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003章 セルイッシュ世界
3章003ー勇者デジュアの行動記録
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勇者デジュアの一行は、遠藤の大群衆の中を進んで行く。
ほどなくして一行はセルイッシュ城へとたどり着いた。
「みんな、声援ありがとう」
勇者デジュアは、満面の笑みとともに右手を振りながら城の中へと姿を消していった。
勇者デジュアの後に続いていたお供の者達も一緒に。
当然、あの魔王の娘であるビーチェルも一緒だ。
俺達は、先ほどまで潜んでいた宿の2階を抜け出すと、勇者デジュアの後を追った。
ありがたいことにと言うか
おいおいと言うべきなのか判断に悩むところなのだが……
城の警備は非常に甘く、勇者デジュアが出入りに使った城門以外の場所の警備は非常に甘く……というか、門だけしめて、衛兵が誰もいないという、とんでもないほど不用心な状態だため、俺達は易々と城の中に忍びこむことが出来た。
隠蔽魔法で気配をけしつつ、検索魔法で周囲の人影に注意しながら城の中を進んで行くと、そう苦労することなく勇者デジュア一行を見つけることが出来た。
勇者デジュア一行は、玉座の間にいた。
勇者デジュア一同は、玉座の間の中央に立ったまま、玉座の王と対面していた。
勇者デジュアの共の者達も、誰一人として膝をついている者がいない。
……普通、王に謁見するときってのは、たとえ勇者であっても片膝をつき、兜を脱ぐのが礼儀のはずだが……この世界では違うのか?
俺は、首をかしげながらも、2階の踊り場の影から、この様子を見つめ続けていた。
「勇者デジュアを、この世界を守りし勇者よ……魔王ビナスは破壊の宝珠を仕掛けた場所を白状いたしました出そうか……」
王の言葉に、勇者デジュアは右手の人差し指をたて、それ顔のやや横の位置へかざしていく。
「王よ、あの者はなかなかに強情です……なれどついにそれらしき場所をその口から聞き出すことに成功いたしました」
勇者デジュアは、そう言うと、ややうつむきながらニヤッと笑った。
……あの顔、なんか、ドヤ顔っぽくて、なんかムカツクな
俺がそう呟くと、
……ミラッパもそう思うっぱ
と、ミラッパも俺の袖を引っ張って何度も頷いて見せた。
勇者デジュアの言葉に、王は玉座から立ち上がり、その顔に喜びの色を浮かべていく。
「おぉ! 勇者デジュアよ、それはいずこに!」
「北の秦嶺山脈の奥地にあります蓬莱山の裾野、そこに仕掛けた地下迷宮の最深部とか」
そう言うと、勇者デジュアは一歩前に踏み出した。
「早速捜索隊を向かわせようと思います。
メンバーは私が選出し、然るべき力をもったものを探しだし、命令を伝えましょう」
勇者デジュアの言葉に、王はその場にひざまずき、感謝の意を示していく。
「おぉ、感謝します……勇者デジュア……つきましては、民には……」
「わかっています王よ。すでに魔王の脅威が去ったと思い込んでいる民が、魔王ビナスの仕掛けし破壊の宝珠によりこの世界が崩壊の危機に瀕していると知りでもしたら大変ですからね……いつもどおり極秘に事をすすめてまいりますゆえ、ご安心ください」
そう言うと、勇者デジュアは再びにニヤッと笑った。
……やっぱあの顔、ドヤ顔っぽくて、ムカツクんだよな
俺が再びそう呟くと、
……ミラッパもそう思うっぱ
と、ミラッパも再び俺の袖を引っ張って頷いた。
「……で、勇者デジュアよ。捜索隊にかかる費用は前回のシフォルド高原の捜索の際程度でよいか?」
王は玉座に座り直すと、勇者デジュアにそう言葉をかけた。
その後方には、おそらく金貨が詰まってると思われる布袋を携えた側近の者達がすでに控えている。
「おそれながら王よ……」
勇者デジュアは、一度大きなため息をついた。
「今度は北の秦嶺山脈です……たどりつくだけでも命の危険を覚悟せねばならない未開の地……
それゆえ、彼の地に向かう者達には、残していく者達へも相応の金品を残させてやりたいと思っておりますゆえ……前回の3倍お願いいたしたく……」
勇者デジュアの言葉に、玉座の間の全員がどよめいた。
その様子を一瞥した勇者デジュアは、右手をかざした。
すると、その途端に玉座の間のどよめきが不自然なまでに収まっていく。
「同行する、我ら勇者一行は一金貨たりともいりません。すべては死地に赴き、人知れず国のために協力してくださる同士のため……」
勇者デジュアの、この言葉に、王をはじめとする、玉座にいる者達、皆、感涙を流していく。
「わかりました、すぐに3倍の金を用意させましょう」
王の言葉に、その後方にいる側近らも慌ただしく動き始めていた。
その様子を、勇者デジュアは相変わらず直立したまま見つめていた。
あの不敵な笑みとともに。
◇◇
ロミネスカスの転移魔法で一度玉座の間を後にした俺達。
「……ウインダ、気がついた?」
ロミネスカスが、俺に話しかけた。
「……勇者デジュアの右手か?」
俺の言葉に、ロミネスカスは頷いた。
先ほどの玉座のまでの会話の中
勇者デジュアが3倍の資金を要求した際、王達は明らかに狼狽していた。
だが、勇者デジュアが右手をかざすと、王達の狼狽は、一斉に感涙へと変わっていった。
その時、王達同様に玉座の間にいた俺達にはわかった。
その時、勇者デジュアが『魅了』の魔法を使ったんだ……それもとてつもなく強力なやつ。
俺とロミネスカスは精神魔法無効化を発動させていたから助かったけど、
かたや勇者の
かたやA級魔法使いの
精神魔法無効化だったから効果があったわけで、
生半可な魔法使いの魔法だったら、間違いなく貫通し魅了魔法に犯されてただろう。
ちなみにミラッパは産まれながらにして、精神系魔法に対して異常に強い体質をしているので、しれっとしたもんだった。
……さて、それを踏まえた上でこれからどうするか
俺は少し腕組みして考えた。
「……よし、ロミネスカスは城でちょっと調べて欲しいことがある」
俺の言葉に、ロミネスカスはにっこり微笑んだ。
「魔王ビナスの破壊の宝珠捜索名義で、どれだけの金品が勇者デジュアに支払われているか、ね?」
「あぁ、そのとおりだ」
ロミネスカスは、俺が頷くのを確認すると、転移魔法で即座に姿を消していった。
が
すぐに一度戻ってくる。
「ん、どうした?」
俺の言葉に、ロミネスカスは
「忘れ物よ」
そう言うと、俺に口づけた。
しばしそのまま俺に濃厚なキスをしてくるロミネスカス
ふぅ、と、熱い吐息とともに離れたロミネスカスは
「じゃ、気をつけてね」
そう言い、再び姿を消した。
あまりの速攻ぶりに
横にいたミラッパも、ただただ唖然とするしかなかったわけなんだが、
「ウインダ! ミラッパにもぉ!」
そう言いながら、ミラッパが俺に抱きついてきたのは、言うまでもなかったわけだ。
◇◇
その後、
俺とミラッパは、勇者デジュアの後を追った。
勇者デジュアは、王からたんまりと金を受け取ると、それを魔法袋に詰め込み城を後にした。
当然、帰りも熱狂的な市民に見送られてるんだが、
その際にも、右手をあげて市民に向かって魅了魔法をばらまいていた。
その魔力の量が、玉座の間で使用したものにくらべればはるかに微弱だったため、さっきは気づかなかったんだけど……要は、この熱狂すら作られた部分が多大に含まれてるってわけか……
その後、勇者デジュア一行は城下街を抜けるとすぐに転移魔法を使用し、姿を消した。
普通の場合だと追跡はここまで……ってなっちまうんだが、
俺は転移魔法追跡スキルってのを所持している。
これは、魔王の部下が逃げ帰る際に転移魔法を使用した場合に、どこに逃げたか追跡するためにと、勇者の天啓を受けたさいに神からおまけでつけてもらったスキルなんだが……こんなとこで役に立つとはね。
追跡結果
勇者デジュアは、城下街からかなり南にある山奥に移動したらしい。
はて……そんなとこに何があるんだ?
俺は、勇者デジュアの転移先を中心に検索魔法を展開していく。
この世界で地図にのってるくらい有名な建物や地名であれば、この検索魔法で名前がわかる場合もあるんだが……
検索結果には、勇者デジュアが転移した先が文字入りで表示されていた。
それはむしろありがたいんだが
問題なのは、その名前だ。
勇者デジュアが転移した先には、こう記されていた。
『魔王ビナスの城』と
ーつづく
ほどなくして一行はセルイッシュ城へとたどり着いた。
「みんな、声援ありがとう」
勇者デジュアは、満面の笑みとともに右手を振りながら城の中へと姿を消していった。
勇者デジュアの後に続いていたお供の者達も一緒に。
当然、あの魔王の娘であるビーチェルも一緒だ。
俺達は、先ほどまで潜んでいた宿の2階を抜け出すと、勇者デジュアの後を追った。
ありがたいことにと言うか
おいおいと言うべきなのか判断に悩むところなのだが……
城の警備は非常に甘く、勇者デジュアが出入りに使った城門以外の場所の警備は非常に甘く……というか、門だけしめて、衛兵が誰もいないという、とんでもないほど不用心な状態だため、俺達は易々と城の中に忍びこむことが出来た。
隠蔽魔法で気配をけしつつ、検索魔法で周囲の人影に注意しながら城の中を進んで行くと、そう苦労することなく勇者デジュア一行を見つけることが出来た。
勇者デジュア一行は、玉座の間にいた。
勇者デジュア一同は、玉座の間の中央に立ったまま、玉座の王と対面していた。
勇者デジュアの共の者達も、誰一人として膝をついている者がいない。
……普通、王に謁見するときってのは、たとえ勇者であっても片膝をつき、兜を脱ぐのが礼儀のはずだが……この世界では違うのか?
俺は、首をかしげながらも、2階の踊り場の影から、この様子を見つめ続けていた。
「勇者デジュアを、この世界を守りし勇者よ……魔王ビナスは破壊の宝珠を仕掛けた場所を白状いたしました出そうか……」
王の言葉に、勇者デジュアは右手の人差し指をたて、それ顔のやや横の位置へかざしていく。
「王よ、あの者はなかなかに強情です……なれどついにそれらしき場所をその口から聞き出すことに成功いたしました」
勇者デジュアは、そう言うと、ややうつむきながらニヤッと笑った。
……あの顔、なんか、ドヤ顔っぽくて、なんかムカツクな
俺がそう呟くと、
……ミラッパもそう思うっぱ
と、ミラッパも俺の袖を引っ張って何度も頷いて見せた。
勇者デジュアの言葉に、王は玉座から立ち上がり、その顔に喜びの色を浮かべていく。
「おぉ! 勇者デジュアよ、それはいずこに!」
「北の秦嶺山脈の奥地にあります蓬莱山の裾野、そこに仕掛けた地下迷宮の最深部とか」
そう言うと、勇者デジュアは一歩前に踏み出した。
「早速捜索隊を向かわせようと思います。
メンバーは私が選出し、然るべき力をもったものを探しだし、命令を伝えましょう」
勇者デジュアの言葉に、王はその場にひざまずき、感謝の意を示していく。
「おぉ、感謝します……勇者デジュア……つきましては、民には……」
「わかっています王よ。すでに魔王の脅威が去ったと思い込んでいる民が、魔王ビナスの仕掛けし破壊の宝珠によりこの世界が崩壊の危機に瀕していると知りでもしたら大変ですからね……いつもどおり極秘に事をすすめてまいりますゆえ、ご安心ください」
そう言うと、勇者デジュアは再びにニヤッと笑った。
……やっぱあの顔、ドヤ顔っぽくて、ムカツクんだよな
俺が再びそう呟くと、
……ミラッパもそう思うっぱ
と、ミラッパも再び俺の袖を引っ張って頷いた。
「……で、勇者デジュアよ。捜索隊にかかる費用は前回のシフォルド高原の捜索の際程度でよいか?」
王は玉座に座り直すと、勇者デジュアにそう言葉をかけた。
その後方には、おそらく金貨が詰まってると思われる布袋を携えた側近の者達がすでに控えている。
「おそれながら王よ……」
勇者デジュアは、一度大きなため息をついた。
「今度は北の秦嶺山脈です……たどりつくだけでも命の危険を覚悟せねばならない未開の地……
それゆえ、彼の地に向かう者達には、残していく者達へも相応の金品を残させてやりたいと思っておりますゆえ……前回の3倍お願いいたしたく……」
勇者デジュアの言葉に、玉座の間の全員がどよめいた。
その様子を一瞥した勇者デジュアは、右手をかざした。
すると、その途端に玉座の間のどよめきが不自然なまでに収まっていく。
「同行する、我ら勇者一行は一金貨たりともいりません。すべては死地に赴き、人知れず国のために協力してくださる同士のため……」
勇者デジュアの、この言葉に、王をはじめとする、玉座にいる者達、皆、感涙を流していく。
「わかりました、すぐに3倍の金を用意させましょう」
王の言葉に、その後方にいる側近らも慌ただしく動き始めていた。
その様子を、勇者デジュアは相変わらず直立したまま見つめていた。
あの不敵な笑みとともに。
◇◇
ロミネスカスの転移魔法で一度玉座の間を後にした俺達。
「……ウインダ、気がついた?」
ロミネスカスが、俺に話しかけた。
「……勇者デジュアの右手か?」
俺の言葉に、ロミネスカスは頷いた。
先ほどの玉座のまでの会話の中
勇者デジュアが3倍の資金を要求した際、王達は明らかに狼狽していた。
だが、勇者デジュアが右手をかざすと、王達の狼狽は、一斉に感涙へと変わっていった。
その時、王達同様に玉座の間にいた俺達にはわかった。
その時、勇者デジュアが『魅了』の魔法を使ったんだ……それもとてつもなく強力なやつ。
俺とロミネスカスは精神魔法無効化を発動させていたから助かったけど、
かたや勇者の
かたやA級魔法使いの
精神魔法無効化だったから効果があったわけで、
生半可な魔法使いの魔法だったら、間違いなく貫通し魅了魔法に犯されてただろう。
ちなみにミラッパは産まれながらにして、精神系魔法に対して異常に強い体質をしているので、しれっとしたもんだった。
……さて、それを踏まえた上でこれからどうするか
俺は少し腕組みして考えた。
「……よし、ロミネスカスは城でちょっと調べて欲しいことがある」
俺の言葉に、ロミネスカスはにっこり微笑んだ。
「魔王ビナスの破壊の宝珠捜索名義で、どれだけの金品が勇者デジュアに支払われているか、ね?」
「あぁ、そのとおりだ」
ロミネスカスは、俺が頷くのを確認すると、転移魔法で即座に姿を消していった。
が
すぐに一度戻ってくる。
「ん、どうした?」
俺の言葉に、ロミネスカスは
「忘れ物よ」
そう言うと、俺に口づけた。
しばしそのまま俺に濃厚なキスをしてくるロミネスカス
ふぅ、と、熱い吐息とともに離れたロミネスカスは
「じゃ、気をつけてね」
そう言い、再び姿を消した。
あまりの速攻ぶりに
横にいたミラッパも、ただただ唖然とするしかなかったわけなんだが、
「ウインダ! ミラッパにもぉ!」
そう言いながら、ミラッパが俺に抱きついてきたのは、言うまでもなかったわけだ。
◇◇
その後、
俺とミラッパは、勇者デジュアの後を追った。
勇者デジュアは、王からたんまりと金を受け取ると、それを魔法袋に詰め込み城を後にした。
当然、帰りも熱狂的な市民に見送られてるんだが、
その際にも、右手をあげて市民に向かって魅了魔法をばらまいていた。
その魔力の量が、玉座の間で使用したものにくらべればはるかに微弱だったため、さっきは気づかなかったんだけど……要は、この熱狂すら作られた部分が多大に含まれてるってわけか……
その後、勇者デジュア一行は城下街を抜けるとすぐに転移魔法を使用し、姿を消した。
普通の場合だと追跡はここまで……ってなっちまうんだが、
俺は転移魔法追跡スキルってのを所持している。
これは、魔王の部下が逃げ帰る際に転移魔法を使用した場合に、どこに逃げたか追跡するためにと、勇者の天啓を受けたさいに神からおまけでつけてもらったスキルなんだが……こんなとこで役に立つとはね。
追跡結果
勇者デジュアは、城下街からかなり南にある山奥に移動したらしい。
はて……そんなとこに何があるんだ?
俺は、勇者デジュアの転移先を中心に検索魔法を展開していく。
この世界で地図にのってるくらい有名な建物や地名であれば、この検索魔法で名前がわかる場合もあるんだが……
検索結果には、勇者デジュアが転移した先が文字入りで表示されていた。
それはむしろありがたいんだが
問題なのは、その名前だ。
勇者デジュアが転移した先には、こう記されていた。
『魔王ビナスの城』と
ーつづく
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