尊き君と永遠に

仙 岳美

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天邪鬼

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天邪鬼(あまのじゃく)

※前回[雷彦]の続き。
 
 あれから会話の内容は友人と僕が好きであり、絆の様な物でもある、妖怪の談義になり、それにも飽きると、三国志の話となり、会話の中に鶏肋(けいろく)と言う単語が出た所で彼女は、
「そうだ! 夜はフライドチキン頼もう」
と言い出した。
内心(夜にフライドチキンかー)と思ったけど彼女は僕の要望も聞かずにまたスマホでサッサと頼んでしまった。
何が来るのかと少しドキドキしたけど、普通にチキン2ピースとポテト、チキンバーガーのセットが届いた。
普通に食べ終えた、そうここ迄は普通の空間だった……そして僕はあるきっかけで異空間に引き込まれる事となる。
そのきっかけは彼女は不意に予想だにしない異様な行動を取ったからだ、それは、僕の食べ終えたドラムチキンの骨を手に取り、なんと齧り出した!
「え!」
ゴリゴリ……
「軟骨もったいないよ、食べれる所全部食べてあげないと鳥が化けて出るよ」
「……でもそれ関節キッスだよ」
「まだ違うよ、して見る」
と彼女は齧った骨の先端を僕の顔間近にズイと差し出しで来た。
「……確かに僕がその骨を齧らないと関節キスは成立しないね」
「そうそう、曹操孟徳なんちゃって」
「……」
しばしの沈黙冬異世界の後、彼女は骨を引っ込め。
「……所で天邪鬼の邪鬼の元字は、すずめ(雀)て書いたって知ってた?」
「それは初耳だ、何故?」
「様は味はあるけど食べる所が少ない天に召された雀ちゃん、天は〆の言い換えね」
「それがだんだんと、鈍って天邪鬼になったって事?」
「そうそう、曹操孟徳なんちゃって」
「……」(う、寒いの2回目、故にまた流す)
「確かに天邪鬼の人って面白いけど仲良くなれる気はしないよね」
「そう食えない奴」
「現代だとガム見たいな人って言うと受けるかな? 相変わらず物知りだね」
そう僕が言うと彼女はニヤリとし、
「なんて嘘」
「えっ!」
「鶏肋で今思いついた話し」
そう言うと彼女は僕の口に骨を突っ込んで来た!
「うっぷ」
その時、僕は久しぶりにスイッチが入り、彼女の両肩を掴もうとしたら彼女はクルリと横にかわす様に避けつつ僕の後ろに回り込み。
「トイレいっち来る、大きっい方だから長いよ、だから今日はこの辺でおやすみー」と言ってトイレに篭ってしまった。
僕は彼女こそ天邪鬼だと思った……。
こうして肩すかしを食らった僕は帰りには、新たなモヤモヤを抱えるハメになってしまった……でもそのおかげで前の悩みは上から書き潰された様にどうでもよい心持ちになっていた。

[行ったり来たり]ヘ続く。

題材
[チューイングガム]
[鶏肋](鳥のアバラ骨、味はあるけど付いてる身は少ない)
[天邪鬼](何か、わずらわしい人に例えた妖怪)
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