけのキーホルダー欲しかったからこれ買ったんでしょ!」
(ギック!)
「そもそも需要が少ないタバスコが売り切れ訳ないでしょ嘘下手ね」
「……」
「まあいいわよ、それ全部1人で使い切ったらこのキーホルダーは証としてあげるわそれまで私が預かってる、ただしタイムリミットは設けるわ三ヶ月ね」
「え! それ過ぎたら?」
「永久没収~私に嘘ついた罰」
と瓶だけ渡された、俺は思った、辛いって言っても所詮は大した事ないんだよ~無理なもんはそもそも売るわけないと思い、手の平に数滴たらし軽い気持ちで舐めてみた!!!!!!!!
その辛さは想像した次元を軽く超えてきた、これを作った奴はイカれてる……三ヶ月ではこのソースは使い切れないと判断した、俺は彼女の方を見て、
「せめて半年時間くれる?」
とルール変更を申し出た。
「ダメ三ヶ月」
「……」
「じゃ、わかったわよ、一月延長するたびに私のいう事一回なんで聞くこと、コレならいいでしょう、後は途中放棄無しね、最後迄やる事!」
俺はこの幕末の不平等条約みたいな彼女の代案を物欲しさの為に軽く受けてしまった、特に最後の文面に書かれた『途中放棄無し』という条約内容が後々まで俺を苦しめ続ける事になる事も知らずに……

それからタバスコをかける料理、ピザ、パスタ系、を食べる食事の時間は地獄の時間に変わった!その毒ソースは料理に数滴垂らしただけで用が足りる、なので迷惑な事にコスパも非常に良い中々減らない!と言ってかけ過ぎると死ぬ!俺は地獄を800円で買ってしまった男になった……実は現在もう既に二月延長してしまっている、その時に彼女がかねての約束通り、延長する代わりに俺にやらしたやらしい事は……ここでは言えない思い出したくない……あんな、あんな凄い事を俺に……次は何やらされるか少し楽しみ……いや間違えた恐怖だ……そんな身を切って延長したにもかかわらずソースは現在まだ8割も残っている……そのソースの濁った赤い色を見ていると中々終息する事のない血で血を洗うある戦記の物語を連想し今、俺が立たされている状況がその物語の世界と重なり俺は劣勢な状況に追い込まれている兵士の気分になった……その心の影響からか窓から見える真っ赤な夕日に照らされた町並みも燃えている様に感じた……[終]49へ続く。
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