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第一章 火蓋の迷宮
第十五話 ウキーウキウーキ(猿語)
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寝床の前で叫んで数秒後にはかなりの数の猿がこちらに来ていた。
さっき叫んだことによって有利に進められた筈の戦いが一気に不利なものに変わったが、そんなに後悔もしていない。
なぜなら、五階層で一区切りとなっているこのダンジョンでそのうちの一番上のこの階層ならそこまでのモンスターは居ないのだろうということと、後は怒りとノリだ。
早くに到着したウッキー達が我先にととびかかってくるがそれを事も無げに殴って赤い花を咲かせていく。
少ししたらかなりの数のウッキーに囲まれてしまっていたが、全然負ける気がしない。
身体が熱くなっていくのと同時に力が上がっていくのを感じる。
これが《鬼の血》の力なのか。
きっとこのやけに高揚した気分も《鬼の血》の効果なのだろうか。
悪くないな、こういうのも。
次々と襲い来るウッキー達を《鬼の血》で更に上がったステータスで薙ぎ倒していく。
何十匹倒したかはわからないが、身体中にウッキーのひっかき傷と付近にウッキーのドロップの山がで来はじめた頃、ウッキーの寝床から猛スピードで何かこちらにきた。
それは当然のごとくまたもやウッキーだったが、他のウッキーより更に大きく、俊敏な動きをしていた。
そのスピードは《鬼の血》で強化された俺を上回る程のスピードだったが、他のウッキーを強くしただけなら倒せるだろう。
名前 ウッキーマウンテン
類人猿種
筋:87耐:92魔:73敏:123
やはりウッキーと同じで敏捷特化か、他のステータスも高いには高いのだが、脅威になることはないだろう。
自慢じゃないがこれでも反射神経と動体視力は天才と言われるほどいいんだ。
レベルアップで更にそれも上がっているのでこの程度余裕で見切る事ができる。
というかゴーランスの方がもっと早かった。
「ニンゲン、サレ」
あれ、今この猿喋れるのか!?
「断る。俺はお前らを皆殺しにするために来た」
「ドウ、シタラ、ココヲサル?」
「お前らが死ねばここを去って下に行くとしよう」
「ソレ、コマル、ニンゲンカエレ」
「そもそもお前はなぜ言葉を喋れるんだ」
「キノウ、モッテキタ、マルイタマ、チカラ、サズケタ」
マルイタマ?丸い玉ってまさかオーブのことを言っているのか?
それに昨日ってまさか、それって、それって
「俺のじゃねぇかあああああ!!!『バースト』!!」
もう何と言うか半泣きだった。
折角死にかけつつも倒したゴーランスのドロップをまさかこんな猿に使われるだなんて。
時は一刻を争う、早く全部回収しないと!
ん?
ウッキーマウンテンのドロップにオーブが落ちていた。
まあ確かにこの階層のボスみたいな感じだったし何か落としたのだろうか。
名前 言語のオーブ
説明 言語を理解する
こ、これはあいつが持っていったオーブなのか?
倒せば相手が吸収したオーブを取り出すことが出来るのだろうか。
俄然やる気が湧いてきた。
オーブは取り敢えず吸収しておいてさっさと残党を狩って下に行くとしよう。
「ボス!」「ボスシンダ!」「ボスオレ!」「コロス!ボス、オレ!」
なんだ、いきなり騒がしくなってきたぞ、というかまだ言葉を喋るやつがいるのか?
ん?何かおかしいような、あ、まさか!
名前 賀斗生牙
種族 鬼人
25Lv
筋:132耐:145魔:104敏:99
技
《バースト》《正拳突き》
スキル
《捕食2》《鑑定2》《武術2》
《拳術1》《鈍舌1》《鉄の胃袋1》
《言語理解1》
種族スキル
《鬼の血》
《言語理解》
1 付近の知的生物の言語を一つ理解する
付近の知的生物の言語、まさか選ぶことも出来ないなんて、猿語、猿語って使い道限られ過ぎだろ。
ちくしょう、この猿共め、
ギロリ
「アイツヤバイ」「ニゲル」「ムリ」「シヌ」
そうウッキー達は言って逃げ出した。
逃げれると思うなよ?くそどもが
その日、疲れはてるまで逃げる猿を狩り続けた。
さっき叫んだことによって有利に進められた筈の戦いが一気に不利なものに変わったが、そんなに後悔もしていない。
なぜなら、五階層で一区切りとなっているこのダンジョンでそのうちの一番上のこの階層ならそこまでのモンスターは居ないのだろうということと、後は怒りとノリだ。
早くに到着したウッキー達が我先にととびかかってくるがそれを事も無げに殴って赤い花を咲かせていく。
少ししたらかなりの数のウッキーに囲まれてしまっていたが、全然負ける気がしない。
身体が熱くなっていくのと同時に力が上がっていくのを感じる。
これが《鬼の血》の力なのか。
きっとこのやけに高揚した気分も《鬼の血》の効果なのだろうか。
悪くないな、こういうのも。
次々と襲い来るウッキー達を《鬼の血》で更に上がったステータスで薙ぎ倒していく。
何十匹倒したかはわからないが、身体中にウッキーのひっかき傷と付近にウッキーのドロップの山がで来はじめた頃、ウッキーの寝床から猛スピードで何かこちらにきた。
それは当然のごとくまたもやウッキーだったが、他のウッキーより更に大きく、俊敏な動きをしていた。
そのスピードは《鬼の血》で強化された俺を上回る程のスピードだったが、他のウッキーを強くしただけなら倒せるだろう。
名前 ウッキーマウンテン
類人猿種
筋:87耐:92魔:73敏:123
やはりウッキーと同じで敏捷特化か、他のステータスも高いには高いのだが、脅威になることはないだろう。
自慢じゃないがこれでも反射神経と動体視力は天才と言われるほどいいんだ。
レベルアップで更にそれも上がっているのでこの程度余裕で見切る事ができる。
というかゴーランスの方がもっと早かった。
「ニンゲン、サレ」
あれ、今この猿喋れるのか!?
「断る。俺はお前らを皆殺しにするために来た」
「ドウ、シタラ、ココヲサル?」
「お前らが死ねばここを去って下に行くとしよう」
「ソレ、コマル、ニンゲンカエレ」
「そもそもお前はなぜ言葉を喋れるんだ」
「キノウ、モッテキタ、マルイタマ、チカラ、サズケタ」
マルイタマ?丸い玉ってまさかオーブのことを言っているのか?
それに昨日ってまさか、それって、それって
「俺のじゃねぇかあああああ!!!『バースト』!!」
もう何と言うか半泣きだった。
折角死にかけつつも倒したゴーランスのドロップをまさかこんな猿に使われるだなんて。
時は一刻を争う、早く全部回収しないと!
ん?
ウッキーマウンテンのドロップにオーブが落ちていた。
まあ確かにこの階層のボスみたいな感じだったし何か落としたのだろうか。
名前 言語のオーブ
説明 言語を理解する
こ、これはあいつが持っていったオーブなのか?
倒せば相手が吸収したオーブを取り出すことが出来るのだろうか。
俄然やる気が湧いてきた。
オーブは取り敢えず吸収しておいてさっさと残党を狩って下に行くとしよう。
「ボス!」「ボスシンダ!」「ボスオレ!」「コロス!ボス、オレ!」
なんだ、いきなり騒がしくなってきたぞ、というかまだ言葉を喋るやつがいるのか?
ん?何かおかしいような、あ、まさか!
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《捕食2》《鑑定2》《武術2》
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種族スキル
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1 付近の知的生物の言語を一つ理解する
付近の知的生物の言語、まさか選ぶことも出来ないなんて、猿語、猿語って使い道限られ過ぎだろ。
ちくしょう、この猿共め、
ギロリ
「アイツヤバイ」「ニゲル」「ムリ」「シヌ」
そうウッキー達は言って逃げ出した。
逃げれると思うなよ?くそどもが
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