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黒の荒野の片隅で
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この戦いに奇妙な感覚を持ったエリオたちだが、戦況はまったく変わらない。戦っているマグフレアもこの状況に疑問を持ったのか、しかめた顔で振るった大味な攻撃に対して、アルティメットガールの回し蹴りが痛撃した。
久々の彼女の反撃にエリオたちは湧きたつのだが、その勢いはやはり続かない。
「その程度で俺が倒せるかよ!」
蹴り飛ばされたマグフレアは、素早く起きあがって再び彼女に向かっていく。
(これじゃダメなのね)
あらんばかりの力と速度でアルティメットガールに猛撃を加えるマグフレア。その攻撃の余波が、ときおりエリオたちを襲うのを彼女は防ぎながら戦っていた。
「ちょっと、気を付けてよ。危ないじゃない!」
横っ腹を蹴られたマグフレアは二度跳び下がった先で大きな構えを取ると、覇炎の聖剣にこれまでよりも大きな炎が巻き起こる。
「まずいぞ!」
カイルが叫んだのは、アルティメットガールが避ければ後ろにいる仲間たちが巻き込まれるからだ。刹那の時間で同じ判断を下した彼女は大きく息を吸い込んだ。
そんな彼女に強烈な闘技が撃ち放たれる。
「ナパームデッドエンド」
指向性を持って襲いくる灼熱の炎に対し、アルティメットガールも猛烈な息を吹いて対抗する。その息は槍を思わせる勢いでマグフレアの闘技を相殺した。
「この技って名前を叫べないのが難点なのよね」
苦し気な顔のアルティメットガールなのだが、その口から出てくるのはいつもの彼女とかわらぬ言葉だ。
「あなたね。みんなを巻き込むのはやめなさい。それをするとお仕置きくらいじゃ済まないわよ!」
さすがに信じられないという顔のマグフレアが表情を引き締める。
「やっぱり奴らを守るときのほうが力を感じるな」
自分のほうが優勢にもかかわらず、アルティメットガールからは心のゆとりを感じる。彼はそのことに苛立ちを覚え始めていた。
「さすがにちょっとストレスが溜まってきたぜ。そろそろ決着させるぞ」
そのストレスを晴らすようにマグフレアは叫んだ。
「ブレイクシャックルチェーン!」
内に荒ぶる力の中にもうひとつ大きな力が立ちあがったと皆が感じた瞬間、灼熱のドームが周辺を焼く。だがそれは攻撃ではなく解放された余剰の力に過ぎない。
「長らく破れなかった三つ目の壁の先だ。まだ慣れねぇから全力しか出せねぇし、力も安定してねぇ。荒削りのこの魅力に身を亡ぼすなよ」
マグフレアが発した波動はエリオたちの心を震わせる。それは恐怖、興味、拒絶、覚悟と、それぞれの心情を生み出した。
力の差があり過ぎて皆はもう強さが計れない。その差をカイルの言葉が表現する。
「あの力……秘薬を飲んでも届かん!」
予想を超えたマグフレアの強さにカイルが袋を落とすと、すかさずエリオはそれを拾いあげる。カイルはもうその行為を止めることはせず、視線を落としたまま立っていた。
紐を引き解いて逆さにした袋から深緑色の丸薬が落ちる。そのときマグフレアは文字通り爆発した勢いでアルティメットガールに迫り、もはやこれまでと皆は目を閉じた。
「アルティメットスラップ!」
だが、アルティメットガールの平手がマグフレアの頬をこれまでにない威力で叩いた。吹き飛んだ彼は着地も受け身もとれずに地面を跳ねとんでいく。
その事態を見たエリオは、手のひらに大魔王の秘薬を乗せたまま固まった。
ダウンしたマグフレアはすぐに跳び起きるが、ようやく超えた成長の壁の先の力を跳ね返された衝撃は大きく、驚きが悔しさを凌駕した表情で彼女を睨んだ。
勝負を決めきれないことと相まったそのストレスの度合いは、乱れ狂う不安定な爆炎が示していた。
「うおおおおおおおおお!」
吠え散らしながら向かってくるマグフレアを迎え撃つ彼女もまた、これまで溜めていたストレスを発散するように叫んだ。
「まだ上の力があるのなら、さっさと使いなさいよ!」
超速で突進するマグフレアへカウンターとなる縦拳が、激烈な震脚で突き込まれる。
「ぶおっ!」
打突の爆音に比例する勢いで飛んでいくマグフレアに向かって、彼女は強い口調で告げた。
「なんでこんなときに挑んでくるのよっ!」
そして、カイルのほうを向いて恨めしく睨む。
「なぜ俺を睨む?」
とうぜんカイルにその理由はわからない。だが、それ以上にわからないのはアルティメットガールの見事な反撃の理由だ。
強烈なカウンターによってダウンを喫したマグフレアは、今度ばかりはさすがにダメージを隠せない。
「この野郎。まだこんな底力を持っていやがったのか」
「言ったでしょ? わたしの底は浅くないって」
「だったらお前を丸裸にしてやるまでだ!」
再び始まるマグフレアの乱撃にも彼女は動じない。キレの良い動きによる回避と防御の中に反撃を織り交ぜて押し返していく。
「どうなっているんだ。あきらかに動きがいいじゃねぇか」
マルクスの驚きに仲間たちはうなずき同意する。そんな彼らが見守る中で、彼女のボディーアッパーが突き刺さり、傲岸不遜のマグフレアの体は強制的にくの字に曲げられ頭が下がった。
「平身低頭で謝っても遅いわ。お仕置きくらいじゃ済まないって言ったでしょ」
下がった頭に右フックを一閃。そのアルティメットガールの表情を見たレミは、近くにいるフレスと視線を合わせる。
「「やっぱり」」
それは彼女たちだからこそ察せることだ。
打ち合いを制されたマグフレアはたまらず後ろに跳び下がり、その彼にアルティメットガールはこの言葉を突き付けた。
「ようやく戦いになりそうだから我慢もここまでにさせてもらうわ」
「なんだとぉぉぉ?!」
それを聞いてマグフレアの顔は狂気じみた怒りに満ちていく。
「全力中の全力だぜ。アッパーリミット!」
抑えの効かない炎によって地面は溶け出した。マグフレアでさえも操れない力は彼自身の体にも悪影響を与えて、苦悶の表情も入り混じる。
強者と戦える歓喜の中に憤怒もブレンドされ、マグフレアの力をさらに上げていく。それは怒りの力を強さに変える覇炎の聖剣アンガーデトネイトの真価が発揮されたからだ。
「こいつで最後だぜ。お前の全力で、俺のすべてを受け止めてくれ」
「あなたの意思はわたしが欲しいモノとは真逆なの。その力で落とせる女と思わないで」
「俺はこれまでどんな女も落としてきたぜ」
「この想いはあなたに向かない。わたしは恋多き女じゃないのよ」
「俺が眼中にないって態度が気に入らねぇ! お前の想い人への想いも焼き焦がす」
「恋する炎はなによりも熱いの。嫉妬の炎に負けはしないわ!」
命の懸った戦いとは思えない掛け合いなのだが、ふたりは真剣だ。黒の荒野の片隅で、人族最強クラスの男は本気になれる女を見つけて愛を叫んだ。
「そのハートを射貫いてやるぜ! バーニングジェットバード」
背部からの噴射に合わせて燃えさかる炎の鳥が飛び立つと、アフターバーナーのような帯を引いてアルティメットガールへと向かっていく。
「避けろ」、「逃げろ」、「受けるな」、「かわせ」
一瞬先の交錯を前にエリオたちがこの言葉を叫んだとき、アルティメットガールの双眸がより強い輝きを放った。
「アルティメットアッパカーッ!」
空に飛び上がる勢いで繰り出されたアッパーカットが、至大至剛の大技を打ち破った。マグフレアの想いの炎は消失し、数秒宙を舞った彼は力なく森の中へ落ちていく。それを見送るアルティメットガールは下腹部を抑えながらつぶやいた。
「女の子の日はね、力の調整が利かないの。あなたが強くて良かったわ。ちょっと力が入り過ぎちゃっても死なないから」
久々の彼女の反撃にエリオたちは湧きたつのだが、その勢いはやはり続かない。
「その程度で俺が倒せるかよ!」
蹴り飛ばされたマグフレアは、素早く起きあがって再び彼女に向かっていく。
(これじゃダメなのね)
あらんばかりの力と速度でアルティメットガールに猛撃を加えるマグフレア。その攻撃の余波が、ときおりエリオたちを襲うのを彼女は防ぎながら戦っていた。
「ちょっと、気を付けてよ。危ないじゃない!」
横っ腹を蹴られたマグフレアは二度跳び下がった先で大きな構えを取ると、覇炎の聖剣にこれまでよりも大きな炎が巻き起こる。
「まずいぞ!」
カイルが叫んだのは、アルティメットガールが避ければ後ろにいる仲間たちが巻き込まれるからだ。刹那の時間で同じ判断を下した彼女は大きく息を吸い込んだ。
そんな彼女に強烈な闘技が撃ち放たれる。
「ナパームデッドエンド」
指向性を持って襲いくる灼熱の炎に対し、アルティメットガールも猛烈な息を吹いて対抗する。その息は槍を思わせる勢いでマグフレアの闘技を相殺した。
「この技って名前を叫べないのが難点なのよね」
苦し気な顔のアルティメットガールなのだが、その口から出てくるのはいつもの彼女とかわらぬ言葉だ。
「あなたね。みんなを巻き込むのはやめなさい。それをするとお仕置きくらいじゃ済まないわよ!」
さすがに信じられないという顔のマグフレアが表情を引き締める。
「やっぱり奴らを守るときのほうが力を感じるな」
自分のほうが優勢にもかかわらず、アルティメットガールからは心のゆとりを感じる。彼はそのことに苛立ちを覚え始めていた。
「さすがにちょっとストレスが溜まってきたぜ。そろそろ決着させるぞ」
そのストレスを晴らすようにマグフレアは叫んだ。
「ブレイクシャックルチェーン!」
内に荒ぶる力の中にもうひとつ大きな力が立ちあがったと皆が感じた瞬間、灼熱のドームが周辺を焼く。だがそれは攻撃ではなく解放された余剰の力に過ぎない。
「長らく破れなかった三つ目の壁の先だ。まだ慣れねぇから全力しか出せねぇし、力も安定してねぇ。荒削りのこの魅力に身を亡ぼすなよ」
マグフレアが発した波動はエリオたちの心を震わせる。それは恐怖、興味、拒絶、覚悟と、それぞれの心情を生み出した。
力の差があり過ぎて皆はもう強さが計れない。その差をカイルの言葉が表現する。
「あの力……秘薬を飲んでも届かん!」
予想を超えたマグフレアの強さにカイルが袋を落とすと、すかさずエリオはそれを拾いあげる。カイルはもうその行為を止めることはせず、視線を落としたまま立っていた。
紐を引き解いて逆さにした袋から深緑色の丸薬が落ちる。そのときマグフレアは文字通り爆発した勢いでアルティメットガールに迫り、もはやこれまでと皆は目を閉じた。
「アルティメットスラップ!」
だが、アルティメットガールの平手がマグフレアの頬をこれまでにない威力で叩いた。吹き飛んだ彼は着地も受け身もとれずに地面を跳ねとんでいく。
その事態を見たエリオは、手のひらに大魔王の秘薬を乗せたまま固まった。
ダウンしたマグフレアはすぐに跳び起きるが、ようやく超えた成長の壁の先の力を跳ね返された衝撃は大きく、驚きが悔しさを凌駕した表情で彼女を睨んだ。
勝負を決めきれないことと相まったそのストレスの度合いは、乱れ狂う不安定な爆炎が示していた。
「うおおおおおおおおお!」
吠え散らしながら向かってくるマグフレアを迎え撃つ彼女もまた、これまで溜めていたストレスを発散するように叫んだ。
「まだ上の力があるのなら、さっさと使いなさいよ!」
超速で突進するマグフレアへカウンターとなる縦拳が、激烈な震脚で突き込まれる。
「ぶおっ!」
打突の爆音に比例する勢いで飛んでいくマグフレアに向かって、彼女は強い口調で告げた。
「なんでこんなときに挑んでくるのよっ!」
そして、カイルのほうを向いて恨めしく睨む。
「なぜ俺を睨む?」
とうぜんカイルにその理由はわからない。だが、それ以上にわからないのはアルティメットガールの見事な反撃の理由だ。
強烈なカウンターによってダウンを喫したマグフレアは、今度ばかりはさすがにダメージを隠せない。
「この野郎。まだこんな底力を持っていやがったのか」
「言ったでしょ? わたしの底は浅くないって」
「だったらお前を丸裸にしてやるまでだ!」
再び始まるマグフレアの乱撃にも彼女は動じない。キレの良い動きによる回避と防御の中に反撃を織り交ぜて押し返していく。
「どうなっているんだ。あきらかに動きがいいじゃねぇか」
マルクスの驚きに仲間たちはうなずき同意する。そんな彼らが見守る中で、彼女のボディーアッパーが突き刺さり、傲岸不遜のマグフレアの体は強制的にくの字に曲げられ頭が下がった。
「平身低頭で謝っても遅いわ。お仕置きくらいじゃ済まないって言ったでしょ」
下がった頭に右フックを一閃。そのアルティメットガールの表情を見たレミは、近くにいるフレスと視線を合わせる。
「「やっぱり」」
それは彼女たちだからこそ察せることだ。
打ち合いを制されたマグフレアはたまらず後ろに跳び下がり、その彼にアルティメットガールはこの言葉を突き付けた。
「ようやく戦いになりそうだから我慢もここまでにさせてもらうわ」
「なんだとぉぉぉ?!」
それを聞いてマグフレアの顔は狂気じみた怒りに満ちていく。
「全力中の全力だぜ。アッパーリミット!」
抑えの効かない炎によって地面は溶け出した。マグフレアでさえも操れない力は彼自身の体にも悪影響を与えて、苦悶の表情も入り混じる。
強者と戦える歓喜の中に憤怒もブレンドされ、マグフレアの力をさらに上げていく。それは怒りの力を強さに変える覇炎の聖剣アンガーデトネイトの真価が発揮されたからだ。
「こいつで最後だぜ。お前の全力で、俺のすべてを受け止めてくれ」
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「この想いはあなたに向かない。わたしは恋多き女じゃないのよ」
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「恋する炎はなによりも熱いの。嫉妬の炎に負けはしないわ!」
命の懸った戦いとは思えない掛け合いなのだが、ふたりは真剣だ。黒の荒野の片隅で、人族最強クラスの男は本気になれる女を見つけて愛を叫んだ。
「そのハートを射貫いてやるぜ! バーニングジェットバード」
背部からの噴射に合わせて燃えさかる炎の鳥が飛び立つと、アフターバーナーのような帯を引いてアルティメットガールへと向かっていく。
「避けろ」、「逃げろ」、「受けるな」、「かわせ」
一瞬先の交錯を前にエリオたちがこの言葉を叫んだとき、アルティメットガールの双眸がより強い輝きを放った。
「アルティメットアッパカーッ!」
空に飛び上がる勢いで繰り出されたアッパーカットが、至大至剛の大技を打ち破った。マグフレアの想いの炎は消失し、数秒宙を舞った彼は力なく森の中へ落ちていく。それを見送るアルティメットガールは下腹部を抑えながらつぶやいた。
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