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極楽鳥
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日が落ちると僕の一日は始まる。
外に薪を取りに行く。
それを庭で燃やし肉を焼き食べる。
ズ、ズルーッとチキン味の麺をすすりながら空を見上げると、色とりどりな綺麗な鳥が沢山飛んでいる、全部僕が作った鳥達。
気付くと僕は暗い部屋でどんぶりを抱え込み寝落ちしていた。
目の前には長年の唯一の友であり、僕に続く様にして、時の流れに着いて行けなく成りかけているパソコンが、その暗い画面越しに、熊目で僕を見ている。
その目は明らかに疲れていた。
その事からスリープを解き、また理想郷の一日を始めようとする気も失せ『いったい今は何時なんだ』と久方ぶりに時を気になり、カーテンを開くと、朝だった。
朝とは、普通の人は活動を始める時間、普通では無い僕も、それにならい少し外に出て見ようとも一瞬思ったりもしたが、『でも寝よう』とすぐに思い返し、ベットに向かうと、蹴るように足先に当たった電気ポットが、バッチチと火花を散らしながら飛び、ドアに当たり、ドアが少し開いた。
その偶発的な、わずかなキッカケを気に、僕は久しぶりにリビングに下りる気に成り、下りた。
母さんが朝飯を作っていた。
アレ? 親父も居る。
そして突発的に暴れる僕に愛想を尽かし、ずいぶん前に家を出た身体の弱い兄貴もいる。
それに何か空気が澄んでいる気がし、よく見ると皆んな、ずいぶん若い。
これは夢かと僕はポッペタをツネる、『痛い』これは現実だ、今の今迄見ていたのが悪夢、いや未来、どちらにしても僕は今を真面目にやり直しするつもりで生きる事にした。
でも気づくと、また暗い部屋だった……
外は夜だった……
その、外の空には、僕が思い続けた、足の無い立派な極楽鳥が飛んでいた。
それは作り物では無く、本物だと僕は認識した。
何故ならば、見渡すと僕の部屋は、もう何も無かったからさ……
くらやみの
まえもうしろも
とわにやみ
ゆえにやみまに
ひかりなきけり [完]
外に薪を取りに行く。
それを庭で燃やし肉を焼き食べる。
ズ、ズルーッとチキン味の麺をすすりながら空を見上げると、色とりどりな綺麗な鳥が沢山飛んでいる、全部僕が作った鳥達。
気付くと僕は暗い部屋でどんぶりを抱え込み寝落ちしていた。
目の前には長年の唯一の友であり、僕に続く様にして、時の流れに着いて行けなく成りかけているパソコンが、その暗い画面越しに、熊目で僕を見ている。
その目は明らかに疲れていた。
その事からスリープを解き、また理想郷の一日を始めようとする気も失せ『いったい今は何時なんだ』と久方ぶりに時を気になり、カーテンを開くと、朝だった。
朝とは、普通の人は活動を始める時間、普通では無い僕も、それにならい少し外に出て見ようとも一瞬思ったりもしたが、『でも寝よう』とすぐに思い返し、ベットに向かうと、蹴るように足先に当たった電気ポットが、バッチチと火花を散らしながら飛び、ドアに当たり、ドアが少し開いた。
その偶発的な、わずかなキッカケを気に、僕は久しぶりにリビングに下りる気に成り、下りた。
母さんが朝飯を作っていた。
アレ? 親父も居る。
そして突発的に暴れる僕に愛想を尽かし、ずいぶん前に家を出た身体の弱い兄貴もいる。
それに何か空気が澄んでいる気がし、よく見ると皆んな、ずいぶん若い。
これは夢かと僕はポッペタをツネる、『痛い』これは現実だ、今の今迄見ていたのが悪夢、いや未来、どちらにしても僕は今を真面目にやり直しするつもりで生きる事にした。
でも気づくと、また暗い部屋だった……
外は夜だった……
その、外の空には、僕が思い続けた、足の無い立派な極楽鳥が飛んでいた。
それは作り物では無く、本物だと僕は認識した。
何故ならば、見渡すと僕の部屋は、もう何も無かったからさ……
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