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軽率行動の果てに……
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パチパチパッチンチリリ……
焚き火の前で、よくわからない踊りを踊っている、彼女は僕に微笑みかけながら言った。
「おいおい、もっとゆっくり食べたまえ、此処で喉でもつまらして昇天したりでもしたら、なんの意味もないから」
僕はもうすぐ朝になりそうな山中のテント前でポテコンビーフのサンドウィッチをほうばっていた。
テントを張った場所は巨大な鯨の化石の下だった、そのアバラの隙間から見える夜空は満天の星空だった。
『生きてるって素晴らしい』
僕は素直にそう思った。
* * *
数日前
『君はいつも連絡しないで来るね、まあそれは構わないけど私が留守の時は、余りこの中洲の中を一人でふらつかないで、速やかに電車に乗り、帰る事をお勧めするよ』
『なんで?、此処はそんな治安が悪い所には、感じないけど』
『治安は良いさ、ただこの地は不思議な現象がただ合ってね、神様の悪戯みたいな』
* * *
数時間前の正午
「……」
彼女に注意喚起された『神様の悪戯』、まさに僕はそれをやられてしまっていた。
目の前には、それぞれ端が閉じられた。2本の線路と、その線路の上には、トロッコ一台づつ乗っていた。
一台は僕が此処まで乗って来た物だ、もう一台は此処から先の乗り乗り継ぎ用の物らしい、ただ車輪が壊れていて動かせそうに無い……。
様は僕は、戻る手立てが不明確で動力源が坂道なプレーキーしか付いていないトロッコに乗って来た線路を、徒歩で引き返すか、もしくは乗り継ぎ用の線路を徒歩で、進むかの二択を迫られていた、調子に乗りかなり長い道を軽快に降って来てしまった気がする、故に引き換えすのは相当の労力を費やす気がする、とは言え、もう一つの降り線路は暗い洞窟の中へと呑み込まれている、ハッキリ言って僕は少し閉鎖暗闇恐怖症的なものを体質的に抱えている。
そんな理由で混乱し選択に困り、彼女から少し前に譲ってもらったスマホを思い出し取り出すと、なんと、お古とは言え流石が上位モデルなのか、アンテナが一本だけ立ってくれていた。
僕は藁を掴む気持ちで彼女に電話した……
《もしもし、こちら地球防衛軍、要件をどーぞ》
「……僕だよ、ふざけないでよ」
《あ、わるいわるい、で、どうしたのかね?、声質からして困ってるのかね?、黄金虫なんちゃって》
電車の向こうで彼女がひとり笑っている……。
僕は、なんと言って良いのかわからず、イラっとして、一言。
「なんか山の中でトロッコに乗っちっやってさ!」
《トロッコ、あー 君もアレに乗ってしまったのかね、だから言っちゃこちゃない、あのトロッコに乗ってしまうと、そこから歩いて帰って来るしかないよ、通称神風トロッコと地元では言われてる物だよ》
「神風って、あれの事?」
《そう、戦争末期の特攻零戦と同じ、行ったら乗っては、帰ってこれない》
「……」
《なのに何故が不思議と数ヶ月するとトロッコだけは、戻って来てるのさ》
「僕は、どうすれば良い」
《言った通り、自分の足でトボトボと線路上を歩いて帰ってくるしか無いよ、くれぐれも、たまに目にする獣道には、入らないようにしたまえ》
僕は絶句した。
《ところで君は、今、食料とか水は、持ってるのかね》
「無いよ~、途中で買ったサイダーがあと半分くらい」
《あっちゃー、うーん》
彼女は電話越しで思考している。
《近くに洞窟あるだろ》
「うん」
《そこは、閉鎖した炭鉱だ、そうだな、その洞窟の入り口の日陰で留まって、陽が落ちてから歩いた方がいいよ、今歩いて帰って来たら君の体力だと熱中症になるよ》
「洞窟の先は、いけないの?」
《行っても誰も住んで無い港町に行き着くだけだよ》
「遅くなると道に迷わないかな?」
《それは大丈夫だよ、線路と言う、君の命綱がもう目の前にしっかりとあるじゃないか、勘違いするなよ君は遭難してるわけではない、後は動く時を見定めるだけさ、それは今じゃない陽が落ちかけた夕方だよ、私も今から》
「あっ!」
と、そこで劣化していたスマホの電池は切れ、彼女との会話は途切れてしまった。
僕はその後、陽が落ちた頃、自分の行動を恨み反省しつつ、不安ながらも何か危機的な山はもう過ぎ去った様な、不思議な心持ちで、ひとり歩き出した。
道中、夜空へと果てし無く伸びる様な線路もその上にある、月が優しく照らしてくれている様な気がしてならなかった……[未完]
題材・片道切符
それは、ほぼ悪い意味で使われる言葉。何かの警告なのかも知れない……。時には行先を再度確認してみる事を、お勧めしたい。
題材・軍師
それは、本来、客観的に物事を見る為のもう一つの目なのかも知れない。時には未来さえも。
焚き火の前で、よくわからない踊りを踊っている、彼女は僕に微笑みかけながら言った。
「おいおい、もっとゆっくり食べたまえ、此処で喉でもつまらして昇天したりでもしたら、なんの意味もないから」
僕はもうすぐ朝になりそうな山中のテント前でポテコンビーフのサンドウィッチをほうばっていた。
テントを張った場所は巨大な鯨の化石の下だった、そのアバラの隙間から見える夜空は満天の星空だった。
『生きてるって素晴らしい』
僕は素直にそう思った。
* * *
数日前
『君はいつも連絡しないで来るね、まあそれは構わないけど私が留守の時は、余りこの中洲の中を一人でふらつかないで、速やかに電車に乗り、帰る事をお勧めするよ』
『なんで?、此処はそんな治安が悪い所には、感じないけど』
『治安は良いさ、ただこの地は不思議な現象がただ合ってね、神様の悪戯みたいな』
* * *
数時間前の正午
「……」
彼女に注意喚起された『神様の悪戯』、まさに僕はそれをやられてしまっていた。
目の前には、それぞれ端が閉じられた。2本の線路と、その線路の上には、トロッコ一台づつ乗っていた。
一台は僕が此処まで乗って来た物だ、もう一台は此処から先の乗り乗り継ぎ用の物らしい、ただ車輪が壊れていて動かせそうに無い……。
様は僕は、戻る手立てが不明確で動力源が坂道なプレーキーしか付いていないトロッコに乗って来た線路を、徒歩で引き返すか、もしくは乗り継ぎ用の線路を徒歩で、進むかの二択を迫られていた、調子に乗りかなり長い道を軽快に降って来てしまった気がする、故に引き換えすのは相当の労力を費やす気がする、とは言え、もう一つの降り線路は暗い洞窟の中へと呑み込まれている、ハッキリ言って僕は少し閉鎖暗闇恐怖症的なものを体質的に抱えている。
そんな理由で混乱し選択に困り、彼女から少し前に譲ってもらったスマホを思い出し取り出すと、なんと、お古とは言え流石が上位モデルなのか、アンテナが一本だけ立ってくれていた。
僕は藁を掴む気持ちで彼女に電話した……
《もしもし、こちら地球防衛軍、要件をどーぞ》
「……僕だよ、ふざけないでよ」
《あ、わるいわるい、で、どうしたのかね?、声質からして困ってるのかね?、黄金虫なんちゃって》
電車の向こうで彼女がひとり笑っている……。
僕は、なんと言って良いのかわからず、イラっとして、一言。
「なんか山の中でトロッコに乗っちっやってさ!」
《トロッコ、あー 君もアレに乗ってしまったのかね、だから言っちゃこちゃない、あのトロッコに乗ってしまうと、そこから歩いて帰って来るしかないよ、通称神風トロッコと地元では言われてる物だよ》
「神風って、あれの事?」
《そう、戦争末期の特攻零戦と同じ、行ったら乗っては、帰ってこれない》
「……」
《なのに何故が不思議と数ヶ月するとトロッコだけは、戻って来てるのさ》
「僕は、どうすれば良い」
《言った通り、自分の足でトボトボと線路上を歩いて帰ってくるしか無いよ、くれぐれも、たまに目にする獣道には、入らないようにしたまえ》
僕は絶句した。
《ところで君は、今、食料とか水は、持ってるのかね》
「無いよ~、途中で買ったサイダーがあと半分くらい」
《あっちゃー、うーん》
彼女は電話越しで思考している。
《近くに洞窟あるだろ》
「うん」
《そこは、閉鎖した炭鉱だ、そうだな、その洞窟の入り口の日陰で留まって、陽が落ちてから歩いた方がいいよ、今歩いて帰って来たら君の体力だと熱中症になるよ》
「洞窟の先は、いけないの?」
《行っても誰も住んで無い港町に行き着くだけだよ》
「遅くなると道に迷わないかな?」
《それは大丈夫だよ、線路と言う、君の命綱がもう目の前にしっかりとあるじゃないか、勘違いするなよ君は遭難してるわけではない、後は動く時を見定めるだけさ、それは今じゃない陽が落ちかけた夕方だよ、私も今から》
「あっ!」
と、そこで劣化していたスマホの電池は切れ、彼女との会話は途切れてしまった。
僕はその後、陽が落ちた頃、自分の行動を恨み反省しつつ、不安ながらも何か危機的な山はもう過ぎ去った様な、不思議な心持ちで、ひとり歩き出した。
道中、夜空へと果てし無く伸びる様な線路もその上にある、月が優しく照らしてくれている様な気がしてならなかった……[未完]
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それは、ほぼ悪い意味で使われる言葉。何かの警告なのかも知れない……。時には行先を再度確認してみる事を、お勧めしたい。
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それは、本来、客観的に物事を見る為のもう一つの目なのかも知れない。時には未来さえも。
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