尊き君と永遠に

仙 岳美

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僕達の新たな旅立ち

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 巣から旅立つ燕達が不慣れに飛び回る姿が目にする時期の週末、届いたスケッチブックと色鉛筆のセットを待って、近くの牧場へ僕達は向かった。
「この辺でいいかね」
と彼女が言った場所は、連なる山を背にした赤い牛舎を見る、場所だった。
「最初だし、とりあえずいいじゃないかな」
「じゃあ、決まりだね」
最近、小説を書くのにも飽きたと言うか疲れた僕達は、羽は生えてないけど羽を伸ばそうと言う理由で絵に手を出した。

早速、都合良くその場にあった、ベンチに、並んで横に座り、絵を描く……
途中彼女が言う。
「どう、上手くかけそうかね」
「牛舎をコピーする様に今描いてるよ」
「そうかね、私は山から、描いてるよ」
「ふーん、どっちから描くのが良いのかな?」
「正解は無いかもね」
「無い?」
「自由だと、思うだ絵は」
「何故かな?」
「紙に描くからさ」
「紙に?」
「そう、白い紙はどこからでも描き始める事ができるだろ、だから紙に描く絵はどこから描こうが自由だと、最初に思ったんだ」
「なるほど」
「まあ、だからと言って上手く描けるかは別だけどね」
と彼女は薄く微笑んだ。
その後……
お互い描いた絵を見せ合い。
お互いに『最初だから』と言う事に落ち着き。
「ところでアレ気にならんかね」
と彼女はニヤリとし差した先にはフレッシュソフトクリームと描かれた看板が見える。僕は、『やはり来た』かと言う様な口元を少し緩めた笑みを返し。
「確かに気には、なってたね」
と絵を描きに来たのに最後は、ソフトクリームやらコロッケなどを食うグルメ散歩になってしまった。ただ牧場から見える青空は雲一つ無く、それは青い自由なキャンパスの様に感じ、同時にその空の下にいる今の僕達は常に自由なんだと思えた。
そう羽を持ち、僕達より空に近い鳥達よりも……
それは何故かって? それは空から鳥達より遠いぶん、その果てに、自由無限な想いを浮かべる事ができるからさ……[未完]


題材・羽・翼
 それが人間にない理由、それは人間が無限の英知の自由を選んだからなのかもしれない……または神からの問いなのかもしれない……

題材・紙
 白い紙、それは己が与えられた文字を入れる事で神と交信出来る神具なのかも知れない。
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