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1ーS④
しおりを挟む「うう~、もうちょいゴロゴロしたかった~…。」
「しょうがないだろ、それより急ぐぞ。時間がない。」
「ううぅぅぅ~~~!!!」
そうして俺は兄ちゃんに首根っこを掴まれながら、楽園から引きずり出されたのだった。
~寮ロビー~
「紙には一旦ロビー集合って書いてあるけど……。」
ガヤガヤ
「うるさいし、人多いしどこだよ!」
そこには、ぱっと見500人程の人間が広々としているはずのロビーに所狭しと並んでいた。
「耳鳴りがする~……気持ち悪い…。」
「人酔いしたか?ほれ、水だ。」
「ありが………」
キィーン
『皆さん、おはようございます。』
凛とした声があたりに響く。その声に誰もが音の発生源へ顔を向けた。
『始業式の進行を努めさせて頂きます。生徒会副会長、上原朝比と申します。』
そちらを見れば、青みがかった黒髪をした麗人がマイクを持って話していた。身長は180ぐらいだろうか、目の下には涙袋があり、色気を醸しだしていた。
『どうぞよろしくお願い致します。』
麗人が言葉を発すると、周りからは………
「きゃああああああああああッッッ!!!!!!」
「嗚呼っ、朝比様ぁっ……………!!!!!!」
「うつ…、…く…しぃ……………………。」
「うおおおおおっっっっ!!!!!!!抱かせろおおおおお!!!!」
などの黄色い悲鳴。もちろん俺は、
「みみ、みみが、みみが、死ぬ……。」
絶賛、耳をおさえてうずくまり中!!やばい…さっきのと相まってガチ目に吐きそ…………おえ……………………………
「に、にいちゃん。みみ、耳から血でてない????だ、だいじょぶ???俺の、みみ………。」
「……ヤバそうだな。一旦外出るぞ。」
「うん………………。」
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