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夏の小さい駆け引き
しおりを挟む夏休みの最終週の数日間、小四の頃の私は、ビニール袋を片手に近所の少し大きい公園内を周り、蝉の殻を拾っていた。
その理由は、宿題でもある自由研究と日記のネタの為。
ちなみにその頃は成虫には興味は無く、殻を研究の題材しようとしたのも、ただ思い付きだった。
そんな夏休みの最終日、少し先で、私の真似をしているのか、同じ様に蝉の殻を袋に詰めている男の子に出会う。
私は、その子に駆け寄り「見せて」と言う。
「いいよ」
と、その子は育ちが良いのか気前良く、袋を返し、殻を地面に広げて見せてくれた。
その中から少し大きい殻を見つけ。
虫眼鏡で確認する。
その殻は探していた、クマ蝉と言う、蝉の大型種の物だった。
早速、
「三個とコレ交換して」
とお願いしてみる。
答えは、
「ダメかな」
「お願い」
と私が粘ると。
「そっちのも見せてよ」
私も袋を返し広げる。
その子も虫眼鏡を🔍持っていた。
その時『できる』と、思ったのもしれない。
その子はふむふむとした感じに私の集めた殻を見て。
「この三個ならいいよ」
と手のひらに乗っけって言う。
案の定、その日に採れた希少なヒグラシとツクツクホウシそれに加え小さいアブラの殻を選ばれてしまった。
でも小さいアブラ意外はまだ数個持っていたのでいいかなと思い。
「ありがとう」
と交換する。
そしてその日の夜、その日の日記を付けてながら昼間の蝉殻の交換のやり取りを思いかえしていると、何かスリリングで凄く面白かった事に気づいた。
そう、殻集めを通じて、何かが心に芽生えた時だった……[終]
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