転生したけど記憶はないです

よりおん

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プロローグ

勇者決戦

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 王都にいたエルフのレンの飛行魔法で魔王城へと急いで移動する。
 本当は空間魔法で転移ができたのなら話は早かったのだが、あいにく数百キロ離れた場所に転移できるようなやつは勇者のつり目ぐらいなもので、更に転移阻害のバリアが張られていて転移ができないのだ。

 幸いレンは子供だがエルフということもあって魔力が高く、風魔法の天才で時速百キロ以上だすことができる。
 あいつらは魔導馬車にのっていったから魔王城に着く前とはいかないが誤差十分くらいで追い付けるだろう。



 漸く魔王城に到達し、光子化フォトナイズと唱え鉄剣を一時的に魔剣クラスの武器に変える。
 壁を破壊して魔王城に突入するとそこには魔王を遥かに凌ぐ禍々しいオーラを放つ化け物と床に倒れた四人の勇者たちがいた。

「フハハハハ!今さらきたか極光の勇者よ!
もうこいつらは虫の息、貴様一人でこの魔帝を倒せるとでも思っているのか!」

 確かにこの四人で勝てなかった魔帝と名乗る化け物に魔王と戦い魔力も減った万全とは言い難い俺が勝てるとは思えない。
 しかし、しかしやらねばならない。
 ここでやらなければこの世界の人々の命はなくなってしまう。

「逃げ…ろ…光時こうじ!!」

「逃げる?馬鹿なことをいうな優男!俺はに来たんだ!
つり目、皆を外に転移してくれ!」

「何回言えばわかるの、私は狭間出眞はざまでまきよ!」

「出来るのか出来ないのかどっちなんだ!」

「この私を余り嘗めないで、できるに決まってるわ。
でも逃げるなら光時こうじも一緒よ!」

「頼む、眞。今は何も言わずに逃げてくれ」

「そんなの…そんなのズルいわよ!生きて帰ってこなきゃ絶対に許さないから」

「ああ、約束だ」

「これを持ってけ光時!」

 そういい優男が投げつけてきたのはさっき壊した国宝の剣なんて比べ物にならないほど価値のある剣、神から送られたとされる聖剣だった。

「受け取って!」

 癒し系が最上級治療魔法のエリクサーを放つ。
 すると体の傷が瞬時に癒えるのを感じる。

「これも受け取れ!」

 体育会系が最上級肉体魔法のマッスルレクイエムを俺に放つ。
 すると肉体から力が溢れていくように感じた。
 それらを受け取ったのを確認したら四人は転移して消えていった。

「本当に馬鹿なやつだな極光の勇者。噂通りの馬鹿ということか。
貴様を殺してあの勇者どももこの大陸に生きる全ての者も全て闇に沈めてくれる!!」

「そんなことは絶対にできない、なぜならここでお前を倒すからだ!光子化フォトナイズ!」

 財務大臣が見たら卒倒物だろうが聖剣に光を纏わせる。
 この感じなら持って三分といったところだ。
 ミスリルでできた剣でも一分も持たないというのにすごい剣だ。
 それに光がただの光ではなく神に愛された光の聖光トゥルーシャインになっている。
 これなら負ける気がしない。

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