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31 昇天の章
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31【蝉と少女】昇天の章
あれから何事もなく平和に数年月日は経ち……縁側に座り、手の中の柿を眺めていた。
今日はやたら沢山の人が家に来る。
入りきれず、家の外まで訪問者の行列が続いている。
日差しは冬でも暖かい。
何やら身体の力が空に向かって気持ち良く抜けていく。
目の前の柿の木の裏から仮面を付けた女性が現れた。
懐かしい気がしたが誰だか思い出せない。
彼女は面を外して微笑みかけてきた。
思い出した。
切鎌……
彼女は目の前まで来て、手を差し出してきた。
手を繋いだ。
手から柿と見えない何かがこぼれ落ちた。
下に見える我が家どんどん小さくなっていった。
縁側の下には古い折りたたみナイフが役目を終えたように地に突き刺さっていた。[終]NO32へ
あれから何事もなく平和に数年月日は経ち……縁側に座り、手の中の柿を眺めていた。
今日はやたら沢山の人が家に来る。
入りきれず、家の外まで訪問者の行列が続いている。
日差しは冬でも暖かい。
何やら身体の力が空に向かって気持ち良く抜けていく。
目の前の柿の木の裏から仮面を付けた女性が現れた。
懐かしい気がしたが誰だか思い出せない。
彼女は面を外して微笑みかけてきた。
思い出した。
切鎌……
彼女は目の前まで来て、手を差し出してきた。
手を繋いだ。
手から柿と見えない何かがこぼれ落ちた。
下に見える我が家どんどん小さくなっていった。
縁側の下には古い折りたたみナイフが役目を終えたように地に突き刺さっていた。[終]NO32へ
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