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004章 インチーズ世界
4章003ー 清貧なノカザム
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俺達は街の酒場にいた。
さっき魔王軍に襲われかけた街の酒場だ。
俺、ロミネスカス、ミラッパの3人は、テーブルについたまま、ひたすら呆然としていた。
……まぁ、あの光景見たあとじゃなぁ……
この世界の勇者である白銀勇者は、ちょっと問題があったものの、とにかく魔王を圧倒した。
最後、魔王も観念してたんだけど、結局帰らせちまった。
魔王が逃げ去ると同時に、この光景を後方の建物とかに隠れてみていたらしい街の住人達が一斉に歓声をあげまくったんだ。
「白銀勇者様、今回も魔王をおっぱらってくれてありがと~」
「白銀勇者様ばんざ~い!」
「魔王ツアッテリアめ、思い知ったか!」
街の住人達は白銀勇者に感謝の言葉を、逃げ去った魔王に罵倒を口にしながら
とにかく白銀勇者を称えていたわけだ。
「あの光景から察するに、白銀勇者が魔王ツアッテリアを見逃したのは今回が初じゃないよな」
俺が呟きに、ロミネスカスも頷いた。
「……とはいえ、何であの状況で見逃したのかしらね……あとは首を刎ねるだけだったのに……」
そう言うと、ロミネスカスも腕組みし、考えこんでいく。
ちなみにミラッパは考えるのに飽きたらしく、運ばれてきてたパンをがっついている。
主に俺とロミネスカスが考え混んでいるところに
「おまたせしましたぁ、今日のお勧めセット3つですね」
店員の女の子が満面の笑みで料理を持って来た。
……そうだな、何か考えるにしても、今は情報収拾しないことにはどうにもならないか
「ねぇ、君」
俺は、テーブルに料理を並べている女の子に声をかけた。
すかさず眉をしかめるミラッパ
これこれ、ナンパしようってんじゃないんだ、落ち着け。
「俺達、最近この街に来たばかりなんで、よかったら教えて欲しいんだけど……魔王ってこの街によく攻めてくるの?」
俺の言葉に、女の子はにっこり微笑むと
「あ、お客さん、ひょっとして魔王がよく攻めてくるんなら、今のうちに余所の街に逃げだそうとか思ってますね? 魔王は確かによく攻めてきますけど、この街には白銀勇者様がいますから、絶対に大丈夫です。安心して長期滞在してお金をこの街に落としていってくださいね」
……おいおい、すごい信頼感だな。
この女の子「絶対に大丈夫」って言い切ってるよ。
「何しろ白銀勇者様は、この5年間一度も魔王軍を街の中に入れていませんもの。
最近では痺れをきらせた魔王ツアッテリアが直接攻めて来てもいますけど、それすら撃退してますから」
「その5年の間、魔王軍は。この街以外は襲っていないのかしら?」
会話に、ロミネスカスが割り込んで来た。
その言葉に、女の子は
「はい、そんな話は聞きませんね。魔王ツアッテリアは、この世界に出現してからずっと白銀勇者様だけを狙い続けていますから……勝てるわけないのに、あのおばさん魔王も執念深いと思いません?」
「おばさん」ってとこに、ロミネスカスが微妙に反応してた気がしないでもないんだけど……
まぁ、とにかく魔王ツアッテリアが、この街の住民にも広く「おばさん」と認識されていることはよくわかった。
その後、雑談を交えながらあれこれ女の子から話を聞いた俺達。
最後、ロミネスカスがいつものように雑貨屋で魔石を換金して手に入れたこの世界のお金からチップを渡してあげたもんだから、女の子は超ご機嫌な様子で
「チップもらったんで特別に教えてあげるね。あの山の向こうに魔王城があるんだ。だから、あの山には近寄っちゃダメだよ」
そう、俺の耳元で囁いてから、店の中へと戻って行った。
その言葉に、俺は再度唖然となった。
……おいおい、どういうことだ?
酒場の女の子が魔王城の在処を知ってるってのに……白銀勇者は何故魔王城に攻め込まないんだ?
なんか、考えれば考えるほど頭の中がこんがらがっていく感じだ……
何故白銀勇者は魔王を見逃した?
何故白銀勇者は魔王城へ攻め込まない?
5年間ずっと
「なるほどねぇ……こんな状態だから『勇者に魔王を倒させる』なんて依頼が来るわけね」
ロミネスカスも、あきれ顔をしながらため息をついていく。
俺が仕事の真意を問いただそうとしたとき、メフィラが舌打ちしたわけだ……そりゃ舌打ちもしたくなるだろうよ、こんな謎展開じゃあさ。
せめて白銀勇者の居場所でもわかれば、会いにいってその行動の真意を聞くことが出来るんだが……
白銀勇者が魔王を見逃したことに唖然とし過ぎて、その行き先を追跡し損ねたからなぁ。
◇◇
そんな事を思っていた俺達は今、白銀勇者の家の前に立っている。
「白銀勇者様なら、その先にお住まいだよ」
なんか、さっきの女の子に聞いて見たら、あっさり教えてもらえたんだよね……
で、俺達はさっきの酒場からも、魔王軍と白銀勇者が戦った場所からもそう離れていない、のどかな農村の一角にある、とある家の前に立っていた。
木製のすごく粗末な家。
だが、手入れはすごく行き届いていて、隅々までぴっかぴかだ。
裏には結構広い畑に加えて、食用の家畜も育てているらしい。
「街の人の話だと、白銀勇者は、本名ノカザム。
母子2人暮らしだったんだけど、その母親が病気で亡くなったのが13才の時。
その年に魔王ツアッテリアが出現。
それに呼応するかのようにこの世界の神の天啓を受けて白銀勇者となったのが5年前。
以後、魔王ツアッテリアが攻めて来た時だけ白銀勇者としてこれを撃退していて、
それ以外の時は、ここで農業を主な生業として質素に暮らし続けているそうよ……」
街の人々から集めた情報を話してくれたロミネスカスなんだが……
「天啓を受けた勇者を、城は招集しなかったのか? 普通勇者が現れたとなったら王が全面的にバックアップするのが普通だろ?」
俺の言葉に、ロミネスカスは、少々ため息を漏らすと
「この5年間、王は何度も彼を招集使用としているわ……でも、白銀勇者がこれに応じないそうよ。
ならばと、王は結構な額の金銭とか、パーティメンバー候補なんかを彼に送ったりもしているそうなんだけど、すべて拒絶しているそうよ」
そう言って肩をすくめた。
……まぁ、なんだ
どっかの世界の勇者みたいに、魔王の娘と結託してせっせと金儲けしてるのに比べたら、まだましではあるけど……
「……しかしアレだな、あの高笑いさえなければ、人としてはすごく良い奴なのかも知れないな……魔王を倒さない時点で勇者としてはあれなんだが……」
まぁ、いい
こうして白銀勇者の家の前まで来たわけだ、ならすることは1つだ。
俺はおもむろに玄関へと歩み寄ると
トントン
と、家の戸をノックした。
すると
「しばらくお待ちいただけますか」
家の裏の方から何やら声が聞こえてきた。
ほどなくして、1人の男が家の横を迂回するようにして俺達の元へと駆けてきた。
白いシャツにオーバーオール姿で、でっかい長靴を履いている。
ちょうど農作業の最中だったんだろう……その服どころか、顔や髪の毛まで泥だらけだ。
そんな姿で、その男はニッコリ微笑んだ。
「お待たせして申し訳ありません、私に何かご用でしょうか?」
そう言うと、その男は、俺達1人1人に対して礼儀正しくお辞儀をした。
姿形はまったく違うけど、この顔は確かに白銀勇者だ。
先日、
魔王軍を撃退し、魔王を追い詰めた白銀勇者は
俺達の前で泥だらけの姿のまま、ニッコリ微笑んでいる……
ーつづく
さっき魔王軍に襲われかけた街の酒場だ。
俺、ロミネスカス、ミラッパの3人は、テーブルについたまま、ひたすら呆然としていた。
……まぁ、あの光景見たあとじゃなぁ……
この世界の勇者である白銀勇者は、ちょっと問題があったものの、とにかく魔王を圧倒した。
最後、魔王も観念してたんだけど、結局帰らせちまった。
魔王が逃げ去ると同時に、この光景を後方の建物とかに隠れてみていたらしい街の住人達が一斉に歓声をあげまくったんだ。
「白銀勇者様、今回も魔王をおっぱらってくれてありがと~」
「白銀勇者様ばんざ~い!」
「魔王ツアッテリアめ、思い知ったか!」
街の住人達は白銀勇者に感謝の言葉を、逃げ去った魔王に罵倒を口にしながら
とにかく白銀勇者を称えていたわけだ。
「あの光景から察するに、白銀勇者が魔王ツアッテリアを見逃したのは今回が初じゃないよな」
俺が呟きに、ロミネスカスも頷いた。
「……とはいえ、何であの状況で見逃したのかしらね……あとは首を刎ねるだけだったのに……」
そう言うと、ロミネスカスも腕組みし、考えこんでいく。
ちなみにミラッパは考えるのに飽きたらしく、運ばれてきてたパンをがっついている。
主に俺とロミネスカスが考え混んでいるところに
「おまたせしましたぁ、今日のお勧めセット3つですね」
店員の女の子が満面の笑みで料理を持って来た。
……そうだな、何か考えるにしても、今は情報収拾しないことにはどうにもならないか
「ねぇ、君」
俺は、テーブルに料理を並べている女の子に声をかけた。
すかさず眉をしかめるミラッパ
これこれ、ナンパしようってんじゃないんだ、落ち着け。
「俺達、最近この街に来たばかりなんで、よかったら教えて欲しいんだけど……魔王ってこの街によく攻めてくるの?」
俺の言葉に、女の子はにっこり微笑むと
「あ、お客さん、ひょっとして魔王がよく攻めてくるんなら、今のうちに余所の街に逃げだそうとか思ってますね? 魔王は確かによく攻めてきますけど、この街には白銀勇者様がいますから、絶対に大丈夫です。安心して長期滞在してお金をこの街に落としていってくださいね」
……おいおい、すごい信頼感だな。
この女の子「絶対に大丈夫」って言い切ってるよ。
「何しろ白銀勇者様は、この5年間一度も魔王軍を街の中に入れていませんもの。
最近では痺れをきらせた魔王ツアッテリアが直接攻めて来てもいますけど、それすら撃退してますから」
「その5年の間、魔王軍は。この街以外は襲っていないのかしら?」
会話に、ロミネスカスが割り込んで来た。
その言葉に、女の子は
「はい、そんな話は聞きませんね。魔王ツアッテリアは、この世界に出現してからずっと白銀勇者様だけを狙い続けていますから……勝てるわけないのに、あのおばさん魔王も執念深いと思いません?」
「おばさん」ってとこに、ロミネスカスが微妙に反応してた気がしないでもないんだけど……
まぁ、とにかく魔王ツアッテリアが、この街の住民にも広く「おばさん」と認識されていることはよくわかった。
その後、雑談を交えながらあれこれ女の子から話を聞いた俺達。
最後、ロミネスカスがいつものように雑貨屋で魔石を換金して手に入れたこの世界のお金からチップを渡してあげたもんだから、女の子は超ご機嫌な様子で
「チップもらったんで特別に教えてあげるね。あの山の向こうに魔王城があるんだ。だから、あの山には近寄っちゃダメだよ」
そう、俺の耳元で囁いてから、店の中へと戻って行った。
その言葉に、俺は再度唖然となった。
……おいおい、どういうことだ?
酒場の女の子が魔王城の在処を知ってるってのに……白銀勇者は何故魔王城に攻め込まないんだ?
なんか、考えれば考えるほど頭の中がこんがらがっていく感じだ……
何故白銀勇者は魔王を見逃した?
何故白銀勇者は魔王城へ攻め込まない?
5年間ずっと
「なるほどねぇ……こんな状態だから『勇者に魔王を倒させる』なんて依頼が来るわけね」
ロミネスカスも、あきれ顔をしながらため息をついていく。
俺が仕事の真意を問いただそうとしたとき、メフィラが舌打ちしたわけだ……そりゃ舌打ちもしたくなるだろうよ、こんな謎展開じゃあさ。
せめて白銀勇者の居場所でもわかれば、会いにいってその行動の真意を聞くことが出来るんだが……
白銀勇者が魔王を見逃したことに唖然とし過ぎて、その行き先を追跡し損ねたからなぁ。
◇◇
そんな事を思っていた俺達は今、白銀勇者の家の前に立っている。
「白銀勇者様なら、その先にお住まいだよ」
なんか、さっきの女の子に聞いて見たら、あっさり教えてもらえたんだよね……
で、俺達はさっきの酒場からも、魔王軍と白銀勇者が戦った場所からもそう離れていない、のどかな農村の一角にある、とある家の前に立っていた。
木製のすごく粗末な家。
だが、手入れはすごく行き届いていて、隅々までぴっかぴかだ。
裏には結構広い畑に加えて、食用の家畜も育てているらしい。
「街の人の話だと、白銀勇者は、本名ノカザム。
母子2人暮らしだったんだけど、その母親が病気で亡くなったのが13才の時。
その年に魔王ツアッテリアが出現。
それに呼応するかのようにこの世界の神の天啓を受けて白銀勇者となったのが5年前。
以後、魔王ツアッテリアが攻めて来た時だけ白銀勇者としてこれを撃退していて、
それ以外の時は、ここで農業を主な生業として質素に暮らし続けているそうよ……」
街の人々から集めた情報を話してくれたロミネスカスなんだが……
「天啓を受けた勇者を、城は招集しなかったのか? 普通勇者が現れたとなったら王が全面的にバックアップするのが普通だろ?」
俺の言葉に、ロミネスカスは、少々ため息を漏らすと
「この5年間、王は何度も彼を招集使用としているわ……でも、白銀勇者がこれに応じないそうよ。
ならばと、王は結構な額の金銭とか、パーティメンバー候補なんかを彼に送ったりもしているそうなんだけど、すべて拒絶しているそうよ」
そう言って肩をすくめた。
……まぁ、なんだ
どっかの世界の勇者みたいに、魔王の娘と結託してせっせと金儲けしてるのに比べたら、まだましではあるけど……
「……しかしアレだな、あの高笑いさえなければ、人としてはすごく良い奴なのかも知れないな……魔王を倒さない時点で勇者としてはあれなんだが……」
まぁ、いい
こうして白銀勇者の家の前まで来たわけだ、ならすることは1つだ。
俺はおもむろに玄関へと歩み寄ると
トントン
と、家の戸をノックした。
すると
「しばらくお待ちいただけますか」
家の裏の方から何やら声が聞こえてきた。
ほどなくして、1人の男が家の横を迂回するようにして俺達の元へと駆けてきた。
白いシャツにオーバーオール姿で、でっかい長靴を履いている。
ちょうど農作業の最中だったんだろう……その服どころか、顔や髪の毛まで泥だらけだ。
そんな姿で、その男はニッコリ微笑んだ。
「お待たせして申し訳ありません、私に何かご用でしょうか?」
そう言うと、その男は、俺達1人1人に対して礼儀正しくお辞儀をした。
姿形はまったく違うけど、この顔は確かに白銀勇者だ。
先日、
魔王軍を撃退し、魔王を追い詰めた白銀勇者は
俺達の前で泥だらけの姿のまま、ニッコリ微笑んでいる……
ーつづく
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