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転校星と流星群
しおりを挟む語り 仙岳美
前書き
子供の時の経験は後の大人なった時、心の薬になったりする、そんな薬に成った話しであります……。
そう言う星なのか、定めなのか、引越し・転校を繰り返しやっと落ち着いた、去年迄長く住んでいた故郷に小学生低学年の頃に転校して来て上手くそのクラスに馴染めなかった小学転校生低学年孤独生徒だった私しは、学校が終わると近所の公園の隅で虫眼鏡を持ち、ひとりで小さい世界を覗いたりし遊んでいた。
ひとりと聞くと普通に可哀想に思うと思うが、でも今回の話の主体は私がクラスに馴染めずひとりで遊んでいたその内容ではなく、その事で出会う事が出来た人達との話しである、それに公園の隅とはいえ、遊べるだけ私はましだった。
何故なら、公園の中央には、いつも上級生の五、六人のグループが占拠し、グループ以外の子はその公園に居る事すら許されなかったからである、ただ私だけは、いくらおっ払っても、しぶとくいた事と、ある意味ボッチだった事もあり、脅威に感じず、その子らにとっての私の存在は、味噌粕と言う事で最終的に落ち着いたのかも知れない。
でも、そんな事態もある日に急変する。
ある日の公園に知らないグループの子達が自転車で現れ、公園を独占していたグループの子らと言い合いになり、結局は後から来た見知らぬ子達がその公園を乗っ取ってしまった。
ただ、私にちょっかいは出して来なかった。
その時、私は直感で、その子達は遊んでくれると思い、近寄ってみる。
その子らの顔を見渡すと皆んな、強そうで、でも優しい顔している。
そして前に出たのは良いが、話せずに黙っていると、少しして。
「遊ぶか」
と言ってくれた。
私が頷くと、サッカーボールを蹴鞠の様にして遊ぶ、その輪に入れてくれた。
そして1時間もすると、皆んな自転車に乗り帰る感じになり、私は何気なく自分の小さい自転車で着いていった。
遅れても、少し先で待っていてくれる。
私しはその普通の事に感動した。
それだけ今まで私が出会った子達は私に冷たかった。
それが当たり前になっていた。
途中に立ち寄った駄菓子屋でもリーダーの子が容器が丁度半分に割れる、吸うタイプのアイスを私の為に「コレお前に半分やるからな」と買い、分けてくれた。
そんな感じで当ても無く、ただ居心地が良い事と、なにかこの子達とは一回切りの出会いの様な気持ちも何処か感じつつ後ろ髪を引かれる様に着いて行き、気づくと周りは見知らぬ土地だった。
そしてだんだんとそのグループは流れ解散の様になり、私も帰る事にした。
そして道に迷った。
何処か夢の様だった数時間前から目を覚まし、帰れない現状に恐怖を感じると、何処からか、パープーと豆腐屋のラッパが聞こえ、それは夜のとばりがまもなく訪れる寂し虚しい知らせに感じ取り、兎に角、焦り、見慣れない工場地帯である赤茶色な町を彷徨っているとスーパーの前にアイスを分けてくれた子が乗っていた、見覚えのある自転車が止まっているのを見つけ中に入る、と、その子はお使いをしている最中だった。
私は藁をも掴む思いで近寄り。
一言。
「帰りかたわからない」
そう言うとその子は。
「公園に行けばわかるかー」
と言ってくれた。
私が頷くと。
「一回家戻るよ」
と言うので私はその子に着いて行くと、そこはアパートだった。
ただ、玄関が共同で、悪い言い方すると、ボロく、私は衝撃を受けた。
さらに、その子の部屋の玄関先で、その部屋の中を見てさらに衝撃を受けた、コレも言い方は悪いと思うが、狭い部屋に、兄弟だと思われる子が5・6人もいた、そして私を見て『なんだコイツ』と言う顔していた。
見たところ私が掴んでいる藁の子は、その兄弟の一番上の長男で、鍋物を作り、皆が囲む丸いテーブルの上に置くと。
「俺、この子、送ってくるから、先に食べててくれ、コンロは絶対に触るなよ」
と言い、私を目合図し。
「じゃ、行こうか」
と言ってくれた。
その家路の空は、赤青紫と段々なグラデーションな色に染まっていて、それは、私が公園に戻る迄、夜になる事を待っていってくれてる様に感じ幸せを感じた。
公園に着くと、その子は用事があるのか、何も言わずにそのまますぐに自転車をユーターンさせ帰ってしまった。
その子の姿が見えなくなると私は、家に向かって再び自転車のペダルを漕ぎ始める、空には、無数の星が空に輝きを放ち初めていた……。
……そんな事もあった……今は、そんな出来事が、人との繋がりにネットが加わった社会になった年々、何かと心の支えとなっている事が多い。
そんな愚痴話しでした。[終]
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