短編集・２巻

とわのいのり

や、やってしまったわ……
私は、静寂に包まれた深夜の台所で途方に暮れていた。
カラン、その小さい音に振り向くと視界に入ったのは、もう長く使い、油や錆が目立つ、古びた一口の冷えたガスコンロだった。
その感じは、私の心に静かに訴えているようだった……
『おまえさんも、もう若くないんだろ、身体壊すぜ、俺も役目だから火は炊くけどさ……』
閉めたハズの蛇口からも、涙の様な水滴が下のどんぶりにポタポタと音を鳴らし垂れていた、その音も私の心に後悔の念の様に染み渡っていった……
私は空の袋を握りしめ、祈る様に十字を切り誓った……
今度こそ止めて見せるわ……ラーメン……
［続］永遠に……たぶん……

題材・永遠の祈り
それは永遠に続くものなのか……

あとがき
　懺悔しなさい、全ては帳消しになります、摂取したカロリーも奇跡でゼロになります。