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序章・デコナ世界→パルマ世界
そして旅立つ2人
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朝もだいぶんたってから、俺とロミネスカスは慌てて起き出した。
そうだ、
危うく忘れるところだった。
今日は朝一から、スアビールを買いに行くんだった。
昨日、始めて口にした酒だったけど、
良く冷え、のどごしが良く、そしてそのシュワッとした感じが最高の、あの酒を、今日こそ心ゆくまで満喫したい。
幸い、金はある。
ロミネスカスが、加工用にと所持していた魔石を売ったお金が結構あるし、
何より、この酒を味わいたいとの意見には、ロミネスカス本人も超乗り気なわけだ。
俺達は、着替え終えると
「よし、いくぞ」
「えぇ、いいわ」
戸を開け、一気に駆け出……
「おはようござますねぇ、ウインダ様、ロミネスカス様」
その開けたばかりの戸の向こうに、メフィラがいた。
メフィラは、いつものように、その小脇に大量の書類を抱えて、
んでもって、俺達2人を室内に押し返していく。
「おい、ちょっと待ってくれ、俺達は買い物に……」
そう言った俺の眼前に、メフィラは1枚の紙を突きつけ、こう言った。
「仕事ですねぇ」
と。
◇◇
『姫勇者の魔王討伐の手伝い』
メフィラが差し出した紙には、そう表題されていた。
その勇者がいる世界ってのがイゾルンダ……この世界とも、俺が産まれ育った世界とも違う、まったく別の世界らしい。
……まぁ、そんな世界がどうのこうのなんて、一介の勇者に過ぎない俺なんかがいくら考えても完全に理解出来るとは思えないしな……
「そうね、ウインダは昔から頭の方は残念ここに窮まれりでしたから」
「うっせ! ほっとけ」
「……それでも、少しは認めているんですよ? あそこまで魔法をよく覚えたもんだ、と」
そう言ってくれるのは嬉しくもあるんだけど、
ロミネスカスってば、乾いた笑いしながら、拍手をぱっち……ぱっち……とすっごい間を開けてしてやがりまして……なんていうか、喧嘩売られているとしか思えないわけで……
「で、ですねぇ、
依頼主であります、イゾルンダ世界の神様によりますとですねぇ。
すでに30年かかってるのに、まだ魔王を倒せてないそうなんですねぇ」
……え? さ、30年って……じ、じゃあこの姫勇者って、相当な婆ぁ……ってことか?
「あぁ、この方はですねぇ、勇者になったときにですねぇ、神様からですねぇ、年齢固定の祝福をもらっていますのでねぇ、勇者になった時の14才の姿のままですねぇ」
ほう……なんですか?
勇者になった時に、年齢固定なんて祝福を頂けるもんなんですかね?
……俺が、神様から天啓受けた時には、そんな話、これっぽっちもなかったぞ?
ポン
「……え~、それでですね……」
「おいこら!? 何、人の肩に手を置いて『ドンマイ』みたいな顔して話を次に進めようとしてんだよ!」
「え~? 言わないとダメですかぁ?」
「っていうか、一応気になるじゃないか……なんで俺は年齢固定してもらえなかったのかっての」
「え~、そりゃまぁ。あれですよ……神様にだって感情がありますのでねぇ」
「は?」
「自分の選んだ勇者の動向って、まぁ、最後まで見守る義務があるわけなんですねぇ」
「あ、あぁ……」
「その見守ってる姫勇者がですねぇ、日に日におばさんになっていくの、耐えられますかねぇ?」
「……え~っと」
「ですのでぇ、ウインダ様がぁ、もっとかわいくって、きゃるんとした女勇者だったら、間違いなく年齢固定の祝福を得られていたかと、思うんですよねぇ」
……なんですか?
俺、男だからって理由で、年齢固定してもらえなかったっての? ねぇ……
すると
ここまで横で話を聞いていたロミネスカスが
「ちょっといいかしら?」
そう言いながら右手をあげた。
「メフィラさん……あなたさっき、
神様が『自分の選んだ勇者の動向って、まぁ、最後まで見守る義務がある』って言われましたよね?」
「はい、言いましたねぇ」
「……と、言うことは、ウインダも、ウインダに天啓を与えて勇者に任命した神様から見守られてたはずなんですよね?」
「はい、そうですねぇ」
「……に、しては、あまりにもひどくないです? この仕打ちって?
あの大魔王を倒したっていうのに、
許嫁は寝取られ、
褒美はもらえず、
許嫁は寝取られ、
城からは指名手配され
許嫁は寝取られ……」
ち、ちょっと待ってくれ、ロミネスカス……
な、なんで寝取られの部分だけ、定期的に繰り返すのかな?……あれ? なんか目から汗が……
すると、メフィラ、小脇に抱えている書類の束から1枚抜き出すと
「それに関してはですねぇ、
後日談がありましてですねぇ、
あの城の王と貴族って、すっごい私腹を肥やしまくってる最低野郎共でしてですねぇ」
……は?
「本来でしたらですねぇ、勇者ウインダ様とロミネスカス様はですねぇ
大魔王を倒した後にですねぇ、
城に戻ってですねぇ
王を倒してですねぇ、
貴族を追い出してですねぇ、新国家を建国する使いのお仕事が待っていたのですねぇ」
「「は、はぁ!?」」
「で、ですねぇ、そのお仕事をこなされる前にですねぇ、あなたは我が社に引き抜かれましたのでねぇ
その役目は、剣士のブレドナさんと、重騎士のレコンキスナさんに引き継がれましてですねぇ
新たな神の加護を受けたお二方はですねぇ、
救国の勇者としてですねぇ
王を倒してですねぇ、
貴族を追い出してですねぇ、
新国家を建国しましてですねぇ、
今では、新国家の2人国王として君臨なさっていますねぇ」
……ち、ちょっと待て
「……あ、あのさ……な、なんでその話を先に教えてくれなかったのさ?……そうとわかってたら俺、こんな会社に就職なんて……」
そう言いながらメフィラを視線を向けた俺。
その時のメフィラ、一瞬、すっごい悪人顔して
「そんなん言うわけないじゃないですかねぇ
こっちだって勇者確保するのに必死なんですよねぇ」
……わざとか
……ってか、この女、最初っから全部知ってて、俺を契約するしかないように仕向けてたってことか
「ふっざけんな! こんな契約、認められるか! 却下だ! 無効だ! クーリングオフだ!」
俺は、魔法袋の中から、メフィラと交わした契約書を取り出すと、それをビリビリに……
……あれ? なんで、ビリビリになってないんだ?
今、俺、確かに、ビリビリに破ったはずだぞ?……よし、もう一回……
俺は、再度契約書をビリビリに引き裂いた。
んで、その契約書
わずか2秒で元に戻った……って、うぉい!? 再生機能付きかよ!?
ここでメフィラのヤツ、俺の背後に回ると
「……勇者たるもの、あきらめが肝心だと思いますねぇ」
そう言って、再度俺の肩を叩きやがった……
その顔を肩越しに見た俺は悟った。
あぁ、俺、詰んだな……と。
◇◇
「物は考えようですねぇ
もしウインダ様があのまま新国家を建国なさっていたらですねぇ
アン様がしれっと王妃に治まってですねぇ、
その裏でダン様との浮気を繰り返してたわけですからねぇ」
……なんか、メフィラが、フォローっぽいことを言ってるんだけど、
それ、全然フォローになってないから……
で、まぁ
もうこれ以上、何も突っ込む気力もなくなった俺の前で、
メフィラは、話を仕事の案件へと戻した。
「と、言うわけでですねぇ
早速、お2人にはイゾルンダ世界へ異世界転移していただいてですねぇ
この姫勇者様と協力して魔王を討伐してきていただきたいんですねぇ」
俺とロミネスカスは、
メフィラから説明を受けながら社員寮を地下へと降りていった。
この地下室、
表向きは無いことになっているって言ってたけど、入ってみて納得した。
この地下室は、
部屋全体が巨大な異世界転移装置になっていた。
で
俺と、ロミネスカスが到着すると、すでに魔法陣が起動していた。
「魔王を倒す際にですねぇ、
注意点が1つだけありましてですねぇ
必ず、その世界の勇者にとどめを刺してもらってくださいねぇ」
「え? そうなの? 俺が倒しちゃだめなの?」
「魔王を倒すにはですねぇ、
同じ世界の神様の祝福を受けた勇者がですねぇ、
とどめをささないとですねぇ、
またぞろ即座に再生復活しちゃうんですよねぇ」
「あ~、なるほどね……」
俺が納得してると、
俺とロミネスカスの周囲の魔法陣、どんどん回転を速めていく。
どうやら、もうじき異世界ってヤツに飛んで行くみたいだな。
そん時、俺はふっと思って、メフィラへ視線を向けた。
「あのさ、1個質問」
「はい、なんですかねぇ?」
「今回の仕事ってさ、イゾルンダ世界の神様から依頼されたって言ってたよね?」
「はい、そうですねぇ」
「そんな、神様から仕事を取ってくるって、どうやるの?」
俺がそう言うと、
メフィラは、俺の目の前でニッコリ笑って
その背に天使の羽を展開していった。
……ってか、お前、天使だったのかよ……
「この会社はですねぇ、天界の、とある神様のですねぇ、節税対策の一環として設立された会社なんですよねぇ。
私は、その神様の使いの1人なんですよねぇ」
俺は
……天界にも節税とかあるのかよ……って、突っ込もうとしたところで、
その意識がフェードアウトしていった。
あぁ、多分、これ
次に目覚めたら、イゾルンダ世界なんだな……
俺は、仕事をとにかく早く終わらせて
スアビールを心ゆくまで飲むぞ、と、決意を新たにしながら目を閉じた。
ーつづく
そうだ、
危うく忘れるところだった。
今日は朝一から、スアビールを買いに行くんだった。
昨日、始めて口にした酒だったけど、
良く冷え、のどごしが良く、そしてそのシュワッとした感じが最高の、あの酒を、今日こそ心ゆくまで満喫したい。
幸い、金はある。
ロミネスカスが、加工用にと所持していた魔石を売ったお金が結構あるし、
何より、この酒を味わいたいとの意見には、ロミネスカス本人も超乗り気なわけだ。
俺達は、着替え終えると
「よし、いくぞ」
「えぇ、いいわ」
戸を開け、一気に駆け出……
「おはようござますねぇ、ウインダ様、ロミネスカス様」
その開けたばかりの戸の向こうに、メフィラがいた。
メフィラは、いつものように、その小脇に大量の書類を抱えて、
んでもって、俺達2人を室内に押し返していく。
「おい、ちょっと待ってくれ、俺達は買い物に……」
そう言った俺の眼前に、メフィラは1枚の紙を突きつけ、こう言った。
「仕事ですねぇ」
と。
◇◇
『姫勇者の魔王討伐の手伝い』
メフィラが差し出した紙には、そう表題されていた。
その勇者がいる世界ってのがイゾルンダ……この世界とも、俺が産まれ育った世界とも違う、まったく別の世界らしい。
……まぁ、そんな世界がどうのこうのなんて、一介の勇者に過ぎない俺なんかがいくら考えても完全に理解出来るとは思えないしな……
「そうね、ウインダは昔から頭の方は残念ここに窮まれりでしたから」
「うっせ! ほっとけ」
「……それでも、少しは認めているんですよ? あそこまで魔法をよく覚えたもんだ、と」
そう言ってくれるのは嬉しくもあるんだけど、
ロミネスカスってば、乾いた笑いしながら、拍手をぱっち……ぱっち……とすっごい間を開けてしてやがりまして……なんていうか、喧嘩売られているとしか思えないわけで……
「で、ですねぇ、
依頼主であります、イゾルンダ世界の神様によりますとですねぇ。
すでに30年かかってるのに、まだ魔王を倒せてないそうなんですねぇ」
……え? さ、30年って……じ、じゃあこの姫勇者って、相当な婆ぁ……ってことか?
「あぁ、この方はですねぇ、勇者になったときにですねぇ、神様からですねぇ、年齢固定の祝福をもらっていますのでねぇ、勇者になった時の14才の姿のままですねぇ」
ほう……なんですか?
勇者になった時に、年齢固定なんて祝福を頂けるもんなんですかね?
……俺が、神様から天啓受けた時には、そんな話、これっぽっちもなかったぞ?
ポン
「……え~、それでですね……」
「おいこら!? 何、人の肩に手を置いて『ドンマイ』みたいな顔して話を次に進めようとしてんだよ!」
「え~? 言わないとダメですかぁ?」
「っていうか、一応気になるじゃないか……なんで俺は年齢固定してもらえなかったのかっての」
「え~、そりゃまぁ。あれですよ……神様にだって感情がありますのでねぇ」
「は?」
「自分の選んだ勇者の動向って、まぁ、最後まで見守る義務があるわけなんですねぇ」
「あ、あぁ……」
「その見守ってる姫勇者がですねぇ、日に日におばさんになっていくの、耐えられますかねぇ?」
「……え~っと」
「ですのでぇ、ウインダ様がぁ、もっとかわいくって、きゃるんとした女勇者だったら、間違いなく年齢固定の祝福を得られていたかと、思うんですよねぇ」
……なんですか?
俺、男だからって理由で、年齢固定してもらえなかったっての? ねぇ……
すると
ここまで横で話を聞いていたロミネスカスが
「ちょっといいかしら?」
そう言いながら右手をあげた。
「メフィラさん……あなたさっき、
神様が『自分の選んだ勇者の動向って、まぁ、最後まで見守る義務がある』って言われましたよね?」
「はい、言いましたねぇ」
「……と、言うことは、ウインダも、ウインダに天啓を与えて勇者に任命した神様から見守られてたはずなんですよね?」
「はい、そうですねぇ」
「……に、しては、あまりにもひどくないです? この仕打ちって?
あの大魔王を倒したっていうのに、
許嫁は寝取られ、
褒美はもらえず、
許嫁は寝取られ、
城からは指名手配され
許嫁は寝取られ……」
ち、ちょっと待ってくれ、ロミネスカス……
な、なんで寝取られの部分だけ、定期的に繰り返すのかな?……あれ? なんか目から汗が……
すると、メフィラ、小脇に抱えている書類の束から1枚抜き出すと
「それに関してはですねぇ、
後日談がありましてですねぇ、
あの城の王と貴族って、すっごい私腹を肥やしまくってる最低野郎共でしてですねぇ」
……は?
「本来でしたらですねぇ、勇者ウインダ様とロミネスカス様はですねぇ
大魔王を倒した後にですねぇ、
城に戻ってですねぇ
王を倒してですねぇ、
貴族を追い出してですねぇ、新国家を建国する使いのお仕事が待っていたのですねぇ」
「「は、はぁ!?」」
「で、ですねぇ、そのお仕事をこなされる前にですねぇ、あなたは我が社に引き抜かれましたのでねぇ
その役目は、剣士のブレドナさんと、重騎士のレコンキスナさんに引き継がれましてですねぇ
新たな神の加護を受けたお二方はですねぇ、
救国の勇者としてですねぇ
王を倒してですねぇ、
貴族を追い出してですねぇ、
新国家を建国しましてですねぇ、
今では、新国家の2人国王として君臨なさっていますねぇ」
……ち、ちょっと待て
「……あ、あのさ……な、なんでその話を先に教えてくれなかったのさ?……そうとわかってたら俺、こんな会社に就職なんて……」
そう言いながらメフィラを視線を向けた俺。
その時のメフィラ、一瞬、すっごい悪人顔して
「そんなん言うわけないじゃないですかねぇ
こっちだって勇者確保するのに必死なんですよねぇ」
……わざとか
……ってか、この女、最初っから全部知ってて、俺を契約するしかないように仕向けてたってことか
「ふっざけんな! こんな契約、認められるか! 却下だ! 無効だ! クーリングオフだ!」
俺は、魔法袋の中から、メフィラと交わした契約書を取り出すと、それをビリビリに……
……あれ? なんで、ビリビリになってないんだ?
今、俺、確かに、ビリビリに破ったはずだぞ?……よし、もう一回……
俺は、再度契約書をビリビリに引き裂いた。
んで、その契約書
わずか2秒で元に戻った……って、うぉい!? 再生機能付きかよ!?
ここでメフィラのヤツ、俺の背後に回ると
「……勇者たるもの、あきらめが肝心だと思いますねぇ」
そう言って、再度俺の肩を叩きやがった……
その顔を肩越しに見た俺は悟った。
あぁ、俺、詰んだな……と。
◇◇
「物は考えようですねぇ
もしウインダ様があのまま新国家を建国なさっていたらですねぇ
アン様がしれっと王妃に治まってですねぇ、
その裏でダン様との浮気を繰り返してたわけですからねぇ」
……なんか、メフィラが、フォローっぽいことを言ってるんだけど、
それ、全然フォローになってないから……
で、まぁ
もうこれ以上、何も突っ込む気力もなくなった俺の前で、
メフィラは、話を仕事の案件へと戻した。
「と、言うわけでですねぇ
早速、お2人にはイゾルンダ世界へ異世界転移していただいてですねぇ
この姫勇者様と協力して魔王を討伐してきていただきたいんですねぇ」
俺とロミネスカスは、
メフィラから説明を受けながら社員寮を地下へと降りていった。
この地下室、
表向きは無いことになっているって言ってたけど、入ってみて納得した。
この地下室は、
部屋全体が巨大な異世界転移装置になっていた。
で
俺と、ロミネスカスが到着すると、すでに魔法陣が起動していた。
「魔王を倒す際にですねぇ、
注意点が1つだけありましてですねぇ
必ず、その世界の勇者にとどめを刺してもらってくださいねぇ」
「え? そうなの? 俺が倒しちゃだめなの?」
「魔王を倒すにはですねぇ、
同じ世界の神様の祝福を受けた勇者がですねぇ、
とどめをささないとですねぇ、
またぞろ即座に再生復活しちゃうんですよねぇ」
「あ~、なるほどね……」
俺が納得してると、
俺とロミネスカスの周囲の魔法陣、どんどん回転を速めていく。
どうやら、もうじき異世界ってヤツに飛んで行くみたいだな。
そん時、俺はふっと思って、メフィラへ視線を向けた。
「あのさ、1個質問」
「はい、なんですかねぇ?」
「今回の仕事ってさ、イゾルンダ世界の神様から依頼されたって言ってたよね?」
「はい、そうですねぇ」
「そんな、神様から仕事を取ってくるって、どうやるの?」
俺がそう言うと、
メフィラは、俺の目の前でニッコリ笑って
その背に天使の羽を展開していった。
……ってか、お前、天使だったのかよ……
「この会社はですねぇ、天界の、とある神様のですねぇ、節税対策の一環として設立された会社なんですよねぇ。
私は、その神様の使いの1人なんですよねぇ」
俺は
……天界にも節税とかあるのかよ……って、突っ込もうとしたところで、
その意識がフェードアウトしていった。
あぁ、多分、これ
次に目覚めたら、イゾルンダ世界なんだな……
俺は、仕事をとにかく早く終わらせて
スアビールを心ゆくまで飲むぞ、と、決意を新たにしながら目を閉じた。
ーつづく
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