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異次元・三国志
しおりを挟む※三国志とは
中華の魏(ぎ)、呉(ご)、蜀(しょく)、三国分裂して覇権を争った時代(西暦222~263)
※桃園の誓い(とうえんのちかい)とは、
桃園結義(とうえんけつぎ)とも称され、『三国志演義』などの序盤に登場する劉備・関羽・張飛の3人が、宴会にて義兄弟(長兄・劉備、次兄・関羽、弟・張飛)となる誓いを結び、生死を共にする宣言を行ったという逸話のことである。
=異次元三国志=
深夜、劉備玄徳(りゅうび・げんとく)は寝台に座り、前に置かれた大壺を見ていた、
※絵に桃園の誓い(とうえんのちかい)の絵が描かれている……その壺は関羽が特注で作成して、送ってくれた壺だった。
《荊州陥落・関羽・関平 斬首》
蜀の首都・成都にその報告があったのは深夜であった、劉備はショックで倒れてしまった、後の報告で孟達(もうたつ)養子の劉封(りゅうほう)は関羽の援軍要請を無視して窮地の関羽の救援に行かなかった事を知った……
それを聞いたら、ますます人間不信になり、部屋にそれから引き篭って七日め、
思い出しては怒りで息が荒くなってくる、黄権(こうけん)が水を持ってきてくれ、背中を摩ってくれた、そしてようやく気が落ち着く、黄権は、頭も良く気も効く、女性であるが剣も使える、また時運を読む力がある軍略家でもあった。
気に入って側に置いている側近の家臣である。
何か公明はそれが最近、気に入らないらしい。(アイツは男のくせして何ヤキモチ妬いてんだ)
それからしばらくしショクが落ち着くと今度は怒りが込み上げてきた。
参謀の公明(こうめい)にも腹が立ってきた。
敵討ちしてやると思って軍法会議を開いたら。
『私怨で戦争はできません』
とホザキヤガッタあの青二才。
おまけに最近は。
『陛下いつまでそんな事してるんですかと』言ってきった。
お前だって引き篭ってるとこ俺が三度も出向いて拾ってやったんじゃないか!
お前がフテ寝してるとこも起こさないで家の前で待ってやったのに今だれのお陰でその地位にいるんだ!
おまけにに趙雲子竜(ちょううん・しりゅう)まで公明の意見に味方しやがる。こうなったら俺一人でもやってやる、いや、もう一人の弟、張飛(ちょうひ)がいる!
その数週間後だった。
『張飛が部下の范疆(はんきょう)張達(ちょうたつ)の裏切りに合い殺されてしまった!』
調べたら孫権の手引きだった!
それを聞いた時、心に決めた負けてもやってやる!
「義の熱い男だけ俺に付いて来い!」
と、大号令を発した……が、誰も集まらなかった……
広場には猫が一匹いるだけだった、横に立つ黄権の方を向いて見たら、目を逸らされた。
「気悪くしないでね、気になるから聞くけど、ヒッヨットシテ心の中で笑ってる?」
「いえ」黄権は手を口で押さえ横を向いていた……
「そうか々……別にいいんだけどね、君が楽しんでくれたんなら、結果は変わらんし」
(しかし、誰も来ないとは……)
「お前ら~ そうか、そう言うことなんですね、機械音痴のワシだけ外したLINEサークルとかナンヤラのやってん結託してんだね、老害のお前は死ねってことね」
しかさ幼馴染みの簡擁(かんよう)もこなかった、これだけは我慢できない。
頭にきて、家までいったら簡擁は、ほざいた。
『徹夜麻雀で頭痛いから今ダメ、俺、今二日酔いだしー げんちゃんはいつまでも熱いね、もうそろそろ歳だし、そういのさ、そろそろ辞めにした方がいいんじゃね? 血圧また上がって動悸でるよ』
とキムタクみたいに笑って言いやがった!(イケメンでもないのに)
おまけに寝室の奥に若い女がいた。(おまけに可愛かったぜ、チクショー)
あの野郎……ワシが悩んでる時、女と遊んでいたのか絶交だ!
(桃園の誓いに入れなかったのを今だに根に持ってやがる)
その後、劉備は黄権からLINEを習った、それを見て家臣の自分に対する書き込みを見てショックを受けた……
『偽善』
『ハッキリ言って意味わかんない人』
『アイツ耳デカくね』
『万年中二病』
『老害』
『正義馬鹿」
『公明さんいるからイラナイ』
『ダサい』
『臭い』
『死んで』
『馬鹿』
『何もしてない』
『公私混同』
『親バカ』
『アイツはどこに向かってんだ』
『肝心な時逃げる』
『ケチ』
『つまんない』
『ボケてる』
ワシ(劉備)は思った、人の心の中を簡単に覗けるヤナ時代になったもんだ……皆んなこんなことしてるからお互いに病んでしまったのかのう?
ただワシはなんか長年の自分自身に対して思っていた、疑問が晴れたように思えた、それは、なんだ皆んなワシと同じだったんだと。
黄権は、そんなワシの鼻水と冷汗を垂らして愕然としている顔を見て言った。
「私がいるからイイじゃない」
と少女のような顔をニヤリとさせた。
(チミはこの状況を知ってんのに、何故ワシがLINE見るの止めなかった? 以外にチミはサドね)
それから劉備は自分の自由になる直轄下の親衛隊兵一万を集めて、黄権と共に自ら訓練をし、呉に向けて出陣の用意をした。
遺言は公明に渡した、公明は冷めた顔していた。
公明は言った
「黄権は、連れて行くんですか?」
「だとしたら、どうする?」
「まだ若いし、優秀な子なんで戦死するような事があったら持ったいないかと、私の後継者に欲しいです」
(そういことか公明もエロいの)
「連れて行く」
(誰がやるかワシの可愛い子ちゃんを黄権までワシから取り上げるのか、知ってるぞ、お前がワシ抜きでLINEでサークルやってんのを、ほんに舐め腐りおって)
「後継者? 馬謖(ばしょく)がいるではないか」
「彼は優秀ですが、少し不安なとこがありまして」
「確かに少しあれは甘い所がある、若いうちは重大な局面には使わない方が良い、何回か戦場で死ぬような経験すれば原石としては悪くない化けるかもな、彼がどう育つかはお前次第だ、黄権はやれん」
「わかりました、御武運を‼︎」
そのやり取りを見ていた智謀の老士、馬良(ばりょう)が不便に思ったのか複雑な気持ちになって手を上げた。
気骨の老将の黄忠(こうちゅう)も手を上げた。
劉備は馬良を軍師に任命した。
近隣の異民族の王であり盟友の沙摩可(さまか)が兵を三千は引き連れて駆けつけてくれた。
その後とりあえずは戦争をできるだけの兵の数は集まった。
戦争の幸先をよく当たると有名な占い師に占ってもらった……占い師は途中で中断して「やめときなさい」と言って帰っていった(汗)
子竜は最後で泣きながら足元にしがみつく様に出兵を止めてきた、最後は諦めて付いていくと言ってくれた。
「行かない方が良いのは判っている、しかし弟を殺されて、此処で何もしなければ男としての俺の人生は意味が無い物になってしまんだ、帝の前に俺は男として人間として生きたいんだ……子竜お前は後の事の為に最初から連れて行く気は無かった残ってくれ、後は任せた息子を頼む、後もう一つ、公明とは仲良くな、アイツも昔はもっと優しかったんだが、いつの間にかスレてしまったようだ、ワシも邪魔らしい此処にワシの居場所はもうないようだ……」
それを聞いて子竜は何も言わずに下り帰っていった。
古参の物は誰も来なかった、当たり前である、もういい歳で地位も名誉も得ている者がわざわざ危ない私怨の戦争に参加するわけはない、この戦争に手柄を上げて一発逆転狙う野心家と先が無い死花を咲かせたい武人の年寄りだけだった……
劉備は高齢のせいなのか重く感じる様になった[志勇一対の双剣]を腰に帯、(221年)呉討伐に向かった。
馬上で劉備は物思いにふける……何やら少し目眩もする引き篭り過ぎたか体力もだいぶ落ちてるようだ、空は不吉に曇っていった雲は逆様の地に落ちる竜の形に見えた、今思えば落鳳破で軍師の龐統(ほうとう)が戦死したところから下り坂だったような気がする……関羽に与えた荊州も今いる益州も元は人から奪った土地である、『しょうがない』と言う言葉に頼って人の物を奪い信念と正義を捨てた時に自分を守護していた【義神】も自分の義の生き方に賛同して付いてきた家臣の心も冷めて離れたのだ、当然の報いの様な気もした……
初戦は連勝したが、やはり事を急いだせいで戦略の練り方が足りなかったのか、最終的には大勢の犠牲を出して負けた、黄権は魏の国に逃れて助かった、沙摩可、黄忠は戦死、馬良は行方不明、劉備は成都には戻らず白帝城と呼ばれる城に篭りそこで敗戦が原因で心を病み体を壊して亡くなった。
義の男と呼ばれた最後の言葉は、
「燃え尽きたよ、完全に真っ白に、じゃあな……ここまで読んでくれてありがとう」[完]
解説(宜しければ)
【三国志演義】から変更部分
※黄権は男性ですが私の三国志では女性にしてみました遊び心です。
※あえて言うまでもないと思いますが、本当の三国志の時代に当然にLINEはありません。(異次元三国志なので大きな目でお願いします)
※劉備の武器は雌雄一対の剣(しゆういっついのけん)は異次元三国志では志勇一対の双剣に変更。
※結果以外は全体的に作り話。
※あくまでベースは正史(正式な記録)では無く、演義(正史を元に面白く描き作られた物語)
※大まかな各国の説明。
蜀の国=中華大陸の荊州、益州を支配する国・皇帝劉備
荊州=中華大陸の中央にある州、劉備が関羽に任せていたが呉の国に取られたとこから、この物語は始まる。
益州=中華大陸の西部分の州、劉備の本拠地
魏の国=中華大陸北方の大部分を支配する三国の中で一番支配領域が多い国 皇帝・曹丕(そうひ)
呉の国=中華大陸東側の揚州、南部広州を支配する国、大規模な海軍を持つ。君主(王)・孫権(そんけん)
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